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心理孊の知芋は䞀般化できるか 䞀般化可胜性の問題【心理孊】

    だいぶ背䌞びしおこの論文を読んでいたした。

    平✯界・䞭村倧茝「⌌理孊における再珟性危機の10幎―危機は克服されたのか、克服されうるのか―⟮短瞮版」2022幎

    平石界・䞭村倧茝「心理孊における再珟性危機の10幎―危機は克服されたのか克服され埗るのか―」2021幎 科孊哲孊 54-2

    「科孊哲孊」誌に寄皿した論文の非短瞮版を公開したした。よりマニアックな情報、より詳しい解説が含たれおいお、お手元にあるず䜕かず䟿利かず存じたす。
    「心理孊における再珟性危機の10幎非短瞮版」
    https://t.co/BR6Ub4usQU @OSFramework

    — Hiraishi Kai (@kaihiraishi) April 1, 2022

    正本はこちらです。サッず読むのには短瞮版のこちらをどうぞ。https://t.co/BBrmRiyrx0

    — Hiraishi Kai (@kaihiraishi) April 1, 2022

    おもしろいです。非垞に充実した内容で倧倉勉匷になりたす。

    この蚘事では、心理孊研究の「䞀般化可胜性問題」に焊点を圓おお、論文のごく䞀郚を、倧雑把に、私の関心を匕いた郚分を匷調する構成で玹介しおいきたいず思いたす。

    論文の玠人玹介蚘事ですので、品質には期埅せず、ざっくりず読んでいただければ幞いです。興味を匕かれたら原論文を圓たっおください。

    䞀般化可胜性の問題


    䞀般化可胜性Generalizabilityの問題ずは、心理孊研究の知芋は、埓来䞻匵されおきたほど䞀般化できないのではないか、ずいう問題です。

    ある研究が瀺した知芋は、その研究の被隓者の属性人皮、囜籍、文化や、実隓条件刺激の皮類などを越えおは適甚できないかもしれたせん。

    ⌀般化可胜性危機ずは぀たり、埓来の⌌理孊研究が䞻匵しおきたほど、その知⟒の⌀般化可胜性は⟌くないかも知れないずいう問題である。⌌理孊者が、未枬定芁因の圱響を知りながら分析モデルに組み蟌たず、限定された状況にしか適✀できないはずの掚定倀を求めおおきながら、その掚定倀を✀いお⌀般的な議論をしおきたのではないかずいう指摘である。

    平✯界・䞭村倧茝「⌌理孊における再珟性危機の10幎 危機は克服されたのか、克服されうるのか⟮短瞮版」2022幎 29頁

    話自䜓はずおも玠朎なものなのですが  
    あたりに玠朎なだけに
    「䞀般化できるかどうかっお、やっぱり問題なんだ」
    ず「逆に驚き」感が吊めたせん。

    私が読んできた著䜜やら蚘事やらの倚くでは、心理孊の研究結果は圓然のように䞀般化されおいたした。私なんかは「研究者たちがこう蚀うからには圓然ある皋床は䞀般化できるずいうこずなんだろうな」ず無批刀に受け取っおいたのですが、これもたた良くない思考停止だったようです。

    さお、心理孊は䞀般化可胜性問題ずは別に「再珟性の問題」や「頑健性の問題」も抱えおいるのですが、そちらの問題に向き合っおいるうちに、䞀般化可胜性の問題がよりはっきりず芋えおきたようです。

     再珟性の問題から䞀般化可胜性の問題ぞ


    再珟性Replicabilityの問題ずは、同じ分析法を異なるデヌタに察しお甚いた堎合に、ある皋床同じ結果が再珟されるかずいう問題です。

    ある研究に再珟性がなかったからずいっお、盎ちにその研究に問題があるこずにはなりたせん。再珟できなかった理由が「人間の心理は時代や地域によっお違うから」ず蚀えそうならば、別の研究ぞの糞口になりそうです。

    しかし、再珟性の危機が明らかにしたのは、「研究者自らノむズを拟いに行っおしたっおいた疑わしい研究慣習 QRPs」こずでした。ノむズからその時代や地域による人間心理は芋えおきたせん。

    しかも、近幎の「信頌性革呜」以前に行われおきた研究は、远詊研究も含めおQRPsの圱響䞋にありたす。远詊研究も疑いの察象である以䞊、倚くの远詊研究に支えられおきた研究だからずいっお、十分には信頌できないのです。

    ずいうわけで、重芁な発芋ずされおきた心理孊研究は本圓に再珟性があるのかを確かめるため、改めお事前登録枈の倧芏暡远詊が行われおいたす。

    「顔面フィヌドバック仮説」のケヌスをみおみたしょう。

    顔面フィヌドバック仮説ずは、衚情を䜜るず、それを原因ずしお衚情に察応した感情が生起するずいう仮説です。私は別蚘事で「衚情フィヌドバック仮説」ずしおずりあげたこずがありたす。

    さお、事前登録枈倧芏暡远詊の結果は、統蚈的な有意な効果はみられないずいうものでした。

    顔⟯フィヌドバック仮説を✀持する研究は、SMS論✂埌にも倚数が出版されおいたが、その⌿続きそのたたに盎接的远詊を⟏った研究は刊⟏されおいなかった。そこに✬を぀けお事前審査付きの事前登録远詊研究Registered Replication Reportを⟏ったのが(Wagenmakers et al., 2016) である。䞭略確定した実隓⌿続きに埓っお17の研究宀で実隓が実斜され、合蚈で1,894名の参加者デヌタが分析に✀いられた。各研究宀ごずに結果を⟒れば、仮説ず⌀臎する✅向の結果であった研究宀もあれば9/17、反察✅向の結果であった研究宀もあった。それらをメタ分析によっお統合したずころ、⻭条件smile=笑顔ず唇条件pout =ふくれっ⟯で、⟯✩さ評定倀に統蚈的に有意な差があるずは⟔えない、ずいう結果ずなった。

    平✯・䞭村 2022幎非短瞮版11-12頁

    Wagenmakers et al., 2016
    「Registered Replication Report: Strack, Martin, & Stepper (1988).」
    https://psycnet.apa.org/record/2016-58542-014

    しかし、倧芏暡远詊で吊定的な結果が埗られたずいっおも、「顔面フィヌドバック仮説は誀りだったのだ」ずいう話にはなりたせんでした。オリゞナル研究の第䞀著者から、远詊研究に぀いお批刀が出たからです。

    批刀によれば、倧芏暡远詊研究にはいく぀か欠陥がありたした。䟋えば、「被隓者がカメラを向けられおいたこず」や、「実隓察象が顔面フィヌドバック仮説を知っおいた可胜性が高い」ずいう点で、オリゞナルの研究ずは異なっおいたした。たた、実隓に䜿われた挫画はオリゞナル研究ず同䞀のものを䜿っおいたのですが、こちらはもはや30幎前の挫画になっおいお叀すぎたかもしれたせん。

    その䞭でStrackは、远詊結果が吊定的であったこずぞの驚きを述べた䞊で、その理由に぀いお4぀の論点を挙げた (Strack, 2016) 。
    1⌀孊の⌌理孊⌊⟚の授業で顔⟯フィヌドバック仮説を扱うこずが倚いため、⌀孊✣から参加者を募った研究宀での結果が圱響を受けおいたかも知れない。
    2新たに遞び盎したずは⟔え、30幎前ず同じGary Larsonの挫画を䜿ったのは適切でなかったかも知れない。
    3実隓の様⌊を録画したこずが参加者の⌌理に圱響したかもしれない。
    4ポゞティブな結果を報告しないずいう逆✅向の公刊バむアスが働いおいた可胜性がある、である。

    平✯・䞭村 2022幎非短瞮版12頁

    ぀たり、远詊に倱敗したのは、きちんずした再珟実隓になっおいなかったせいであり、オリゞナル研究ず同じずみなせるような実隓ができおいたならば、実隓は再珟されおいたかもしれないずいうわけです。

    これらの批刀には䞀理あり、「著者による埌だしの負け惜しみだ」で枈たすのは孊問的ではありたせん。批刀に応えるべく、再び倧芏暡远詊実隓Many Smilesプロゞェクトが行われるこずになったようです。

    ずはいえ、この再々远詊で議論は決着するのでしょうか。次の远詊が顔面フィヌドバック仮説に吊定的な結果を出したずころで、たたもや「オリゞナル研究ず仕様が違ったせいだ」ずいう話が出おきそうです。再々々远詊、再々々々远詊が必芁になるだけかもしれたせん。

    「しかし、このMany Smilesプロゞェクトの結果がどのようなものになったずしおも、それは圓該プロゞェクトで採✀した研究仕様の䞋における結果に過ぎないずいう批刀が寄せられるこずは想像に難くない。仕様の⌀郚を倉曎しただけ䟋えば参加者⺟集団が倉わる、郚屋にカメラや鏡を眮くなどだけで結果が倉わるかも知れないずする批刀を受けた時には、たた恐らくは⌀芏暡な远加実隓が必芁ずなるのではないだろうか。」

    平✯・䞭村 2022幎非短瞮版12-13頁

    こうなっおくるず、研究に再珟性があるかないか、ずいう論争はなかなか収束しそうにありたせん。

    ただ、それでも倧芏暡远詊実隓から芋えおくる景色がありたした。

    ずいうのも、仮に若干の仕様の倉曎で効果がなくなっおしたうずするならば、顔面フィヌドバック効果は存圚するにしおも条件がそろった限定された環境でのみ発生するものだったこずになりたす。

    ぀たり、オリゞナル研究から、「衚情を䜜るず、それを原因ずしお衚情に察応した感情が生起する」などずいう䞀般的な䞻匵をするこずには、そもそも無理があったず蚀えるでしょう。

    これこそ䞀般化可胜性の問題であり、再珟性の問題ずは別皮の問題です。仮に再床の倧芏暡远詊で「顔面フィヌドバック仮説」に再珟性が確認されたずしおも、その知芋が䞀般化できるのかどうかは別途問われねばなりたせん。

    カメラの有無、挫画の叀さなどによっお結果が違っおくるずいうならば、党く別ゞャンルの挫画ならどうなのか。自宅で読むのず倧孊で読むのでは違うのか。挫才や映画ならどうなのか。日本人倧孊生にも圓おはたるのか。いくらでも疑問は湧いおきたす。

    それらの疑問に答えられおいない研究は、仮に再珟性があったずしおも、「衚情を䜜るず、それを原因ずしお衚情に察応した感情が生起する」ずいう䞀般論を匕き出せるような研究ではないでしょう。そもそも「顔面フィヌドバック仮説」などず呌んでいたのが誀りだったずいうこずになりそうです。

    平石・䞭村論文の以䞋の指摘は、なかなか匷烈です。

    顔⟯フィヌドバックのオリゞナル研究のタむトルは「⌈間の笑顔の抑制条件ず促進条件顔⟯フィヌドバック仮説の⟮䟵襲的怜蚌」であった。⌀般化可胜性に配慮するなら「北✶⌀孊✣は、実隓宀内でペンを⻭でくわえおGary LarsonのThe Far Sideから遞んだ、ほどほどに⟯✩い挫画点を⟒るず、ペンを唇でくわえた時よりも、可笑しみを感じやすい」ずするべきではなかっただろうか。

    平✯・䞭村 2022幎非短瞮版30頁

    もちろん、このような䞀般化可胜性の問題は、顔面フィヌドバック仮説にのみ圓おはたるものではありたせん。

    それどころか、ほずんどの心理孊研究に぀いお䞀般化可胜性問題が立ちはだかっおいたす。重芁な指摘だず思ったので、長く匕甚したす。

    しかし、サンプルサむズだけでは䞀般化可胜性を担保するには䞍十分だずYarkoniは論じる。顔面フィヌドバックの実隓においお、ある参加者がどのくらい挫画に可笑しみを感じるかには、様々な芁因が関わる。偶々キャラクタヌが知人にそっくりだったのかも知れないし、䜕にでも可笑しみを感じ易い人なのかも知れない。目的倉数「可笑しみ」 に圱響するそれらの芁因を統蚈モデルに組み蟌むず、䞻目的である顔面フィヌドバック効果の掚定粟床は䞋がる。逆にそれらをモデルに組み蟌み損なえば、掚定粟床を過倧評䟡しおしたう。 
     ここで問題ずなるのは、心理孊研究ではしばしば、目的倉数に圱響しうる芁因を枬定しおおらず、それゆえ分析にも組み蟌んで来なかったこずである未枬定芁因の問題。䟋えば、誰が実隓進行圹を務めるか、指瀺の文蚀、刺激の䞭身、実隓宀のセッティング、参加者の募集方法などが異なれば、目的倉数も圱響されたかも知れない。事実、心理孊者はこれらの芁因が無芖できないものず考えおきた。マルチラボ远詊を受けた顔面フィヌドバック仮説提唱者のコメントを思い出そうStrack, 2016。曰く、30幎も経っおいるのにGary Larsonの挫画を甚いたせいではないか刺激の䞭身、講矩で仮説を耳にした恐れのある倧孊生サンプルを甚いたせいかも知れない参加者の募集方法、実隓を録画しおいたためかも知れない実隓宀のセッティング。未枬定芁因を甚いお埌付で結果を解釈する行為は心理孊においお珍しいこずではないし、それらの党おが的倖れずも蚀えない。問題はそれら未枬定芁因が分析に反映されおいないこずにある。研究仕様を定める際には、䜕を枬定し、䜕を分析に含めるかも決定される。その際に含めるべき芁因たで削るこずが自芚的もしくは無自芚に暪行しおおり、それゆえ埗られた結果の䞀般化可胜性がこずごずく過倧評䟡されおいる恐れがある。

    平石界・䞭村倧茝
    「心理孊における再珟性危機の10幎―危機は克服されたのか克服され埗るのか―」
    2021幎 科孊哲孊54-2 38-39頁

    「埗られた結果の䞀般化可胜性がこずごずく過倧評䟡されおいる恐れがある」ずは、これもたた匷烈な指摘です。

    分析に組み蟌むべきなのに組み蟌たれおいない芁因は、䞊蚘の匕甚文䞭で䟋瀺されおいる「刺激の䞭身」「参加者の募集方法」「実隓宀のセッティング」だけではありたせん。

    私も以前から随分ず気になっおいるのが、文化差の問題です。心理孊研究のサンプルが、「西掋の、教育を受けた、工業化した、豊かな、民䞻的な文化にいる人」に偏っおいるずいう問題は、指摘されお10幎経過しおも倧きくは改善されおいたせん。欧米圏では、サンプルの属性を明瀺するずいうこずさえ培底されおいないようです。

    䟋えば⌌理孊の䞻芁誌で報告される報告の倚くが、北✶⌀孊✣を代衚ずする、WEIRDWestern, Educated, Industrialized,Rich, and Demoratic集団からのサンプルを察象ずした実隓や調査によるものであるこずが指摘されお久しい (Arnett, 2008; Henrich et al., 2010a, 2010b) 。WEIRD問題が指摘されおから10幎が経っおいるが未だ状況に⌀きな改善はなく、⌌理孊研究のサンプルは欧✶圏に⌀きく偏っおいる (Barrett, 2020; Clancy & Davis, 2019; Hruschka, Medin, et al.,2018; Rad et al., 2018; Thalmayer et al., 2021) 。そしお✶囜⌈サンプルを✀いた⌌理孊論✂はタむトルにサンプルの属性を明✰しない傟向がある (Cheon et al., 2020; Kahalon etal., 2021) 。぀たり偏ったサンプルから埗られた研究結果にも関わらず、それが⌈類に普遍的な⌌理を明らかにしたかのような論✂タむトルが✀いられおいる。1990幎代からの✂化⌌理孊の興隆 (Markus & Kitayama, 1991; Nisbett, 2004; Nisbett et al., 2001) や、⟮欧✶圏サンプルの研究ではサンプル属性が明✰される傟向があるこずを螏たえれば (Cheon etal., 2020; Kahalon et al., 2021) 、たさか⟃分の研究テヌマに✂化の圱響があるずは思わなかった、ずいう⟔い蚳は通✀しないだろう。
     そしお、サンプル属性に限らず、知⟒の⌀般化可胜性に配慮したタむトルが✀いられるこずはほずんどない (Simons et al., 2017) 。䞭略最も厳密な衚珟が✀いられるず期埅される孊術論✂がこのような状態であれば、より⌀般的な聎衆を察象ずした広報においお、⌀般化可胜性に぀いお適切な衚珟が✀いられおいるず期埅するこずは、難しいだろう。

    平✯・䞭村 2022幎非短瞮版30頁


     頑健性の問題から䞀般化可胜性の問題ぞ


    頑健性Robustnessの問題ずは、同じデヌタを異なる分析法によっお解析したずきに、ほが同じ結果が埗られるかずいう問題です。

    オヌプンサむ゚ンスが広たるに぀れお、手元のデヌタに察しお、可胜な分析仕様を党お詊しおみるこずさえ可胜になっおきたした。

    ほずんどの研究仕様が同様の結論を瀺すのならば、その結論は劥圓性が高いずいうこずになりそうです。

    頑健性をテストする手法にもさたざたあり、平石・䞭村論文では、マルチバヌス分析multivers analysisや仕様カヌブ分析Specification Curve Analysis, SCA、Many Analystsアプロヌチを玹介した䞊で、それぞれが䜿甚された実䟋ず限界に぀いお詳しく曞かれおいたす。

    ここではMany Analystsアプロヌチに関する話の䞀郚だけ玹介したす。

    Many Analystsアプロヌチずは、同じデヌタを倚数の研究者に分析しおもらうこずで仕様のバリ゚ヌションを増やそうずするものです。

    このアプロヌチによる研究Schweinsberg et al., 2021によっお、頑健な研究を行うこずの難しさが浮き圫りになりたした。

    研究の抂芁はこちらです。

    Many Analystsアプロヌチがより⌀きな分析結果のばら぀きを✣みうるずいう報告もある(Schweinsberg et al., 2021) 。
     この研究ではたず、アカデミックなオンラむンフォヌラムにおける玄8000コメント300䞇語を超えるテキストデヌタに぀いお、それを✀いお怜蚌可胜な仮説を募集した。そしお幟぀かの分析チヌムが詊隓的な分析を⟏うこずで、分析結果のばら぀きが⌀きくなりそうず⟒蟌たれた2぀の仮説を採✀した。
     それから、その2぀の仮説を怜蚌する分析チヌムを募集した。

    平✯・䞭村 2022幎非短瞮版23頁

    簡単に蚀うず「アカデミックなオンラむンフォヌラムのテキストデヌタ」を材料にしお、耇数のチヌムが぀の仮説を分析するこずになったずいうこずです。

    1぀目の仮説は、「ディスカッションにおける⌥性参加者の数が倚いほうが、⌥性が積極的に䌚話に参加する傟向がある」ずいうもの。

    同じデヌタから分析をするのですから、どのチヌムも同じ結果を報告しおもおかしくありたせん。ずころが、結果はそこそこ割れたす。ただ、こちらは䞀応「仮説を支持する方向で有意」ずする報告が優勢ではありたした。

    仮説1は「ディスカッションにおける⌥性参加者の数が倚いほうが、⌥性が積極的に䌚話に参加する傟向がある」 A womanÊŒs tendency to participate actively in a conversation correlates positively with the number of females in the discussion ずいうものであった。䞭略
     仮説1に぀いおは、仮説を✀持する✅向で有意だったずする報告が9件63.4%、仮説ず逆の✅向で有意だったずする報告が3件21.4%、仮説ず逆の✅向だが有意でないずするものが2件14.2%であった。

    平✯・䞭村 2022幎非短瞮版23頁

    ぀目の仮説は、「地䜍の⟌い参加者は、地䜍の䜎い参加者よりも、より雄匁である」ずいうもの。

    こちらはかなり問題で、なんず結果が真っ二぀に割れおしたいたす。

    仮説2は「地䜍の⟌い参加者は、地䜍の䜎い参加者よりも、より雄匁である」 Higher status participants are more verbose than are lower status participants であった。
    䞭略
     仮説2に぀いおは、仮説を✀持する✅向で有意だったずする報告が4件28.6%、仮説ず逆の✅向で有意だったずする報告が3件21.4%、仮説ず同じ✅向で有意でないものが3件、仮説ず逆で有意でないものが4件であった。
     同じ仮説に぀いお、同じデヌタセットを✀いおも、これだけの分析結果の違いが✣じたこずをSchweinsbergらは「過激なばら぀き」radical dispersionず衚珟しおいる。

    平✯・䞭村 2022幎非短瞮版23頁

    同じデヌタを枡しお専門家に分析させたら、仮説の真停が真っ二぀に分かれた。穏やかな話ではありたせん。

    このばら぀きの原因は、仮説䞭にある「発蚀者の地䜍」や「雄匁さ」をどう解釈するか、分析チヌムによっお刀断が分かれたこずにあったようです。

    「発蚀者の地䜍」ずいっおも、職䜍教授、ポスドクなど、執筆した論文の被匕甚数、博士号の有無など考慮材料は色々ありたす。「雄匁さ」にしおも、単語数、文字数、䞀コメント圓たりの平均文字数などのどれではかるべきか定かではありたせん。

    倚矩的な解釈を蚱す仮説は、研究仕様に぀いお研究者の自由床が倧きく、それが結果の倧きなばら぀きをもたらしおしたうのです。こんなこずでは、どのチヌムがだした結果に぀いおも信甚するこずができたせん。

    では、仮説をもっず明確なものに倉曎すればどうでしょう。「高い地䜍」ではなく「倧孊教授」に、「雄匁さ」ではなく「曞く文字数」に限定しおしたえば、分析チヌムが耇数あっおも結果のばら぀きは小さくなるはずです。

    しかし、このようにした堎合、分析察象ずされるのはあくたで「教授はポスドクよりもアカデミックなオンラむンフォヌラムで曞く✂字数が倚い」ずいった仮説であり、「地䜍の高い人ほど雄匁である」ずいう仮説ではありたせん。仮に前者の仮説が正しいずしおも、そこから埌者の仮説の正しさを導くこずはできないのです。

    䟋えばSchweinsberg et al., (2021)の仮説2に぀いお、「地䜍」や「雄匁さ」を厳密に定矩しお many analysts アプロヌチを⟏えば、分析チヌム間の分散は〈さくなるかも知れない。
     しかし、そこで埗られた結論から「地䜍が⟌い者ほど雄匁である」ずいう⌀般的な⟔説を導くこずは、最早できない。
     なぜなら既にmany analysts アプロヌチが✰しおしたったように、「地䜍」や「雄匁さ」を異なった✅法で倉数化した時には、党く逆の分析結果ずなるこずが⌗分に考えられるからである。
     論✂タむトルずしお蚱されるのは䟋えば、「教授はポスドクよりもアカデミックなオンラむンフォヌラムで曞く✂字数が倚い」ずいったものであり、そこから敷衍しお「地䜍の⟌い⌈ほど雄匁である」などずは間違っおも䞻匵しおはならないこずになる。

    平✯・䞭村 2022幎非短瞮版25頁

    倚矩的な仮説だず埗られた結果が頑健ではなく信頌しがたい。明確な仮説だず、埗られた知芋が頑健であるが䞀般化しがたい。

    蚀われおみれば圓たり前のこずなのですが、頑健性を確かめるためのMany Analystsアプロヌチによっお、垞識的か぀シビアな珟実が改めお突き぀けられたず蚀えるでしょう。

    Schweinsberg et al., 2021「Same data, different conclusions: Radical dispersion in empirical results when independent analysts operationalize and test the same hypothesis」

    「再珟性の問題」「頑健性の問題」のどちらも倧きな問題です。しかしそれを越えた先には、「䞀般化可胜性の問題」ずいうさらに倧きいかもしれない問題が聳え立っおいたす。

    では、心理孊はどう進めばよいのか 。

    これに぀いおも平✯・䞭村論文では提案がなされおいたす。私はただ咀嚌しきれおいたせんが、心理孊が骚栌のある孊問になるためには重芁なんだろうなぁずいう指摘の数々でありたした。




     
     
    物曞き。哲孊・心理孊・法孊に興味がありたす。孊びを摂取、発信しおいきたいです。ずりわけ哲孊の存圚論から目を離せたせん。「存圚しおいる」ずは䞀倧事ではないでしょうか。 ※ Amazonア゜シ゚むトを利甚しおいたす。

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