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【旅日記#13-2】秋のお出かけラッシュ第1弾!札幌弾丸ひとり旅(後編)

    間もなく北海道では秋が始まろうかという頃、私はひとり札幌を訪れていた。
    前回は網走を発ってから6時間バスに揺られて知人の結婚式に出席、さらにその後の飲み会までという長く濃厚な初日を過ごしたが、今回はその翌日、すなわち最終日の様子をお届けしたい。

    (前回はこちら↓)

    2日目

    9:50 起床

    華やかで長かった夜と引き換えに、あっという間に朝がやって来た。私は日頃から出先ではあまり眠れない質なのだが、今朝は輪をかけて寝不足である。

    というのも、この前日は午前4時まで仲間と酒を酌み交わしており、ようやくベッドに入ってからもほとんど眠れていないのだ。おかげで目が覚めてからしばらくは身体を起こすこともままならず、どうにも動く気力が湧いてこない。
    まあ完全に自業自得というやつだけれども、二日酔いはないのがまだ幸いか。

    ともかく10時半過ぎにホテルをチェックアウト。
    帰りのバスは14時半出発だから、私に残された札幌滞在の時間は4時間弱となる。

    札幌市 中央バスターミナルとテレビ塔
    前回と別角度からのバスターミナルとテレビ塔。
    この日は昨日と変わって曇天で、
    地元より暖かいはずの札幌ですら風が吹くと肌寒い

    まずは何より移動が不便なので、拠点となる中央バスターミナルにスーツケースを預けてから行動開始。しかし、ちゃんとロッカーには鍵をかけたというのに、いざ身軽になるとどこか落ち着かない。
    この荷物を手放してソワソワする感覚はスーツケース初心者の今ならではのものだが、いつになったら慣れるのだろう。

    札幌市 創成川
    市内を南北に流れる創成川そうせいがわは都心部の癒やしスポット。
    この両側を国道5号の上下線が挟んでいる
    札幌市役所の外観写真
    こちらが札幌市役所。
    立派な施設ではあるのだが、
    他に特徴的な建物が多いのであまり目立っていない印象

    バスターミナルから西へ進み、札幌のメインストリートたる駅前通りに向かっていると、一帯がずいぶん賑やかになってきた。どうやらここは北海道マラソンのコースのようで、車道は封鎖され沿道も観客でいっぱいになっている。

    札幌市中央区 北海道マラソンのコース沿道
    道路脇を埋め尽くす大量の人。
    田舎者には目まいがするような熱気である

    時折ランナーが通りかかるとあちらこちらから歓声が飛び、人々のスポーツへの熱狂が感じられる。図らずもこの光景を間近で見ることができたのは貴重な体験だ。

    ただ、盛り上がるのは結構なのだが、私は普通にこの道を通りたいだけであって、これでは道路を渡ることもままならない。
    そんな時に役立つのが「チ・カ・ホ」こと札幌駅前通地下歩行空間。札幌駅から地下鉄南北線すすきの駅までは地下道で結ばれており、マラソンはもちろん信号や天気の影響も受けないため大変便利である。

    札幌駅前通地下歩行空間の内部風景
    かなりの人出がマラソンに取られているらしく、
    地下は前に来た時より空いていた。
    それでも多いけど⋯

    ひっきりなしに往来する人々の歩みは速く、のどかな田舎育ちの民にとっては半ば異世界のよう。そんな空気感もあってか、都会の地下というのは迂闊に入り込むと脱出できなくなる迷宮と思い込んでしまう節があるのは私だけではないだろう。

    しかし札幌の道はほとんどの道が直角に交わる碁盤の目状になっているうえ、住所や交差点も「北◯西◯」といった座標で示されるから、方角さえ分かればどうにでもなるのが救い。

    そうしてマラソンコースの下を抜け、実は未だこの目で見たことのなかった旧北海道庁の赤れんが庁舎に行ってみようと再び地上に出るも、そこには相変わらずの人混みがあった。
    赤れんが庁舎前から北3条広場の並木道にかけて次々に選手が走り抜けていき、道庁周辺もすっかりお祭りムードに包まれている。

    北海道マラソン開催中の道庁赤れんが
    この日に限れば、一般の観光客は完全にアウェー。
    これ以上入り込める雰囲気ではなかったが、
    外観だけでも撮れたからひとまず満足

    11:20 昼食

    その後もツイているというか何というか、ことごとく通りたい道がマラソンと重なった。目指す場所は目と鼻の先なのに、なかなかたどり着けなくてもどかしい。

    かくして地図上の距離以上に時間をかけてやって来たのは今回きってのお目当てたる「辛いラーメン14 札幌南口本店」、屋号や店構えからも存分にその辛さが伝わってくる。
    他の人と一緒ではこうした刺激的な所にはなかなか入れないから、ひとり旅ならではのちょっとした冒険と言えよう。

    辛いラーメン14 札幌南口本店の外観写真
    店舗はちょうどコースに面したビルの1階。
    前情報によると行列が絶えない人気店のようだが
    割とすんなり入れた。これもマラソンのおかげ?

    しかし前から気になっていたお店とはいえ、午前4時まで飲んだ後に起きてすぐラーメンなんて若気の至りが過ぎるのではなかろうか。事実、はっきり言ってこの時の私は本調子ではない。

    ではなぜそこまでして来たのかと言うと、この札幌南口本店は入居しているビルの取り壊しに伴い2027年3月頃をもって閉店を予定しているそう(新店舗の場所は現在探しているとのこと)。
    すすきのの新ラーメン横丁にも店舗はあるがそちらは夜営業のみなので、昼間に食べるなら今のうちだという算段でこの群衆をくぐり抜けて馳せ参じたのである。

    辛いラーメン14 札幌南口本店のメニュー表
    辛さの段階はなんと20辛まで!
    その名の通り辛いメニューが目白押しだが、
    辛さ抜きもできる懐の広さが嬉しい

    注文は食券制で、厨房を囲むようにカウンター席が並んでいる。
    年頃の男子には濃厚辛味噌太麺なるメニューの響きがとても魅力的に思えるけれども、ここは寝不足の身体を案じて普通の辛味噌とした。隣の人は5辛を頼んでいた中、初めてで勝手も掴めないため私はひとまず2辛で。

    辛いラーメン14 札幌南口本店の札幌辛味噌 2辛
    2でも結構辛そうな見た目。
    デフォルトで玉子とキクラゲが入っているのもポイント

    箸を持ち上げると、他店の辛味噌ラーメンとは一線を画す香辛料の香りが鼻腔を刺激する。とはいえ辛さは控えめにしたので悶絶するほどではなく、良い感じの旨辛といった具合である。個人的にはもっと上のレベルでも食べられそうだが、今の私にはこれくらいがちょうど良い。

    何より土台となるスープと麺がしっかり美味しいからこそ、辛さ一辺倒にならずにラーメン全体の味が楽しめる。さらに卓上にはコショウや酢と共にフライドガーリックが置いてあり、さらなるパンチを求めるニーズにも対応(今日はさすがに遠慮したが⋯)。

    もとより私にとってラーメンは大好きなものであるが、ここはその中でも特に気に入り、食べ終わった瞬間から次は何を頼もうかと考えを巡らせるほど。
    今回は体調が芳しくなく100%満喫できなかったこともあって、早くも再訪したい気持ちに拍車がかかる。タイムリミットは来年春、札幌ゆえに家から遠いことだけが悩みの種である。


    12:00 札幌市街を散策

    軽く汗をかいて多少元気が出たところで、先ほどより空が晴れてきて気温もちょうど良くなってきた。

    あとは帰るだけだし、暇つぶしに散歩でもすることに。都会に来ると途端に歩きたくなるのは、普段は車ばかりで全然歩くことがない反動だろうか。

    辛いラーメン14 札幌南口本店前の北海道マラソンの様子
    相変わらずマラソンコースの盛り上がりは最高潮。
    私も自転車でなら1日に100km以上走ったことがあるが、
    己の足だけで42.195kmは真似できそうにない

    道内の交通の中枢たる札幌駅周辺は現在噂されている北海道新幹線の乗り入れにあたり、常にどこかしらで工事が行われている。
    当初の札幌延伸予定は2030年度、今では2038年度と言われているけれども、果たしていつのことになるのかは門外漢の私には分からない。道東に住んでいる者としては、あまりに遠い世界すぎて⋯。

    JR札幌駅の外観写真
    さすが天下の札幌駅、人も車もすごい量だ。
    この中にも誰かの日常があるんだよな、
    なんて考えを巡らせるのも旅の楽しみのひとつ
    JR札幌駅 1階内部
    駅ビル内もやはり大変な賑わい。
    単純に人が多いのはもちろん、
    田舎では数少ない若年層の存在が目立っている

    今まで地下鉄は乗ったことがあっても、札幌近郊のJRは未経験な私。今日は駅には特に用事はないが、この旅が終わるとまたすぐに札幌に来ることになっているので、時間のあるうちに券売機や改札の下見をしておこう。

    JR札幌駅 改札口
    圧巻ともいえるほどの並びを見せる改札。
    上の電光掲示板にはさまざまな方面が書いてあり、
    名実ともに北海道の中心であることを改めて実感

    昨年春に訪れた際はもう夜も遅かったため閑散としていたものの、日中に見てみるとそれはもう目まぐるしく人が動いていて、巨大ターミナル駅の貫禄を感じる。今度来た時には私もその人波の一員になっていると想像すると、何だか不思議な気分だ。

    そして南方へと踵を返し、次に立ち寄ったのはこれまた札幌のシンボルと呼べる札幌市時計台。
    正式には「旧札幌農学校演武場」といい、その創始は北海道の本格的な開拓が始まって間もない1878(明治11)年。設置にはあのクラーク博士も関わっていて、札幌市のカントリーサインにも描かれている由緒正しき建造物である。

    札幌市時計台の外観写真
    建物が現在の位置になったのは1906(明治39)年のこと。
    私にとっては中学校の修学旅行以来だが、
    それしきの年月が経ったくらいでは当然変わっていない

    今となっては周りを高層ビルに囲まれている故にガッカリ名所なんて言われることもあるけれども全然そんなことはなく、多くの観光客が続々と写真を撮っている。
    そういえば、前の職場にいた時はよくラジオの時報でこの鐘の音を耳にしていたのが懐かしい。せっかくだから生で聞ければとも思ったものの、あいにく正午はとうに過ぎていて、13時を待つにも長かった。

    時計台のすぐ南には大通公園があり、街中でありながら緑がいっぱいで散歩にはうってつけ。

    札幌テレビ塔の外観写真
    テレビ塔の高さは現在144m。
    時計台と異なり近くに高い建物がないからか、
    数字以上に存在感がある

    元々は都市を区画する際の火防線として整備された場所で、現在はさっぽろ雪まつりをはじめとするさまざまなイベントの舞台としても大活躍。この日は北海道マラソンのスタート・ゴール地点となっていて、完走の証のメダルを持ったランナーの姿が随所に見受けられた。

    札幌市中央区 大通公園
    公園内には水場もあって涼しげ。
    木陰やベンチも多く、都会にいながらリラックスできる

    大通からさらに南下することしばし、昨年も歩いた狸小路をまた歩く。ここは店屋も通る人も本当に多種多様で、適当にぶらぶらしているだけでも退屈しない。

    札幌市中央区 狸小路
    地下街から顔を出してすぐの眺め。
    MEGAドンキとパチンコ屋が向かい合っているという、
    私には最も縁遠そうな世界から始まるのも面白い

    昨夜の飲み帰りの頃はドンキ以外ほぼ閉まっていて静かだったというのに、この12時間で街の表情はまるで一変していた。私はその両極端な様子を観測したわけだが、街のONとOFFが切り替わる瞬間というのもいずれ見てみたいものだ。


    14:30 いざ網走へ

    ここまでほとんど立ち止まらずに歩き続けた弊害か、狸小路をうろついていたあたりで足腰に違和感が出てきた。肉体労働からデスクワークに180度の転身を遂げて日頃の運動量が減ったこともあるだろうが、そこまでぶっ飛んだ距離を歩いたわけでもないのに、ちょっとショックな出来事である。

    というわけで、散歩はこれにて終わりとしてバスターミナルに戻る。結果として発車まで1時間以上持て余すこととなったものの、旅の中でなかなか開けなかったnoteを書く時間にもなるし、こんな時間があっても良いだろう。

    かくしてバスは定刻通りにやって来て、網走に向けた6時間の長旅がまた始まる。どうでもいいが、トランクにスーツケースを預ける際の番号札の数字が昨日とまったく同じで、乗り込む時から少し楽しくなった。

    札幌市 中央バスターミナルのドリーミントオホーツク号乗り場
    さすが札幌、時代は感じるがバスターミナルの設備も立派。
    今回の車両はバスケットボールチーム
    「レバンガ北海道」のラッピングバス

    子どもの頃のドライブから助手席を定位置として見るもの全てに目を輝かせていた私にとって、道中の車窓は旅の楽しみの中でも最たるものと言える。しかしこの時ばかりは疲労と眠気が限界であり、高速に入って間もなく瞼が下がっていってしまった。

    次に目を覚ましたのは深川あたり。
    米どころで知られるこの一帯の風景は黄金色に染まっていて、もう新米の時期なのか、と季節の進む早さに驚く。
    思えば今年の北海道は、昨年ほどの常識破りな暑さは少なかった印象がある。私は秋が好きなので、今後も秋らしい気温の日が多くなってくれると嬉しい。

    道央道 比布大雪PA ドリーミントオホーツク号
    この度の休憩は層雲峡ではなく、いつもの比布大雪PA。
    売店などはない簡素な施設だが、
    北海道の田舎のパーキングは大体こうである

    20:20 帰還

    その後も寝たり起きたりを繰り返し、定刻よりやや早い20時20分に網走バスターミナルに到着。札幌観光の後に見れば比較にならないような小さな街でも、やはり私にはこちらの方が落ち着く。

    1泊2日のバス旅ということで昨年と似たようなスケジュールであったが、札幌への単独行や結婚式といった初めてのことが重なり、どっと疲れが出た。
    これから何日もしないうちにまた大きな旅が控えているというのに、初回からこんな調子では先が思いやられる。

    しかしこうした場で昔の仲間と再会できたことは何より喜ばしいことであり、参列した私も含めて幸せな気持ちになれたから、間違いなく行ってよかったと思う。
    それにしても、結婚か⋯。今のところそのような縁はまるでないけれども、いつかは自分があちらの立場となる日が来るのだろうか。

    まあそんな遠い未来の話はさておき、次回は本note初となる飛行機の登場である。
    乗るのは高校の修学旅行以来、そして行くのはまたしても1人。果たして私は無事に行って帰ってこられるのか、乞うご期待!


    今回は以上になります。
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    北海道を拠点に旅や温泉の記録を書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。

     
     
    生まれた時から旅と地図(特に交通関連・道の駅)をこよなく愛する22歳。 北海道・オホーツクを拠点に、体験や気になったことなどを気の向くままに書いていきます。

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