
【温泉探訪記#9】濃厚泉質と湯量に驚き!ひろびろ落ち着くかけ流しの湯「ながぬま温泉」(北海道 長沼町)
以前の旅にて私は2泊3日で空知地方を訪れ、前回の温泉探訪記では1泊目でお世話になった栗山町のホテルを振り返った。それからかなり間が開いてしまったが、今回は2泊目に立ち寄った長沼町の「ながぬま温泉」をご紹介したいと思う。
ここの特徴は何と言っても素晴らしい泉質と豊富な湯量であり、静かな片田舎ながら旅行雑誌などでもよく取り上げられる注目の名湯。ちょっぴり前時代的な雰囲気と上質さが同居しており、旅の途中でゆったりするのにうってつけの所だ。
訪問時期:2025年夏
外観&周辺〜館内
ながぬま温泉は、長沼町の市街地から東に3分ほど車を走らせたところにある。周辺は広い公園と池がある「ながぬまコミュニティ公園」に充実のキャンプ設備が揃う「マオイオートランド」といったレジャー施設が目白押しで、それらの中心的存在としても賑わいを見せている。

別棟のレストランはなかなか今っぽい
さすが北海道の平野部だけあって、ほんの少し街を離れるだけで辺りは喧騒とはまるで無縁の世界が広がり、車を降りた時から早くも「これはリラックスできそう!」と確信を持った。
まずは公園の方へ足を向けてみると、開放感あふれる風景がお出迎え。ここの芝生はかなり広いが、手入れはよく行き届いている様子。夕方ということもあり人はほとんどおらず、淡く染まり始めた空の下、この空間をひとり占めしているようだった。

静寂の中、ときおり鳥が飛び立って
水面が揺れるのが心地よい

ロケーションも豊かで、
手軽に冒険気分が味わえて子どもも楽しいだろう
さて、それでは館内に入ってみよう。
内装はきれいに整えられており、ずらりと並んだシューズロッカーに数多の旅人を受け入れる懐の広さが感じられる。日帰り料金は大人700円。入浴時間も9時〜22時(宿泊客は24時までと朝5時〜8時も)と十分な長さで、キャンプの際に汗を流すにも重宝しそうだ。
受付から大浴場に進む道中は広い休憩スペースとなっており、軽食・ドリンクや漫画も楽しめるくつろぎの場所。
しかしこの時、私はチェックインしてから2階の部屋に直行し、それから別棟で時間いっぱいジンギスカン食べ放題を満喫、さらにすぐさま部屋でバタンキューと寝転がっていたので、いざ足を運んでみた時にはすでに真っ暗になってしまっていた。これは無念⋯。

代わりに客室を。
こちらも心地よくゆっくり羽を伸ばすことができた
成分解説&入浴
私が温泉に向かった時刻は23時。最小限の明かりだけがぽつぽつと灯る廊下を進んだ先には、昭和の保養所の香りを色濃く残す脱衣所があった。誰もいない空間の中、ロッカーや壁の注意書きなどに見られるレトロさに浸っていると、非日常の旅ということも相まってどこか現実離れした気分になる。
そして見逃せないのが分析書。ここの泉質は含よう素―ナトリウム―塩化物強塩温泉(高張性弱アルカリ性高温泉)で、その成分量はなんと塩化物泉として認められる基準値の20倍!
そこまで海が近いというわけでもないのに海水の半分以上の濃度を誇り、塩分で肌をコーティングしながらよう素との合わせ技により強力な殺菌・消毒作用が期待できるだろう。ただし、そのぶん体への刺激も強く、特に完治していない傷などがあるとかなりしみるので注意したい。
待望の大浴場には先客がひとりだけ、普段これほど遅くに入浴することはないから何だか新鮮である。泉質に加えて湧出量も自慢のながぬま温泉、分析書のみならず浴室の壁にも大々的に説明が書かれており、地下深くから湧き出るお湯の量は驚異の毎分1150Lだという(数字だけ見てもピンと来ないと思うが、一般的な家庭用のお風呂が10秒で溢れるほどと言えば伝わるだろうか)。
そのため、この広い浴槽はもちろん源泉かけ流しで、濃厚な泉質を余さず堪能することができる。塩化物泉は体の表面に保温・保湿効果のある膜を作ってくれるため、入っていると独特の触感があるのが特徴。
メインの浴槽は42.5℃、低温風呂も41℃と温度は高め。ずっと浸かっているより、時々お湯から上がって心身を落ち着けることをオススメしたい。
また、時間の都合上終わってしまっていたもののジャグジーやジェットバス、2種類の温度のサウナと設備も充実しており、サウナ室のすぐそこに仕切り付きのシャワーがあるのも嬉しい。

一通り内湯を満喫したら、露天風呂で夜風に当たる。この時は真夏で日中はうだるような暑さであったが、深夜ともなるとなかなか過ごしやすくなっていた。この泉質のおかげで、風に吹かれても湯冷めしにくいところも良い。
浴槽は風情ある岩風呂で、出入口から数段の階段を上る行程も含めてちょっぴり特別感がある。田舎なので夜には星がはっきりと見え、聞こえるのはお湯が注がれる音と虫の声のみ。う〜ん、これは贅沢!

湯上がりのひととき・グルメ
熱い湯に入っては涼んでと繰り返し、体の奥まですっかりホクホクとなった私。こんな時こそ前述の休憩スペースで一杯やりたいところだが、やはり真っ暗。間もなく最終入浴時間も過ぎることだし、そそくさと部屋に戻って床についた。
しかしそれで終わっては味気ないので、ここからはこちらで頂いた名物グルメの話をしよう。
時は遡ること数時間、チェックインして荷物を置いた私は、園内を軽く散策したのちレストラン「ひつじの旅」へ。長沼といえばやはりジンギスカン、せっかくの機会だからと奮発して食べ放題付きのプランで予約していたのだ。

味わい深い本館とは裏腹に、
今風の整った外観となっている
建物に入るなり鼻腔を刺激する肉の香りに誘われて2階に上がるとすぐに席に通され、テーブルには早くもラム肉の盛り合わせが。さあ、早速ひとり宴会の始まりだ!

食べ放題なので飲み物だけが別料金。
まずはやっぱりビールから!
ここの凄いところは、同じジンギスカンでも町内の3つの名店の味を食べ比べられる点。さすが本場というだけあって、どれも素晴らしい鮮度でまったく臭みがなく、その味には一口目からこれまでのジンギスカン観を揺るがされるほど。そのあまりの旨さに、初手でオーダーした大盛りライスもあっという間に空っぽになっていた(喜び勇んで頼みすぎてしまい、後半はかなり苦しくなってしまったが⋯)。
また、羊はもちろんのこと牛・豚・鶏と品揃えは幅広く、「羊肉はクセがあるからあんまり」という方がいてもみんなで楽しめるのも良いところ。今回は入浴を控えていたためビール1杯のみに留めたが、クラフトビールから日本酒、焼酎とお酒もたくさん取り揃えているので、是非とも機会を見つけて再訪したい。
そのほか、敷地内にはここの源泉を利用して作る「源泉豆腐」の工房もあり、こちらも町を代表する名物となっている。直売所や温泉の売店、道の駅など購入できる場所は多く、旅のお土産にもってこいだろう。個人的には、この豆腐で作った厚揚げが気になるところ。

豆腐本来のまろやかさに温泉の塩分が旨味をプラス、
味付けいらずの逸品だ
まとめ
というわけで、今回は南空知の名湯・ながぬま温泉を紹介した。前に投稿した旅日記と被る内容も多かったと思うが、その類まれな泉質と絶品グルメを味わえば、自ずと何度も語りたくなってしまうのである。
のどかな空気でポカポカになれるこの場所は、自然派もグルメな人も温泉マニアも誰もが笑顔になること間違いなし。札幌や新千歳空港も近いので、遠方からの方も気軽に北海道の田舎を体感してみてほしい。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
北海道を拠点に旅や温泉の記録を書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。