
初めての現場でも、迷わない 前編①(心構え)
皆さん、こんにちは!
佐藤寛子です。
今回は『初めての現場でも、迷わない 前編①(心構え)』をお届けしたいと思います。
雑誌やSNSなどで、色んなポージングを目にする機会があると思います。
でも実際の現場に立つと、身体が思うように動かない。カメラのレンズが、思っていたよりずっと冷たく感じる。
呼吸の仕方すら分からなくなる。
そんな経験はありませんか?
わたしも最初はそうでした。

カメラの前でまったく動けず、表情も硬くて、「笑って」と言われても引きつってしまう。
そんな時期がありました。
初めてのお仕事は、カメラ雑誌の、名前も出ない「水着の女の子」でした。
それが、わたしの原点です。その頃の話は、プロフィールに詳しく書いています。
そこから、一回一回の仕事で言われたことに気をつけながら、「次はこうしよう」「次はここを直してみよう」と、少しずつ経験を積み重ねていきました。
この記事に書いていることは、その積み重ねの中で見つけてきたことです。
「うまく撮られたい」「自分をもっと魅力的に見せたい」。
何人かの方から、そんな声をいただきました。
その言葉に向き合う中で、現場での経験を言葉にして届けたいと思うようになりました。
前編も後編も、2回ずつに分けてお届けします。
前編①では、技術の前に整えておきたい「心構え」についてお話しします。
現場で何千枚、もしくは何万枚と撮影に立ち会ってきて感じるのは、「情報として知っていること」と「その場でちゃんと動けること」はまったく別だということ。
第1章:今の自分が最善だと、信じる
カメラの前に立つとき、自信が持てないことがあります。
経験が足りない、体型が気になる、顔に満足していない。
そう思う瞬間は、誰にでもあります。

でも、気にしていたところで、シャッターが切られるその一瞬で、魔法みたいに痩せたり、経験が増えたりするわけではありません。
今この瞬間の自分が、今出せる最善。
どうあっても、それを信じること。

不思議なもので、この覚悟が決まった瞬間、身体の強張りがすっとほどけます。
自信のなさを隠そうとする力みが消えて、代わりにその人だけが持つ生々しい美しさが顔を出す。
完璧じゃない自分を受け入れた瞬間こそ、一番"らしい"一枚が撮れるのだと思います。
第2章:「きれいに映りたい」を手放す
「きれいに映りたい」と思っている間は、どこかカメラに見られることを恐れています。
緊張し、身構え、自分の可愛い、きれいに沿ってコントロールしようとする。
でも本当にいい瞬間は、そうやって狙って掴めるものではありません。
大切なのは、映りたい自分を演出することではなく、その瞬間、その光、その空気の中に「自分の心に触れる美しいもの」を探しにいく感覚です。
衣装の揺れかもしれない。
差し込む光の角度かもしれない。


そのなかで自然と自分でも予期していなかった表情に出会うことがあります。
主語が「わたし」から「その瞬間」に変わる。
その切り替えができたとき、写真は急に生々しくなります。
ふと本能的な何かが顔を出す。
それは時に異様で、見る人をどきりとさせる。
でもその「どきり」こそが、写真に宿る魂の正体です。
第3章:その瞬間に、自分を差し出す
今の自分を信じると決めたら、次にできることは、その瞬間を信じることです。
カメラマンさんを信じる。
その日、その場所の空気を信じる。
そして何より、そこに立っている自分自身を信じる。
コントロールしようとする手を離し、その時間に、自分を差し出す。
それは、さらけ出すということです。
取り繕った自分ではなく、素のまま、無防備なまま、その場に委ねる。
怖いことです。
でも、その怖さを引き受けた人だけが撮れる表情があります。
守りながら撮った写真と、差し出しながら撮った写真は、なぜか見る人に伝わる熱量がまったく違います。

第4章:だからといって、気は抜かない
ただし、差し出すことと、気を抜くことは違います。
心を委ねながらも、身体は緩めきらない。

呼吸でリラックスを作りながら、意識は指先まで、髪の先まで、ずっと神経を通し続けている。
この「委ねる心」と「統率された身体」が同時に存在しているとき、写真には不思議な緊張感と柔らかさが同居します。
ただ脱力しただけの写真は、ただだらしなく写るだけです。
本当に魂が宿る瞬間は、心は開いていながら、身体の隅々まではしっかり生きている。
その両立こそが、技術と呼べるものだと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
次回、前編②では、撮影の前にしていること、グラビアという仕事の性質、そしてすべての土台となる意識についてお話しします。
※前編②からは、有料記事になります。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
佐藤寛子
【佐藤寛子 プロフィール】
10代の頃からグラビアアイドル・女優として活動し、今もなお、その世界と向き合い続けています。
Instagramでは2万人の方にフォローいただき、何人かの方から「うまく撮られたい」「自分をもっと魅力的に見せたい」という声をいただく中で、現場での経験を言葉にして届けたいと思うようになりました。