
"裏方"が"主役"になった日〜ESバンドライブ所感〜
その日、私は『しょーがいゼッタイそーあい宣言❤︎』を鬼リピしながら帰路に着いたーー
去る2025年8月23日と9月6日、『ENSEMBLE STARS!! BAND LIVE』を鑑賞してきた。
バンドアレンジされた楽曲たちを、贅沢にも"ジャズの聖地"と言われるBLUE NOTE PLACEで堪能できる。それも美味しいお料理とともに。
『あんスタ』というコンテンツにおいても初の試み。情報が発表された当時、バンドやジャズに明るくない私ですらこれはとんでもないことだぞ…!と胸が高鳴った。
ありがたいことに2days連番にて参加することができたので、備忘録も兼ねてそれぞれの公演で私の心が揺さぶられた瞬間を書き留めておこう思う。
目でも楽しむこだわりのお食事
「BLUE NOTE PLACE」は、食と音楽を融合させたダイニング。
吹き抜け2階建ての開放感溢れる上質な空間で、ランチ、カフェ、ディナー、バーと一日を通して優雅な時間を過ごせるほか、ディナータイムにはライブ演奏やDJをテーブルチャージで食事とともに気軽にお楽しみいただけます。
BLUE NOTE PLACEは質の高い音楽だけでなくお料理が楽しめるのも魅力の一つだ。
入場した際にウェルカムドリンクが振る舞われ、席に通されるとコース料理がもてなしてくれた。
お魚にお肉にデザートまで…3品のコース料理だったがどれも五臓六腑に染み渡る美味しさで、ライブを堪能する前にすでに満足度は120%まで振り切れていた。


原型留めぬ大胆な楽曲アレンジ
お料理を堪能してまもなく、バンドメンバーの皆さんが奥から現れた。
各々が定位置につき、静寂の中で確かに感じる観客の期待に応えるように最初に流れたのは『Honeycomb Summer』。
ジャズアレンジされていながらも跳ねるようなアップチューンの雰囲気は健在で、演奏に合わせてこちらの身体も自然に揺れていた。
事前にセトリの詳細は一切明かされていなかったため、2日目もハニカムから始まるのかなぁとぼんやり思っていたら、優しいピアノのイントロが。
2日目の幕開けを告げたのは『Little Romance』…!
のちの MCにてヤス兄さんが「3日間全てでセトリを変えている」と仰っていて、彼らのこのライブにかける熱量と気合いをまざまざと見せつけられた。
今回のライブで私が楽しみしていたのは、やはりバンドメンバーによる大胆な楽曲アレンジ。
中には原曲の雰囲気すらもガラッと変えてしまうものもあり、ライブ中はさながらイントロクイズをしている気分だった。
どの楽曲にもピアノ、ギター、ベース、サックス、ドラムそれぞれが主役になるソロパートが散りばめられている印象を受けた。
ベースがメインになる『ネビュラ』、めちゃくちゃおしゃれだったなぁ。
個人的に嬉しかったのは、2日目に『薄紅色の約束』と『Daydream×Reality』が生で聴けたことだ。
ライブで披露してくださった楽曲はあんスタのYoutubeチャンネル『くわPスタジオ』内でも演奏されており、毎回配信を楽しみしていた。
この2曲は元々好きな楽曲でもあるのだが、配信で聴いていて特にアレンジが好みだったのでイントロが流れた瞬間に身体と心臓が飛び跳ねた。
さらに驚いたのはどちらも配信で披露してくださった時とはまた違うアレンジが加わっていたことだ。
イントロを長めにとり、次はなんの曲だろう…もしかして!?と、こちらの高揚感を見事に煽ってきた。ん〜〜Bagus!!!!
楽曲を彩る"魂"の歌声
今回のバンドライブのもう一つの目玉、それは、キャストの方々をゲストに迎えての生歌唱だ。
みなさん総じて緊張している様子だったが、演奏が始まるとその場の空気ごとそれぞれの世界に引き込む姿がとても印象的だった。
Day1:阿座上さん&豊島さん
あえて曲紹介をせずに歌い始める"オシャレスタイル"をとった阿座上さん。
てっきり『Crazy:B』の楽曲を歌ってくださるんだろうなと期待を膨らませていたのだが、どうもイントロの様子がおかしい。
そしてはたと気づいた。
この曲…『翼モラトリアム』だ…!
選曲はキャストの方々に一任されていて、「何を歌ってもOK」とのことだったそう。
普段のライブではなかなか聴けない粋な演出が嬉しかった。
原曲より少しスローBPMとなった分、よりしっとりと、歌詞の意味を噛み締めるように歌い上げてくださった阿座上さん。
阿座上さん含め『Crazy: B』の皆さんにとって、ユニットとして同期である『ALKALOID』は、ライバルとしても仲間としても意識している存在とのこと。
そして、『Crazy: B』にはバラード曲が無い(無いのも阿座上さんの中では解釈一致)ので…好きな曲を歌ったと仰っていた。
一流のバンドマンと最高の音響で好きな歌を歌えるなんて、よほど気持ちよかっただろうなぁ。
ちなみに、23日公演で出されたお料理は天城村で採れた食材を使用していたのだそう。美味しく頂かせていただきましたよ。
続いて豊島さん。
阿座上さんが場を温めた後ということもあり、輪をかけて緊張した様子だったが、歌い始めた後のステージング力に圧倒された。
ご自身が所属するユニットのデビュー曲『しょーがいゼッタイそーあい宣言❤︎』を(MVサイズとはいえ)1人で歌い切るポテンシャルの高さ、観客の視線を一瞬で釘付けにする掌握力…何てステージで化ける人なのだろうとただただ放心していた。
その日、すっかり骨抜きハートちゃんにされてしまった私は『しょーがいゼッタイそーあい宣言❤︎』を鬼リピしながら帰路に着いたのであったーー
そんな豊島さんだったが、MC中にマイクのコードをペットボトルに引っ掛けて盛大に水を溢し、ステージをびちゃびちゃにするというおっちょこちょいな一面も。
再度ステージに上がった阿座上さんに「またやったの!?」とツッこまれていた姿も私の中で強く印象に残っている(1公演目でも溢したそう)。
Day2:大紀さん&草野さん
公演の翌日が光くんの誕生日ということもあり、普段よりエネルギッシュな姿を見せてくれた大紀さん。
そんな彼は、今だから心に響く曲だと『Dream Collection』を披露してくださった。
Day2は1階席で鑑賞することができ、歌っているキャストの皆さんの表情をはっきりと見ることができた。
『Dream Collection』を歌う大紀さんの表情は、時に優しく、時に切なく、この一曲にすべてを込めて歌っていらした。
その”全身”で歌う姿を見て、私の目頭は熱くなり、鼻の奥がつんとした。
歌い終わってのMCにて、4人でいることの意味を強く考えるようになったと仰っていた大紀さん。
変則的な加入となったが、誰よりもキャラクターやユニットに向き合い、光くんを、『Ra*bits』を大切になさっているのだと知れて嬉しかった。
アンコールの際、前日にQ-pot.さんからお借りしてきたというクロワッサンを首から提げて登壇された姿がとてもお茶目だった。
そして草野さん。
登場された時からふわふわとした雰囲気を纏った方だなぁと感じていたのだが、『Be My Princess♡』を歌う草野さんからはその柔らかい雰囲気の中にユメくんの"芯"を感じた。
キャストの皆さんの"役になりきる"瞬間を目の当たりにすると、やはり鳥肌が立つ。
Day1豊島さん同様、4人でのユニット曲をユメくんを宿したまま歌いきった草野さん。暖かい拍手に包まれたのも束の間、MC中に水をこぼす一幕があり、会場が笑いに包まれていた。
"裏方"が"主役"になった日
『あんスタ』というコンテンツにおいて、とりわけライブとなると、ステージの主役はアイドルたち(と彼らを演じてくださるキャストの方々)だと私は感じている。
バンドメンバーは彼らのステージに華を添える、言ってしまえば"脇役"だ。
彼らはスポットライトを浴びることもなければ、MCに混じることもない。ただひたすらに"影"として彼らの仕事を全うする。
しかし、今回のESバンドライブは、そんな裏方に徹する彼らが"主役"となるライブだった。こんなこと中々できることじゃないと思う。
余韻に浸りながら帰路に着く道中、ふと桑原さんのポストが目に留まった。
その内容を読んで私は、改めて貴重な経験をさせていただいたのだと実感した。
ENSEMBLE STARS!! BAND LIVE
at BLUE NOTE PLACE
まさかの実現、ありがとうございました!
普段はアイドルやキャストを支えている
#ESバンド が主役(でいいよね?)の演奏を
このステージで皆さんにお届けできること…
とても光栄に思います🙇
ほんの軽い気持ちで発言したことが
実現してしまうこのコンテンツ怖い。
いえ、ありがたいです本当に。
ここから先は興味のある方だけどうぞ。 BLUE NOTEは音楽家からすると特別な場所でして、ジャンル的には必ずしも通る世界ではないのですが、それでも出演者ですらない僕からしても心より光栄に思っています。
食事付きだからとは言え、決して安い金額ではありません。もちろんキャスト目当てでしたり、コンテンツだから〜と入り口は様々だと思います。 それでもこの機会に、この「音を楽しむ行為に対価を払える空間」で音楽を聴いてもらえたことが本当に嬉しいです。
番組で見て「来てみたかったけどハードル高いな」という方も多くいたかと思います。そんな方たちにとって「音楽っていいな、ライブっていいな」と感じて貰える時間になっていたら幸いです。
「音を楽しむ行為に対価を払える空間」ーー
私が感じた"贅沢"という気持ちは、この、音楽を楽しむという行為に対価を支払ったからなのだとたいへん腑に落ちた。
私にとって非日常の経験をしたからこそ芽生えた感情だった。
公演終了して1ヶ月が経つが、どうにかこのバンドライブが通例化されないだろうかと切に願う私がいる。
その気持ちは未だ萎むことなく、このnoteを書いている今でも膨らみ続けている。
シリーズ化などが確約されていない特別な公演だったからこそ、贅沢な時間を過ごした思えたのに、それが"当たり前"になることを願ってしまうとは。
全く、我ながらつくづく強欲な人間である。
しかし、それだけ"次"を願ってしまうほど得難い体験をさせていただいたのだ。
そんな日が来ることに思いを馳せてーー