
情報は多面的な表情を帯びて。
■偽情報発信者の身元公表・SNS永久凍結。
・最近のニュース、「ベトナムは10月5日に新政令施行、偽情報発信者の身元公表・SNS永久凍結も可能になる」。
・ベトナムで「偽情報・虚偽情報への対策を定めた政令328号が10月5日に施行され、違反者の身元公表やSNSアカウントの永久凍結などが可能となった」。政令では「偽情報や虚偽情報を発言、作成、保存、提供、投稿、拡散、共有、コメントした個人や組織について、当局による検証・確認後に身元を公表できると規定している」。
・公表方法は「違反の性質や程度、実際に生じた被害などを踏まえて決定され、本人の居住地域や勤務先への通知のほか、当局のウェブサイトやアプリ、マスメディアなどを通じた公表も含まれる」。
■国家安全保障を見据えて。
・特に「深刻な影響を及ぼした事案については、国家レベルで正式に公表することも可能である。通信・インターネット・SNSなどのサービス提供事業者には、偽情報と認定・表示されたコンテンツを検知、遮断、削除するための措置を講じ、確認済みの偽情報を投稿・共有できないようにすることが求められる」。
・また「公安省などの関係機関からの要請を24時間体制で受け付ける窓口を設け、当局の要請に応じてSNSアカウントやコミュニティーページ、コンテンツチャンネルを一時的または永久に凍結し、違反アプリを遮断・削除する」。市民や組織が偽情報の疑いがある情報を発見した場合は「直接連絡やホットライン、行政機関の電子情報ポータル、書面のほか、電子身分証明アプリ『VNeID』から通報できる」。
・公安省は「国家安全保障や社会秩序・安全に影響する情報のほか、複数の省庁や地方にまたがる事案について、直接検証や確認、処理を行う」。政令では「偽情報・虚偽情報について、事実ではない情報や一部に事実を含みながら、国家の安全や信用、社会秩序、個人・組織の合法的な権利や利益などを侵害する情報と定義している」。
■物事は多面的な表情を持ち合わせる。
・余談、言葉や情報は非常に興味深い性質を持っている。同じ言葉であっても、発信者の意図や受け手の解釈、置かれた文脈によって、その意味や表情はガラリとその佇まいを変える。例えば、今回の新政令における「SNSの永久凍結や身元公表」という措置についてもう少し考えてみたい。
・ある人はこれを「悪質なデマや詐欺から社会の秩序や経済を守るための、国家による強力な盾」と受け取るだろう。しかし別の角度から見れば、それは「国家の意にそぐわない表現や批判を萎縮させ、監視社会を加速させる引き金」とも受け取られかねない。
・もし私が、提示された言葉の表面的な意味や一つの側面だけをうのみにしてしまったらどうなるだろうか。前後の文脈や、背後にある複雑な利害関係、物事が持つ多面性を前提とした見つめる力がなければ、私は表面的な情報に踊らされ、気づかないうちにコントロールされ、やがて痛みを伴う結果にたどり着いてしまうことだってあるはずだ。
・コインには表と裏がある。しかし、その両面を見ようとするトレーニングだけでなく、もう少し視点を変えてみる。コインには、表と裏の間をつなぐ側面・横面が存在する。その側面は細かなギザギザが縦に刻まれているのだろうか、それとも斜めのギザギザか、また文字が刻印されているのか、あるいは何の模様もないつるりとした面なのだろうかーーーコインと同様、物事を表と裏という二者択一だけではなく、その厚みや側面を含めて「多面的」に捉えることができたとき、初めてコインの全体像を掴み始めるのではないか。表層の言葉の奥にある背景を見極める目を養う、意識すること。情報が氾濫する現代において、私が痛みを伴う未来を回避し、よりよい明日へ向かって前進するための羅針盤となり得るのではないだろうか。