其は なほし ぬばたまの 夜波のカマメの似たり
神色自若 悠長楽寝 光風の閑閑に乗じ
区区なく 思拘いを棄て 飄飄の至ること ただ 朔に留まる影のごとし
ぬつとりの 涸沢の渓声は 晴夜の雨のごとく
つゆじもの 兀山の紅葉は 夕暮の秋のごとく
妥 陶朱猗頓の家を湿らせ 黴菌 白亜を掻付け
月 汐ならぬ湖を明らかして 岩に上がった座州舟がために満ちる
船あまり 帰期 むくさかの山にせまり来も 後髪の幽意 かなわず
会者定離 袖の別れの籠路や ゆふづつみ 白雲のながれぞ われ悠々たり
▲ 雪男の記事一覧