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フィレニー(散歩)

    みふゆつぎ 朧日を間歩す

    柴門 おどもりの不浄を押出せば
     散り紙の春風 我儕が筒袍袖を吹いて
     欠所 匂うことの 多し

    一番狂言が行列の廃道
     慙死凌轢の車轍も瓦全の雑草
     萍水の霊香さえも 微微なる晴嵐に立つかな

    華や盛や 婆娑羅 影戯を追う藜杖の
     懸留め 嘱目すれば
    一法之所印 あり
     両足尊の精耀をおびいる

    まろまろと 臥し転ぶやうな
     月星日の聲を聞良し
    れいれい 瓢零最期の花王
     このはなの 霏霏をうちあふぐ

    そば立てば 蜚語 平無の地平は遠く 
     咬傷掻傷 篤実の尾は往き尽くせず

    投込寺の闥 などと あながち口が巴調を題す
     匹如身の霊体は雲際まで崇く
     下下はぐれし孤雁は 九霄に還る
    などと

    現今の細小蟹 我儕が寸心や
     如何程 神色自若しぬと鞠問さるれど
     虚無縹渺の野にありて その是非を忘るる

    二十九の一つころ と言いなせば
     愚 百貫の翁さぶと翹望すも
     春光の点景 当世だに移ろわず

    物化無常に降って花を逍遥するみぎり
    聞こえる色もまた 吉祥と対峙するものとなり


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    雪男

     
     
    詩やSFをものしてゐます。古典、現文、英仏現代アメリカ問はず。好きな作家は、C.ブコウスキー、幸田文、ル・クレジヲ、紫式部より清少納言派 ― 長いものも、ぼちぼちに

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