
『週刊 ゆきおとこ』 第55号
第 55号 2026/1/19 刊 ▲ 雪男の記事一覧
― ラマルチーヌ 『みずうみ』 より
永遠の
虚無の
過去の 暗い深淵
含み込まれる その日 その日の
語れ!
あの 無上の恍惚感を
ああ!
返してもらえぬのか あの
■ 連続小説 ― アメリゴ・ハウンドドッグ
~ ラスベガス (2)
うっすらとした意識の中で
今わたしは サファリ・ツアーの真っ只中らしい
閉じられたアフリカの 柵の内側の壁を走っていくのは
シマウマのような柄を描いた Jeep
Jeepと私は一体化 気づけば
私の体には シマウマの模様がある
ブラインドにもれる微睡 ― ライオンに喰われている夢を見た
シマウマの夢の中で
なんだか こちらの方が良い命のように思った
目が覚めると
ポケットには銀貨が一枚しかなかった
― それが全財産だった
4カードのスロットに その最後のコインを投入して
何かへの無念をはらすかのように スロットルを引いた
大当たりだった ― でも もう私には必要ない
近くにいたウサギに 当たりを全部くれてやった
ウサギは喜んで
いつまでも いつまでも 跳ねていた