往古上吉より 神人あられる倭の滄溟
沖つ藻の 時津の風靡 艫綱ほごせば
昏蒙鬱悒たる気を袖払い
いづちも いづちも 碧瑠璃の波へと 蹴破り出づるらん
三千汪洋 遥かへなる神性は
風雲の引鶴のごとく 今昔に ふかみ 沈き
めたと 顛沛万斛の溺 この水茎の
浦浦 さわく千鳥に目睹され 爪食す
新た夜ごと 破軍を鷲掴みて
三千杯の此花に酔吟す さり
白虎が天竺や 一葉の甲羅を睫毛越し
塩を舐め 楽爪 盥半を切る
かれし 唐土の浮け木と 牽くう汐の
蒼茫をつくして 四海天津まで はた
曇り霽すべう 秋天のうへは
深海松の甚深まで 靄がかるままなり
▲ 雪男の記事一覧