大和魂
太陽は真っ赤に燃え上がって
今日を意義深く送れ と励ましている
日本は
大きな理想に苦しみ 悶えていた
ゆくからには すべてを
学徒出陣
しかし いささか お祭り騒ぎ
大いなる歴史の最先端
大いなる光栄
心 静か
悲しみや感傷に捉われる事なく
ここ一週間の中に
死ぬ身であるという気は 少しもせぬ
すべては 夢のごときか
案外 易い事のようにも思われた
試験飛行 土浦上空
機上に八重桜
乾杯
エンジンは 青空に轟轟と響いている
血書の鉢巻き
志は 必ず無駄にせぬ
足柄山上空 右手に富士
天上に穴があいた小学校
バラ かたばみ 矢車草
無念の遺骨
あぜ道あたりは
虫すだく声 蛙のなく声
月光に浮いた れんげの花
室にパイ缶の焔
一人一人の影が ユラユラ
誰か故郷を思わざる
酒 それもよし しかし
僕は死するまで 静かな気持ちでいたい
大和魂を 最後まで
美しく生き抜けたのは 美しい愛情のおかげ
今 限りなく美しい祖国に