
作曲初心者は好きな曲の完コピをやってください
作曲をこれから始めようと考えている人はなにからやるべきか悩むことが多いはずですが、私が作曲の初心者の方におすすめしているのは、「好きな曲のコピー」です。
曲を作りたい、という思いを持っている人に既存の曲のコピーをおすすめするのはなんだか変な感じがして、遠回りになってしまうようにも思えますが、本当に知識が無い場合には、むしろこれが近道になります。
目指すは完コピ
ここでいう「コピー」とは、例えば楽器を使って歌を作りたい人なら、ギターやピアノの弾き語りで好きな曲を1曲通して演奏することなどを指します。このとき、メロディの歌いまわしを真似したり、伴奏も原曲に近い雰囲気になるように真似して演奏することを意識してみてください。
また、DTM環境を活用して曲作りをしていきたいなら、好きな曲のメロディラインや使われている音/音の配置/音量バランスなどをそっくりそのままになるように打ち込むこともコピーになり得ます。
他にも、インストを作りたいなら好きな曲を表現も含めてそっくりそのまま演奏できるようにしたり、楽譜系の作曲をやるなら既存の楽譜を手元の楽譜ソフトにそっくりそのまま書き込んでみることなどもそれに含まれます。
上でも書いていますが、コピーをやるうえではなるべく原曲をそっくりそのまま真似することを意識してみてください。いわば「完コピ」です。
というのも、これをやることでよりしっかりと音楽の構造が見えて、曲がどのように成り立っているかを理解できるようになるからです。
作曲の一歩目が踏み出せなかったり、超初期にありがちな「いいアイディアが出ない」という悩みの原因は、作曲者自身の中に良し悪しを判断する尺度を持てていないところにあります。
つまり、曲作りをやろうにも、そもそも曲がどう成り立っているかを知らないため動きようがなく、また生み出したメロディやハーモニーが採用に値するのかの判断(これでいこう、と決めること)も、そのあるべき姿を知らないためやりようがない、ということです。
「完コピ」をすることでそのあたりがクリアになり、そこで得ることができた情報や感覚をもとに、それを道しるべや物差しのようにしながら、曲作りを進めていくことができます。
「コピー」ときくと、「単なる物まねでしょ…」と軽く捉えて、また実際にやってみても「ただコピーしてるだけ」と思えてやりがいを感じられず、それを放棄していきなり曲を作ろうとする人は多いです。コピーに価値があると思えない人は多いはずですが、そんなことは決してないです。
コピーから学べることは本当にたくさんあり、またその効果も大きいです。特に作曲の未経験者や初心者で右も左もわからない人は、騙されたと思って「完コピ」を目指してこれに取り組んでみてほしいです。
コピーの良さ
コピーは、何かをゼロから自分で生み出す必要がないという点に良さがあります。つまり、コピーをする対象の曲は既に目の前に存在しているため、やるべきことはただ単にそれをじっくりと聴いて、そっくりそのままになるよう再現をすることだけです。
なにもないところで頭をひねって何かを考えたり、センスを発揮してクリエイティブに物事を創作しなくていい、という意味で作曲初心者の人にも取り組みやすいです。
また、自分が作りたい雰囲気を持った曲、大好きな曲を対象とするのが望ましく、それをコピーすることがモチベーションにもなります。
好きな曲であるほどにそれを知りたい=紐解きたいと思えて、さらにはコピーをして自分でもそれを再現出来たら純粋に気分がいいため、必然的に熱意を持って取り組むことができます。
ある程度の曲数に取り組めるとよりいい
コピーする曲数は最低ラインとして2~3曲、本気で取り組むなら5曲~10曲ほどやることで、自分の中に音楽の成り立ちに関するサンプルが溜まっていきます。
もちろん、好きな曲以外にも少し気になる曲や、全く馴染みのないジャンルの曲をあえてコピーしてみるのも、作曲の知見を広げる意味で効果があります。
同じような意味から、例えば楽器を使って歌を作りたい人がDTM環境を通してコピーをしたり、DTMで曲作りをしたい人が楽譜でコピーをしたりするのもいいです。
とにかく、コピーを繰り返すことで音楽の実際のところが自分なりに見えてくるはずです。このあたりはやった人にしかわからないものですが、難しい知識や理論ではなく、実例としてのリアルな音楽のありさまが体の中に根付いていく感じです。
そして、実際に曲作りに取り掛かると、
「あの曲のあんな感じでやってみよう」
「ここから先はあの曲っぽい雰囲気でいってみよう」
というような検討が、自然とできるようになっていきます。
現在、何からやればいいか悩んでいる人、またすでに作曲をやっていて少し停滞している人は、ぜひこの「完コピ」に取り組んでみてください。