メインコンテンツへスキップ
見出し画像

「理想」はすでに憲法にある

    日本国憲法公布80周年 11・3憲法集会



    (11月3日、新潟市中央区で開かれた日本国憲法公布80周年憲法集会で、次のようにご挨拶しました。)


    日本国憲法公布80周年11·3憲法集会にてご挨拶の機会をいただき、ありがとうございます。

    高市早苗総理は、今年4月の自民党大会で、「時は来た。改正発議についてめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたい」と述べました。
    憲法改正の発議を、自民党の党大会の日程に合わせて目処をつける。そんな勝手が許されるのでしょうか。  

    高市総理は、「どのような国をつくりあげたいか、理想の姿を物語るのが憲法だ」とも述べました。
    しかし、私たちが目指すべき理想は、すでに憲法に書いてあります。
    平和主義。
    個人の尊重。
    個人の尊厳。
    平等。
    自由。
    適正手続。
    政治が目指すべき方向は明らかです。

    ICCの赤根智子所長は米国による制裁に屈せず、力による支配ではなく法の支配を呼びかけておられます。
    法の支配は、戦争の惨禍を経験した人類が築いた国際秩序の根幹です。

    日本国憲法も、軍事国家ではなく平和国家として歩む決意を掲げました。 
    その歩みが、日本への信頼を取り戻してきたはずです。
    政府も、法の支配の強化を唱え、だからこそ、ICCには赤根所長を、ICJには岩沢所長を送り出しました。

    日本には理想がなかったというのは、歴史修正です。

    15歳で敗戦を迎えた父は、今96歳です。
    20歳になる前にお国のためにいのちを捧げる、それが定めだと思っていたといいます。
    敗戦で大人たちがいうことを一変させたのを見て、権力の言葉を疑ってみるようになったといいます。

    日本国憲法を読んで嬉しかった。
    普遍的なことが書かれてある。
    憲法のもと、真っ当な国になれると思ったと何度も話してくれます。

    企業人だった父は韓国や中国、東南アジアなど出張で訪れるたびに日本が戦争中にしたことを謝罪したと言います。
    「もう過去のことです」と言われても、何度謝罪しても足りないと父は今も言います。
    軍事的な制圧ではなく、信頼関係で平和を築く。その歩みにより、日本は信頼を取り戻してきたのではないでしょうか。

    自民党は憲法改正が党是だと言います。
    しかし、自民党もまがりなりにも平和主義のもと内需拡大で国を豊かにすることに力を注いできたのではないでしょうか。
    1976年「我が国は武器の輸出をして金を稼ぐほど落ちぶれていない」と言ったのは宮沢喜一外務大臣です。

    平和主義は現実を知らない理想論ではありません。
    むしろ、食料自給率がわずか37%の国で国際社会の信頼を得て、平和を維持することは、現実的な安全保障ではないでしょうか。

    SNSと生成AIによる世論誘導は、国民投票法、そして憲法も想定していなかった脅威です。
    表現の自由は民主主義の基盤ですが、SNSにヘイトやフェイクが蔓延し、分断を煽る極端な意見こそバズる。

    そんなか、衆参の憲法審査会が、高市総理にせき立てられ、改憲を急いでいいはずがありません。

    11月4日の参議院憲法審査会で私も発言の機会をいただきます。
    選択的夫婦別姓も同性婚も実現していない。
    外国にルーツのある方々がヘイトスピーチに晒されています。
    多様な個人を尊重する基盤は後回しにしておいて、国旗損壊罪や皇室典範改正など憲法上問題のある法律を数の力で成立させてしまう。
    憲法に背を向ける政治ではなく、
    憲法の要請に応える政治をすべきです。

    臆している余裕はありません。
    諦めたら思う壺です。
    私の口癖は、憲法12条の不断の努力です。
    憲法は拝むばかりのものではありません。
    不断の努力を重ねる手がかりが、憲法です。

    力による支配ではなく、法の支配を。
    軍事国家ではなく平和国家を。
    個人の尊厳が尊重されるように。

    ともに、憲法を手がかりに、闘ってまいりましょう。

    ありがとうございました。

    あなたへのおすすめ