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夏の手前│風まかせ文芸部

    緑の揺れるこの季節は風の通りがいい。

    日差しの強さと、朝夕の冷たい風が交差して春と夏の境を思わせる。

    公園の日陰に座ると、遊具が光を反射して外の世界が輝いて見える。

    日に日に湿度が高まり、空気が肌に纏うように包み込む。

    雨の匂いが近付く季節が好き。

    紫陽花の色が緑から、青や紫へとお色直しを始める。

    初夏の香りが夏の始まりを告げる。

    “今年もきたよ”

    木が、花が、風が、土が、水が、伝えてる。

    ねえ、見てる?

    季節が渡り歩く姿を。

    この土地には四季がある。

    長くても、短くても、彩りが移り変わるの。

    その変化を身体が感じてる。

    私は季節の中にいる。

    今日もこの世界の中で。


    お読みいただいて、ありがとうございました。
    本作は風まかせ文芸部さの企画に参加しております。


     
     

    水玉

     
     
    日々の中にこぼれる思いや、 創作短編・被虐体験を綴っています。 苦みのあるブラックコーヒーのような記憶と、 甘さの残るカフェラテのような物語を、 言葉にして灯しています。 ★シンスケ@筆先案内人さんの「無茶ブリ道場」で銀賞をいただきました。

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