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私がお嬢様?

    風まかせ文芸部の企画作品

    まえがき
    「もしも自分が“お嬢様”だったら」――子どものころ、
    誰もが一度は夢見たことがあるかもしれません。
    でも実際にその世界に入ったら?


    私がお嬢様?
    ふわふわの布団で目覚めた。
    天井は高く、部屋はだだっ広い。ここはどこ?
    自分の部屋と同じくらいの大きなベッドで眠っていた。
    ヨレヨレのTシャツじゃない。
    着ているのは、高級そうなパジャマ。

    キョロキョロ見回していると、ノックの音。
    メイドのような女性が入ってきて、
    「お嬢様、おはようございます」と言った。

    ――え、私がお嬢様?
    「朝食のご用意ができております。おじい様もお待ちでしたが、
    先ほどお出かけになられました」
    ……おじい様? 誰?

    鏡を見て、びっくり。
    そこには髪の長い、上品な顔立ちの“誰か”が映っていた。
    メイドに導かれるまま食事を済ませ、
    運転手つきの車で学校へ向かう。

    途中で、私の家を見つけた。
    あ、そこは私の家……!
    しかも、私が学校へ向かって歩いている。
    これはきっと夢。

    そのうち現実に戻るに違いない。
    けれど辿りついた学校は、知らない校舎、知らない教室。
    「お願い、夢から覚めて」
    心の中で何度もつぶやいた。

    綺麗な服、お嬢様と呼ばれること――
    それは私の夢だったはずなのに、違和感しかなかった。
    「貧乏でもいい。お金なんかなくてもいい。
    みんなと笑いながら生きていたい」

    そう心の底から思った瞬間、目の前の景色がふっと揺れた。
    次に瞬きをしたとき、私はいつもの教室にいて、窓の外を眺めていた。
    友だちと帰り道、大きな屋敷の前を通った。
    そこは、私がいつも「ここの家に生まれたかった」と
    憧れていた家だった。

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    イラスト:ChatGPT

    あとがき
    夢と現実の間にある“違和感”は、自分にとって本当に大切なものを映し出してくれるのかもしれません。
    きらびやかな生活よりも、友だちと笑い合える日常こそが、私の宝物。
    そんな気づきをくれた「お嬢様の夢」でした。

    ※この物語はフィクションです。
    実在の人物・団体・出来事とは関係ありません。


    iさんの風まかせ文芸部のお題、「違和感」に書かせて頂きました。
    お題をありがとうございます。


     
     
    ✨ごあいさつ ようこそ、片桐みかんの世界へ。 日々のひらめきを即興で物語や詩にしています。 ここで出会った言葉が、あなたの心に小さな灯りをともせますように。

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