
3Dプリント後の跡を極限まで目立たなくする処理術
3Dプリンターで造形していると、どうしても最後に直面するのがサポート材の跡や積層面の凸凹です。ノズル詰まりや積層ズレといったトラブルを乗り越え、やっとの思いで出力したパーツ。しかし、いざ手に取ってみるとサポートが当たっていた箇所がガサガサで、全体の仕上がりが一気に野暮ったく感じることがあります。
以前は「このくらい許容範囲だろう」と自分に言い聞かせて妥協していましたが、最近は少しだけこだわりを持って手を加えるようになりました。読者の方からも「どうすればもっと綺麗に表面を整えられるのか」という質問をいただくことが増えたので、今回は僕が普段行っている、塗装前までの地味ですが重要な後処理の手順について詳しくお伝えします。
サポート跡を削る際に見極めるべきポイントとは
よく受ける質問に、「サポート材をどこまで削ればいいのか」というものがあります。僕の答えは「まずは400番の紙やすりで、残っている突起をなだらかにするまで」です。

いきなり粗い番手で削ると、プラスチックの表面が必要以上にえぐれてしまい、修復に時間がかかります。まずは400番で軽く撫でるようにして、層の段差やサポートの食い込みを「周囲の壁と一体化させる」イメージで削り進めるのがコツです。
この作業を始めてから3年ほど経ちますが、失敗した経験ももちろんあります。初心者の頃、力を入れすぎてパーツの角を丸くしてしまい、エッジの効いた造形を台無しにしたことがありました。それ以来、やすりがけは必ず「当て木」を使うようにしています。硬いスポンジや木片に紙やすりを巻き付けるだけで、指の圧力による「削りすぎ」を物理的に防ぐことが可能です。
塗装下準備の具体的な数値目安
やすりがけが終わったら、次に確認するのは「傷の深さ」です。塗装前にやっておくべき表面処理の目安として、以下のステップを参考にしてみてください。
400番で大まかな積層段差を平滑にする(この時点で指で触ってザラつきを感じない程度まで)
2. 800番でさらに細かく整える(ここでようやく光に透かして傷の残りを確認する)
3. サーフェイサー(下地塗料)を吹き付け、隠しきれなかった微細な穴をチェックする
サーフェイサーは、3Dプリント品において「正解」を見せてくれる便利なツールです。グレー一色に塗りつぶすことで、肉眼では見えていなかった積層の凹凸や、サポートの痕跡がはっきりと浮き上がります。ここで発見した傷は、迷わずパテで埋めるか、もう一度800番で磨き直すのが確実です。
気をつけているのは、やすりがけの際に生じるプラスチック粉の処理です。これは肺への負担も考慮すべきですし、単純に塗装の定着を悪くします。僕は必ず中性洗剤を溶かしたぬるま湯でパーツを洗い、完全に乾燥させてから次の工程へ移るようにしています。このひと手間を惜しむと、塗装後に塗膜が浮いてくる原因になるので、面倒でも省いてはいけないポイントです。
もちろん、全てのパーツをここまで完璧に仕上げる必要はありません。目立つ場所だけ丁寧に、裏側は最低限の処理で済ませるという「力の入れ具合のメリハリ」も、長く続けるためのコツです。自分の納得できるラインを、まずは一つの小物から試してみてください。