
『スラムダンク』を履修したらゴリに惚れた
私はどうやら、アニメや漫画を最初から順を追って通らず、いきなり映画から入ってしまうサガらしい。
そんな私が、数年前、なぜか『THE FIRST SLAM DUNK』を観た。
周りから「アニメを見たことない人でも絶対に面白いから!」と激推しされ、「そこまで言うなら……」と劇場まで足を運んだ。
ふむ。
とてもおもしろい。
まるで体育館の中にいるような臨場感。
選手が走り、ボールが跳ねる。
シューズの音が、
キュッ、キュッ、キュッ。
……そこ?
私が一番感動したの、そこだったかもしれない。
しかし私はその後も、スラムダンクのことをよく知らないまま生きてきた。
なんなら姉妹の家で育ったせいなのか、少年漫画の類を一切履修しないまま38才になっていた。
そんな私が先日、とある懇親会という名の「接待」に参加した時のこと。(※港区女子じゃないですからね)
ある紳士から、非常に興味深い話を聞いた。
「少年漫画は、まず読んでおいて損はないです。どれかひとつくらいは絶対誰かに刺さるから」
その方が挙げていたのが、ドラゴンボール、スラムダンク、ワンピース……(あとは忘れた)。
実に、面白い。
漫画って、知らない相手と当たり障りなく、それでいて盛り上がれる会話において、「最強のカード」になるのかもしれん!
たしかに、漫画の話なら、いきなり仕事や年収(一番聞かないだろ)や家族構成を聞かなくても、そこそこ会話が続きそうだ。
よし、決めた。
スラムダンクを読もう!
……しかし、漫画は全何十巻と続く大作だ。
いきなりその大海原へ飛び込む前に、まずは一度観た『THE FIRST SLAM DUNK』を配信でもう一回観てテンションをブチ上げ、気持ちを「スラダンモード」に上げてから挑みたい。
(ただ単に、金銭的負担がデカすぎる)
よし、ちょっとはしゃごう!
そう思い立ち、いそいそと動画配信サービスを開いた。
ところが。
アマプラ、ディズニープラス、ネトフリ、Hulu……加入しているサブスクを全捜索したのに、ない。(9月中旬の話)
え? なんで?
『THE FIRST SLAM DUNK』って、青空文庫みたいに「国民全員がいつでも自由にアクセスできる棚」に置いてある作品じゃないの?
「スラダンの映画?ああ、あれね。いつでも見られますよ」みたいな。
前にネトフリで見かけた気もするけれど、あれは幻覚だったのだろうか。
仕方がない。
ないものはない!!
懇親会の紳士も「まず漫画」と言っていたのだ。
ここは横着せずに現物を買うしかない。
しかし、少年漫画をほとんど買ったことがない私。
エロ本を買う少年のように、周囲に「いい大人の女が今さらスラダン買いに来た」と悟られないよう、こそこそとレジへ持ち込む。
無事に持ち帰り、表紙の帯を見る。
そこには「新装再編版」の文字。
……これ、スラムダンク「2(ツー)」???
こんなの聞いてないぞ!?
パニックになり、ChatGPTで確認したところ「これは2(ツー)ではなく、ちゃんと1巻です」と優しく教えてもらった。よかった。
こうして私は、ようやくスラムダンクを読み始めた!
これで飲み会でも「スラムダンク読んだんですよ」という会話の切り口ができたわけだ。
──そういえば以前、
女性同士でも「スラダン誰推し?」という話になったことがあった。
私調べでは、女性人気といえば圧倒的に流川。
男性には三井あたりが人気らしい。
正直言うと、映画の『THE FIRST SLAM DUNK』だけ見たときの三井の印象は、試合中に「俺の名前を言ってみろ」とか言い出す、ワケのわからない男だった。
みなさん、怒らないで。
歴史を知らないから、どんなセリフも私には唐突すぎるんだよおおお!
(※10/6現在5巻を読んでます。三井、まだ喧嘩しかしてません)
しかし。
そんな数ある魅力的なキャラクターの中で、私が一番惹かれているのは…
──ゴリ(赤木)だ。
背が高い。
バスケ部主将。
3年生。(私、自分を何年生設定にしてる?)
勉強もできる。
え、めちゃくちゃいい男じゃない??
なのに、なぜか女性人気が非常に低い。
なぜだ…!
なぜなんだ!
みんなが群がる流川なんて、何を考えているかさっぱり分からないじゃないか。
付き合ったら絶対泣きを見るぞ。
デートより部活を優先するに決まっている!
(それは全員そうかもしれないけれど)
でも、ゴリなら絶対に約束を守る。
ゴリなら絶対、時間通りに来る。
ゴリなら待ち合わせ場所で腕組みしながら待っていて、「遅いぞ!」とか言いながらも絶対見捨てずに待っていてくれる。
君が好きだと叫びたいーーー!
もうさ!!
結婚するなら、どう考えてもゴリ一択だろう!
ただし。
次の懇親会でこのカードを切り、相手から「あ、私もゴリ好きですよ」と返された場合、そこからどう会話を展開すればいいのかは、まだ何も決まっていない。
ただ、高鳴る鼓動にもう嘘はつけないことだけはわかっている。
🎵BAAD『君が好きだと叫びたい』