
ファミチキ20周年。誰か冷凍してない?
気づいたら、あの子がもう何歳?
友達の子どもに会うと、いつも思う。
あのとき、あんなにちっちゃかったのに。
なんて思っていたら、もう小学生。
驚いちゃうな。
そうそう。
「ファミチキ20周年」やってるよね。
ってことは、20歳ってこと?
すごいな。
ファミチキ20歳なんだ。
完全に出遅れた…。
そう思ったら、急にファミチキが食べたくなってきた!
今すぐ食べたい!!
そう思って、一番近いファミリーマートへ向かう。
……あった!
ごま山椒味のファミチキ、税込258円。
美味しそうだ。
すごくジャンキーなのに、
「消費カロリーとしては、いつものよりちょっとマシな気がする」
と思わせてくる、「ごま山椒味」マジック。
絶対そんなことないのに!
そして私は、あることに気づいてしまった。
これ、第二弾なの??

私、誰よりも早くファミリーマートにたどり着いたと思ったのに。
何?
第三弾はピッツァ味。
これも美味しそう。
けれども。
第一弾はどこに行った?
んんん?
「ご好評につき、販売予定数が終了しました。」
あれ?
「祝!ファミチキ20周年キャンペーン」て、
10月1日からやってたの?
知らなかった。
知らなかった。
……。
しかも第一弾、スモーキーペッパー味じゃないか。
「ちょっとオトナなピリッと辛いブラックペッパーとスモークの風味」
って、HPに書いてある。
…食べたい!!
こうなったら第一弾が食べたくて仕方がない。
どうやったら第一弾が食べられるんだ!
メルカリには、もちろん置いてない。
だってこれは生ものだから。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
食べられないとわかると、余計に欲しくなる。
この不思議。
もしかしてファミチキって、こういうところまで考えて期間限定にしてる?
「今のうちに第二弾を食べないと!」
って思うようにしてる。
それはいいよ。
未来のことは、自分の行動でどうにか変えられるから。
第三弾は今からでも食べられる。
けども。
私はどうしても第一弾が食べたい。
……!
そうだ。
うちの妹は、数あるコンビニの中でもファミマが一番好き。
あと、何でも冷凍する。
とにかく冷凍庫を信用している女。
そして私と同じ味覚を持つ。
何より、彼女はとてもミーハーなんだ!
絶対に限定ファミチキを食べているはず。
光の速さで帰宅!
ダメ元で連絡してみる。
「ねぇねぇ、ファミチキ食べた? 第一弾、冷凍とかしてないよね?」
すぐに既読がついた。
「ファミチキ冷凍する奴おると思うか」
私は膝から崩れ落ちた。
やっぱりそうだよな。
さすがの妹も、ファミチキは冷凍しないよな。
そうだ。
うちの両親、週末田舎に帰るとき、淡路のサービスエリアに行くと、ファミマに寄るんだった!
父は、いつもそこでファミチキを食べる。
しかも母はよく、
「ちょっと、こんな多いん食べられへんて」
とか言ってたりする。
……待てよ。
残ったファミチキ、冷凍してない?
これはかなり有力だ。
聞くしかない!
早速電話!
……プルルルルルル。
ファミチキは食べた。
しかし。
いつものを食べたらしい。
なんでなんだよ!!!
確かに、うちの父は古き伝統を愛する英国紳士的価値観を持つ男。
しかし!
いまは、ちがうだろ!
ファミチキ20周年>>>クラシックファミチキ
だろ!
なんで今、いつものを選ぶんだ。
20周年だぞ!
今しか食べられないんだぞ!?
……そうだ。
おばあちゃんに聞いてみよう。
おばあちゃんの家に、孫が来る。
ここで気づいたことがある。
孫イコールうちのいとこじゃないか!
タアくん。
あの頃、まだ小学生だったけどさ……。
もう32か。
えっ。
32?
時間、早すぎない?
あの小学生だったタアくんも、今ならファミチキ一個じゃ足りないだろ。
ファミチキ、全部一人で食べるね。
なんなら一個じゃ足りないくらいデカくなってるわ。
……時間って、すごいな。
友達の子どもも。
タアくんも。
ファミチキも。
みんな、気づいたら歳を取っている。
そして私は、第一弾のファミチキを食べ損ねている。
時間って、買えない。
だから余計に、食べたくなる。
第一弾。
誰か冷凍してないかな。
ファミマ20周年おめでと。
これからも、みんなで一緒に歳を取ろうね。