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Photo bynanadays

のろける女たち

    お姉様がたのnoteを拝読していると、熟年夫婦の相思相愛を描写する記事に驚愕することがしばしばあります。読んでいる僕のほうが恥ずかしくなるくらいです。

    理論的に考察すると、不可思議な現象です。
    そもそも恋愛が革命であるのに比し、結婚は保守です。
    ところで書くという行為は革命です。自分のことをわかってほしいから、ひとは書くのです。わかってもらえていないのではという不安が、ひとにペンを取らせるのです。
    もしも自分のことをよくわかってくれている「良き夫」が存在するならば、もはや書く必要はないはず。
    不安を内に秘めた「恋愛小説」は存在しますが、安定を土台とした「結婚小説」は存在しません。
    にもかかわらずnoteでは、非常にしばしば旦那様との甘い生活に言及する記事を目にします。
    なぜかしらん。

    もうひとつ、不思議発見。
    なぜかnoteでは、奥様を自慢する旦那様をお見かけすることは滅多にありません。
    僕の場合ですか。
    僕の場合はこんな感じ。
    女子学生「先生の奥様、どんなひと?」
    西願「世界で最も美しい女性だよ。」
    女子学生「ひゅー、ひゅー」
    西願「例えばゴミを捨てにいけと言われる。そんなとき自分で自分に言い聞かせるんだ。僕は世界で最も美しい女性に頼まれているんだ、信頼されているんだ、てね。」

    その世界で最も美しい女性と別れた後は、こんな感じ。
    女子学生「先生の元の奥様、どんなひとだったの?」
    西願「大きな夢の持ち主だったよ。」
    女子学生「すご~い。離婚しても、元の奥さんを褒めるなんて。」
    西願「彼女が『別れましょう』と言うから、僕は彼女に訊いたんだ。『僕の何が悪かったの?教えておくれよ。なおすから』て。そうしたら彼女曰く『ぜ・ん・ぶ!』だってさ。」

    さらに不思議なことに、女子学生諸君は僕の結婚生活には興味津々なのですが、僕の恋愛事情に関してはまったく興味をお示しにならない。なぜかしらん。アナシテ世代だからなのかな。


    話をnoteのお姉様がたに戻しましょう。
    なぜ彼女たちはかくものろけるのか。
    旦那様以外に自信をもって書ける主題がないのか。
    否。
    たしかにごく普通のふたりは、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。
    でも奥様は魔女。
    実になんでもおできになられる。
    ヴァイオリンも、バレエも。
    詩も、歌唱も。
    登山も、旅行も。
    お人形も作れるし、犬猫畜生にも愛情を注ぐことだってできる。
    イラストもうまいし、手料理も美味しそう。
    加えて圧倒的な知識の量。
    noteのスキの数だって僕に比べて桁違いだ。もうほとんどアイドルと言うか、まさに東洋の魔女。

    もしかしたら。
    殿方がしばしば稼ぎの数字を競って楽しむのと似て、御婦人は手に入れたモノの性能を語るのが楽しいのかも。「量より質」が女性なのかも。
    クリームパスタ作ってくれる。
    犬の散歩してくれる。
    紅茶を入れてもくれる。
    タマネギむいてもくれる…。

    結局、よくわかりません。
    女は謎。
    だからこそ僕の研究者人生最後のテーマは「女性と戦争」にしようかなあと。
    昨日はチェコの建国伝説「乙女戦争」を学びました(ももいろクローゼットじゃあないよ)。


     
     
    パリ第1大学歴史学博士。 若い方々、また一般の方々との関係を大事にしたくて、パブリック・ヒストリーを実践しようと、noteを始めました。どうぞよろしく。

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