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Photo byshikibufree17

《短歌》  5月前半





    風鈴の音のうちがわ影ゆれて月もゆれるのだれかしってる



    擦り切れた小道の奥の貯水池にひねもす響く僕の泣きまね



    梅雨明けとニュースが告げた朝 なにもはじまらない皮膚呼吸しおり



    磨りガラスぐらいがちょうどいいんだよ きみの温度もぼかしてくれる



    始発まで待ってたはずのぼくたちが気づかなかった廃線通知



    立ちこめる靄 縁側に並べたら話をきくよ朝の亡霊



    曲がり角照らす街灯 散開してく光子 羊水のおもかげ



    この世に存在しない透明な水が 私の頭蓋通るおと



    陽炎に拐かされて俺ひとり
    八月三十二日の朝



    梅雨明けと天気予報が告げた朝 初潮がきてもみぬふりしたね



    漆黒のきみの殺意はうつくしい まざりあえない純水のごと



    僕を呼ぶ声が聞こえた庭先の垣根があおい死ぬほどあおい



    風のない星へ行ったらわたしたち皮膚がないままとけあっている



    月の裏まで逃げたワケは巧妙にきみを模した海が深くて



    風が止みきみがいまだと触れてくる ああそうだもう風しかないの



    つかまえて。朝陽を浴びて芝生がはたと気づくまえの寝息 ひかり、







     
     

    e.

     
     
    詩、短歌など。スローペース更新です。 Fragments of Ephemeral Days. The Trace of a Life.

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