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【ラフ×ラフ】「消えたくなるほど君が好きだ」は、なぜライブで完成したのか

    ラフ×ラフ(以下、ラフラフ)の3rd Anniversary LIVEを振り返ったとき、どうしても強く印象に残っていた曲がある。

    「消えたくなるほど君が好きだ」だ。
    「この曲だけは、特別に見せられている」という印象が残った。

    この曲は、ライブの中で

    • サックスを含むユニット編成

    • メンバー全員での歌唱

    という、異なる形で二度披露されていた。
    単なる演出の変化だったのか。それとも、この曲には“特別な意味”が与えられていたのか。

    YouTubeで原曲を聴いたとき、完成音源を聴いたとき、そしてライブで聴いたとき──そのたびに印象が変わっていった理由を、自分なりに整理してみたい。


    ■YouTubeで聴いたときの印象

    最初にこの曲に触れたのは、YouTubeで公開されていた、ワンコーラスのみの原曲だった。

    ※編曲VTRでは「一期八会」がメインで、「消え好き」はワンコーラスのみの紹介だった。

    そのときの印象は、とてもシンプルだった。
    素直で、少し内向的で、まっすぐな失恋ソング。
    どちらかといえば、飾り気のない、等身大の感情をそのまま差し出した曲という受け取り方をしていた。

    正直に言うと、この時点では「良い曲だな」とは思いつつも、ライブでここまで印象に残る曲になるとは想像していなかった。


    ■編曲によって変わった“重心”

    そこから、編曲を経て完成した音源を聴いたとき、少し印象が変わった。同じ曲のはずなのに、どこかやわらかくて、甘くて、余韻が残る。

    言葉にするのが難しいが、前奏が流れてきた瞬間から、最初に感じていた「等身大の素直さ」に加え、「心を鷲掴みにするエモさ」がより一層強くなっていた。編曲によって「楽曲の本質的な重心が移動した」ように感じた。

    この段階で、ようやくこの曲の輪郭が見えてきた気がした。


    ■ライブで見えた“本来の姿”

    そして、ライブで聴いたとき。印象は、もう一段変わった。サックスが入った瞬間、この曲がまとっている空気が変わった。

    ああ、この曲はこういう響き方をするんだ、と思った。むしろ「この音色を前提にしていたのではないか」とすら感じた。

    前奏をサックスで吹いてほしいという斎藤有紗さんへのリクエストは、佐々木楓菜さん自身が提案したものだという。

    デュエットでは、高梨結さんの透き通るソプラノを活かすよう、佐々木さん自身は、ハーモニーを支えることに徹していた。

    この時点で、この曲に対する見え方が大きく変わった。サックスの持つメロウな音色と呼応するこの楽曲の色彩があるのだと。その空気感を際立たせるため「3人でのパフォーマンス」を選択したのだと。


    ■なぜ“全員版”が必要だったのか

    そしてもう一つ。
    この曲は、サックスとデュエットのユニットだけで終わらなかった。ステージ上に全員が戻って、改めて、会場全体に捧げられるように曲が披露された。

    ここでようやく気づいた。
    単に再演して盛り上げるためではなく、意図的に「見せ直している」のではないか、と。


    ■「内側の曲」から「外へ開かれた曲」へ

    佐々木楓菜さんの作詞作曲は、この曲で4曲目になる。
    これまでの楽曲を振り返ると

    • 「君ときゅんと♡」
      バズを意識した「きゅん」の語感とファンとの相互補完的なメッセージ

    • 「カラフルタイム」
      ラフラフというグループ名を軸にして認知を底上げするイメージソング

    • 「一期八会」
      9人から8人、そして7人から8人の思いを凝縮したグループへの想い

    と、それぞれに明確なテーマがあった。

    それに対してこの曲は、
    「女子が思わずカラオケで歌いたくなるような曲」
    という、これまでとは少し違う方向から作られている。

    ファンを含めたグループの内側に向けた曲から、外に開かれた曲へ。その変化は、楽曲が持つ音そのものの印象にも表れていたし、ライブでの見せ方にもはっきりと表れていた。


    ■「推したい理由」になった曲

    サックス入りのユニットは、この曲の「本質的な構造」を見せるものだったのだと思う。一方で、全員でのパフォーマンスは「これからのラフラフ」としての位置づけを示していた。

    この「コントラスト」を観客に見せることで、曲の持つ魅力を存分に印象づけることが可能となる。

    「消えたくなるほど君が好きだ」という楽曲が、この曲の本質と、グループにおける意味。その両方を伝えるために、あえて複数の形で披露されたのではないか。

    セットリスト全体を見ても、そこにはメンバーの強い意志のようなものを感じた。特にこの曲に関しては「こう届けたい」という明確な志向があったように思う。

    だからこそ、この楽曲を作りだし、サックスやデュエットの演出をした佐々木楓菜さんの想いにも自然と目が向く。

    そして気づくと「この人をもっと応援したい」という気持ちが強くなっていた。


    うまく言語化できている自信はあまりない。
    ただ、YouTubeで聴いたとき、音源で聴いたとき、ライブで聴いたとき。

    そのたびに印象が変わっていったこの曲が、最終的に「推したい理由」につながっていったことだけは確かだ。

    結局のところ、この曲が特別に感じられた理由は、「楽曲」と「グループ」の両方を同時に背負っていたからなのだと思う。

    サックスを含むユニット版では、「消えたくなるほど君が好きだ」という楽曲そのものの魅力が丁寧に掘り下げられていた。一方で、全員版では、その楽曲を“これからのラフラフ”として客席へ届けようとする意志が感じられた。

    だからこそ、この曲は純粋な失恋ソングとしてだけでなく、ライブでの届け方も含めて、はじめて完成された楽曲だったのかもしれない。

    そして自分自身も、その過程を通して、楽曲だけでなく「このグループをもっと見届けたい」「この曲を作った佐々木楓菜さんを推したい」という感覚へ自然と引き込まれていった。

    ラフ×ラフ 3rd Anniversary Live ニコ生独占生中継
    2026/4/8(水) 23:59 まで公開中!

    間に合うようであれば、ぜひ、2つのバージョンを聴き比べてください。

    (補足)なぜこの曲は“メロウ”に響いたのか
    ――調性とサックスから考える

    少しだけ、音楽的な解釈を付け加えたい。専門用語を使うことになるため興味のある方のみお読みいただければ、と思います。特段の音楽教育を受けているわけではなく、絶対音感などはまったくないので、記載内容は多分に感覚的なものであることをご理解いただけますと幸いです。

    原曲を聴いたときに感じた「素直さ」は、アカペラの歌いだしからサビ前まで「イ長調(Aメジャー)」スケールに基づくメロディで録音されているように聞こえたからだった。

    イ長調(Aメジャー)をベースとしたアイドルソングには、恋愛感情をストレートに伝える素直さがある。王道や青春のイメージだ。その手触りで、内向的な失恋ソングを聴いたとき、わずかな違和感を受け取ってしまったのだと思う。

    歌詞を含め、曲のテーマはいったんおくが、「女子が思わずカラオケで歌いたくなるような曲」にはぴったりの調性である。

    改めて、原曲を聴き直すと、サビのメロディは「変イ長調(Abメジャー)」的な響きに変わっているように聞こえる。初めて聴いたときは調性の重心が移っていることに気がつかず、原曲デモ段階では「イ長調(Aメジャー)」の曲と受け取っていた。

    遠藤さんの編曲を経て、リリースされた楽曲は「変イ長調(Abメジャー)」を主軸に、平行調である「ヘ短調(Fマイナー)」の響きを含んだ設計に聴こえ、圧倒的にメロウでエモいサウンドになっている。遠藤さんは、この曲のテーマに合った調性を選び取り、曲を引き立てるサウンドを組み立ててくれた。

    変イ長調(Abメジャー)をベースとしたアイドルソングをあげる。

    圧倒的に、エモーショナルで艶がある。この調性を意識して失恋ソングを作れるのは、天賦の才を感じる。

    細かくなるが、変イ長調(Abメジャー)をベースとしつつ、Aメロ冒頭からFmコードが鳴り、平行調のヘ短調(Fマイナー)的な響きを感じる。Cメロには和声的短音階由来の導音Eナチュラルが含まれ、へ短調(Fマイナー)要素がより強く聞こえる。サビは変イ長調(Abメジャー)に解決しているので、切なく揺れ動く内面を描き分けているかのようだ。

    一般的に、アイドル曲に「シャープ系」の調性が多いのは、ギターと相性がいいからだ。ギターの開放弦はE-A-D-G-B-Eとなっており、シャープ系の調性と親和性が高い。

    それに対して、アルトサックスは変ホ長調(Ebメジャー)の調性で作られている。変イ長調(Abメジャー)は、ピアニストにはフラットが4個の調性だが、アルトサックス奏者にとってはフラットがひとつだけの魅力的な調性になるのだ。

    サビまで聴いた遠藤さんが、サックスに合うキーと言っていたのは、まさにこのことであり、全体の調性を変イ長調(Abメジャー)ベースで統一した曲を、サックスなしでリリースしたことも大きな伏線となっている。

    斎藤さんは、サックス演奏で伏線を回収しただけでなく「消えたくなるほど君が好きだ」の歌割りにおいても、主要なパートを受け持っており、あらためて、ラフラフの音楽面での拡がりを感じさせてくれた。

    吹奏楽部でバスクラリネットを担当していた藤崎未来さんも、この曲で歌唱面での艶めきを出してくれた。

    トランペットやテナーサックス、クラリネットは変ロ長調(Bbメジャー)の楽器だ。吹奏楽部経験者にとって、比較的フラット系の曲に馴染みがあることは、自分自身の経験からもよくわかる。

    さらに言えば、ここ最近のラフラフの楽曲に「フラット系」の調性を主体とした曲が続いているのは見逃せない。

    • 消えたくなるほど君が好きだ(佐々木楓菜作曲):変イ長調(Abメジャー)

    • On Your Mark(中西圭三氏提供):ヘ短調(Fマイナー)色の強い変イ長調(Abメジャー)

    • Yondanda(たむらぱん氏提供):おそらく変ホ長調(Ebメジャー)

    「大人のパフォーマンス志向」へのグループの変化。その一端をフラット系の楽曲が担っている可能性を踏まえてセットリストを見直すと、今後の展開にますます注目したくなってきた。

    「消えたくなるほど君が好きだ」の完成形として「サックスありバージョン」と「Instrumentalバージョン」は、ぜひともリリースされることを願っている。

    ※補足部分は、検証が不十分な点があると思います。内容に間違いや不明確な点があれば、ご指摘いただければ幸いです。

    【編集ノート】

    • 「何満開」は変イ長調(Abメジャー)ではなく、イ長調(Aメジャー)です。お詫びして訂正いたします。

    • 「Yondanda」はリリース前に提供された版を基に推測しました。

    • 例に挙げた曲は、アイドル曲に絞って再度リストアップしました。

    • タイトルを端的に見直し、見出しとまとめを整理しました。

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    ラフ×ラフ 佐々木楓菜さんを推しています。 東京生まれ、横浜育ち、東京在住。INFP 左利き 好きな言葉は「明日のことは、今日やるな」「There's no 'if' in life」 https://note.com/qa/ (質問箱) どうぞよろしくお願いいたします。

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