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Photo byblue1984

おじさん箪笥 ①

    「幽霊が現れると噂の廃墟はここか」
    ビビりつつ虚勢を張ると友人はふうむとステッキで絡まった蔦をつついた。
    「EDO時代の建物だ」
    そんなに古いのか?
    「この頃は畳に布団を敷いていた。現代では簡易ベッドだが」
    時代感覚が揺らぎ眩暈におそわれた。
    「ねえキミこれは何だろう。階段だろうか」
    すると
    「それに触ってはいけない!」
    押しとどめられた。真横から見るとピラミッドを縦に切った形だ。奥行きが同じで正方形に引き手が施してある。
    「出没が夜な夜な目撃されているのはここだ。階段下の隙間を利用した箪笥さ」
    箪笥って何?
    「箪笥とはクロゼットがなかった時代に家具として使われていたものだよ」
    引き手に手をかけると箱が出てきた。
    「やっぱりそうか」
    通信機器があった。
    「履歴に残ったおじさん構文が心残りで成仏できなかったとみえる」
    おじさんて何だ? わからないことが多すぎて質問する気も失せた。お兄さんを謳歌し終えるとお爺さんに進化するのが世の常のはずだよね?

    410字


     現場は江戸時代を再現した舞台セットであったと後に判明しました。階段落ちシーンが何度も撮影されたという。このエピソードは怪談オチですが。


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