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Photo bymasyumaro8677

いとお菓子作家

     小綺麗なプチトリアノンで小洒落たロココ風衣装に身を包み王妃さまのパティシェールたちはお喋りに花を咲かせる。

    「この御本をご存知?」
    遠い国の昔の随筆のようだ。
    「いいえ」
    「この人のことを批判的な目で見ていた女流作家がいるんですって。例えばこんなところはどうかしら。『落花した枝』というお題に対して有名な歌人の歌を引用したら「お菓子」つまりスキを沢山いただけたとはしゃいでいるの」「知識を見せびらかして、その上ほめられた自慢?」
    「さらにさりげなく別のポストを下げたの。そのせいか、したり顔にいみじうはべりける人とか女流作家の日記でクサされるのよ」
    外国語なので意味がよくわからない。そのときふと心に浮かんだフレーズがあった。過去なのか未来なのか。

     朝の十時のお茶うけにお煎餅をいただく。開けたらボノー(美味しい)なパリパリ感。オヤツといっても八時じゃなくてはあんドーナツの甘い小豆は夜の梅の花びら。夕暮れ時は小腹がすくとき、ご飯ができるまで待てないのと叱られながら一つまた一つと飽きずにつまんでしまう甘栗。お夜食のそのまたデザートに富有柿をむきながらダイエットに努めていたことを思いだす嗚呼お菓子!

    「彼女晩年は零落したらしいわ」
    「お気の毒ね。私たちは大丈夫よ。王妃様がついているもの」


    538字


    こちらのお題・裏お題に参加しています。

    枕草子105段を参考にしました。

     
     
    短編小説、エッセイなど。一日一更新を目標にショートショート、54字、などを書きます。 #毎週ショートショートnote #シロクマ文芸部 #54字の物語に参加中です。

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