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Photo bydongmu

告りびと ③

     あの日初めて二人きりで映画館に行きました。告るチャンスです。何を見たのかも覚えていません。コクリコ坂だったかも。とにかく暗くなってからも広告ばかり。あの有名なビトー・コクリオーネを演じた人が主役でした。相手役はコビー・トン・クリービで吹替えの声優さんは栗戸B子とビクトリ子だったかしら。緊張していたはずなのに、だんだんと眠たくなってしまいコクリコクリ。
    「きれいに盛りつけても胃に入れば同じさ。どんなに死化粧しても棺桶にフタをすれば同じだしね」周りの観客のおしゃべりが聞こえました。そうそう「送り火と」だったかしら。どんなに舞台を整えてドラマチックにプロポーズしたって気心が知れてしまえば同じことです。告りかたなんかどうだっていいのかも。あの人さえそばにいるのなら。うたた寝しながらいつのまにか何十年も過ぎた気がしました。目を開くと大好きな小栗旬さんの予告にハッ!となって告りを思いとどまったまんまで今に至るのですけど。


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