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✨【新連載】自称アイドル、はじめました

    今日も逃げるようにして職場を後にした(別に悪いことはしていない。ただ、あの蛍光灯の下にいると寿命が削られる音が聞こえる気がするだけだ)。この歳になると、役職やら仕事の密度やらが心身に重くのしかかる。今の仕事は、いつ辞めてもいいと思っている。妻と娘にそう漏らすたび、二人は「また始まった、そうやって、ただかまって欲しいんでしょ」とあきれ顔になる(違う。私はかまって欲しいのではない。ただ世界に対してうっすら不満があるだけだ)。

    このまま定年を迎えて、私の一度きりの人生が静かに終わってしまう。そう考えると、胸の奥が妙にざわめく。やり残したこと。そう、アイドルになる夢である(口に出すと、たいていの人が一歩下がるので、ここでしか言えない)。幼い頃からの夢ならまだ風情もあろうが、これはつい数年前に、ふと湧いてきた夢だから始末が悪い。最近は推し活なるものも始めた。あれはおそらく、自分がアイドルになれないことへの反動なのだろう(と、もっともらしく分析してみたが、たぶん単に推しがかわいいだけである)。

    そんな折、いつものようにnoteを巡回していると、一本の記事が目に飛び込んできた。山本蛇内さんが、シニアアイドルを募集しているというのだ。

    応募条件にはこうあった。

    人数:若干名
    年齢:R-山本蛇内(代打俺ならぬ、だいたい俺と同世代)
    内容:メインは「たまにno+e記事上でシニアアイドルを自称する」かな😂
    条件:歯笛以外の何かで!
    備考:妄想湧泉力、妄想転がし力ある方を優遇だい

    普通、アイドルになるには事務所に所属して研修生からだとか、大勢で合宿しながらふるい落とされる過酷なプロジェクトに参加するのだとばかり思っていた。それがどうだ、自称するだけでいいらしい(世の中には、こんなに敷居の低い夢があったのか。敷居がないに等しい。もはや地面である)。しかも妄想力を優遇するという。これは私の独壇場である。何しろ妄想しすぎて心身に支障を来すほどの、現役バリバリの妄想族なのだ(職場でも会議中、しょっちゅう別の次元に出張している)。

    翌日、私はさっそく有給を取った。家族が出払った隙を見計らい、愛犬をモチーフにしたアイドルへと変身を遂げた。

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    たしか、「ファゴォォォォォーーーーッ」と叫べばいいはず……

    「これが、私?」

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    推しには及ばないけど、まあいいわ。

    鏡を見ると、そこにいたのは疲れ切った五十男ではなく、キラキラのアイドルだった(ひいき目に見てもかわいい。推しに比べればまだまだひよっこの小娘同然だが、及第点はあげよう。審査員は私だから採点は甘い)。うっとりしていると、スマホが鳴った。山本蛇内さんからだ。

    🐕「はい、しばこまです」
    🐍「あ、しばこまさーん!ついにアイドルになったのね。声で分かるわ。今から、ちょっと出てこられる?」
    🐕「東京はちょっと……、池袋くらいしか行ったことがないんだけど」
    🐍「いいわ、じゃ、池袋に着いたら連絡して」

    召集とあれば行くしかない(断るという選択肢は、なぜかアイドルになった瞬間に消滅した。これが沼というものか)。今回は途中下車でお土産を吟味する余裕もない。昼過ぎには池袋駅東口に着いた。蛇内さんに電話をすると、ジュンク堂近くの丼物の店にいるという。

    🐍「あ、しばこまさん、こっちこっち」
    🐕「おひさー、夏以来ですね」

    会うのが二度目だというのに、蛇内さんはとても気さくだ(アイドルになっても紳士は紳士である。中身がおじさんだと分かっているのに、不思議と嫌みがない)。ところで、向かいに座るクールな若い女性は誰だろう。モテモテの蛇内さんのことだから、大勢の恋人の中の一人だろう。私の言いたげな顔を見透かしたように、そのクールビューティが口を開いた。

    🏉「しばこまさん、はじめまして。私も思い切ってアイドルになっちゃいました」
    🐕「もしかして、コーサクさん?」
    🏉「そうよ。まあ、今では氷川寒美だけどね」

    🐕「はじめまして!寒美さんの記事で、私もアイドルにならなくちゃって勇気が出たの」
    🏉「そう、よかった。一緒にがんばりましょ!」
    🐍「さ、みんな揃ったところで、デビューの準備をするわよ」
    🏉「その前に、みんなお腹空いてない?ここの丼物でオススメがあるのよ」
    🐕「じゃ、それでお願いしようかしら」
    🐍「私も、同じものを」
    🏉「じゃ、決まりね。すいませーん。いつもの、三つくださーい」

    こうして、三人のオジさんがアイドルになった(向かいで『らい丼』をかき込む二人は、さっきまでクールだのダンディだのと思っていたのに、よく見れば箸の持ち方も食べる速さも、どう考えても近所のおじさんのそれである。だが鏡に映せば、たぶん三人ともキラキラなのだ。妻にはまだ言えない)。

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    🏉「らい丼、いけるでしょ?」
    🐍「うん、うまいうまい!」
    🐕「……ゲホ、ゲホッ!」

    #小説 #日記 #エッセイ #写真 #生成AI #AI活用 #Claude #Gemini #Flow  #シニアアイドル

     
     
    半世紀の妄想データベースをAIという最強の相棒と共に解き放つプロジェクト始動。脳内の迷走が文章と画像で現実逃避を遂げる瞬間をお楽しみください。なお、記事の内容が過激すぎて、閲覧時に選挙権を持っているかの確認が求められる可能性があります。ご了承ください。

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