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【Kling 4.0×Suno】AIの女の子に"呼吸"をさせたくて、公開が2日遅れた話——癒しのEDM動画の裏側

    前回、ジムで聴くための、ワークアウト動画を作った話を書いた。
    重低音で、気分を上げるための動画だ。

    今回は、その真逆を作った。
    ゆっくり浸れる、リラックス系のEDMだ。

    オーロラの下で、女の子が、目を閉じて音楽を聴いている。
    ときどき目を開けて、夜空を見上げて、また目を閉じる。
    映像の中身は、ほとんどそれだけ。

    ——それだけなのに、公開は、予定より2日遅れた。

    本当は、10月26日に出すつもりだった。
    出せたのは、10月28日の夕方。
    原因は、はっきりしている。
    女の子の「息づかい」に、こだわりすぎた。

    まずは、出来上がったものを。
    全6曲、約28分のリラックス系EDMだ。


    ありがたいことに、この動画、公開してすぐに、ちょっと跳ねた。
    その話は、後半に書く。

    ここからは、たった「目を閉じて、開ける」だけの映像に、なぜ2日もかかったのか。
    その裏側を、正直に書いていきたい。


    🌌 激しい曲ばかりだと、さすがに飽きてくる

    前回のワークアウト動画は、テンションを上げるためのものだった。
    今でも、ジムではよく流している。

    ただ、正直に言うと、激しい曲ばかりだと、だんだん飽きてくる。
    筋トレの途中で、ちょっと気分を変えたくなるときがある。

    それに、もう一つ、使う場面が増えた。
    ドライブだ。

    先日、長距離を運転することになって、ワークアウト用の動画をずっと流していた。
    眠気覚ましのつもりだった。
    ところが、これが思った以上によかった。
    集中できて、あまり疲れない。
    曲を聴いているうちに、あっという間に着いていた。

    「あ、運転中に聴くのも、ありだな」と思った。

    でも、長距離になると、ずっと激しい曲だと、それはそれで疲れてくる。
    途中で、変化をつけたくなる。
    パーキングエリアで休憩するときも、少し落ち着いた音が欲しい。

    激しい曲の合間に、ひと息つける曲が欲しくなった。
    それで、今回のリラックス系を作った。

    部屋でゆっくり聴くとき。
    ドライブの途中で、気分を変えたいとき。
    ワークアウトで、激しい音に少し疲れたとき。
    そういうときに、流しっぱなしにできる音楽だ。

    曲は、いつものようにSunoで作った。
    EDMだけれど、激しくない。
    少し切なくて、透明感のある音。
    DJのアラン・ウォーカーがもともと好きだったので、今回は、あの雰囲気を目指した。

    それを6曲。
    並べると、約28分になった。


    🎧 映像の中身は「目を閉じて、開けて、また閉じる」だけ

    舞台は、寒い土地のオーロラの下。
    雄大な自然の中で、女の子がひとり、目を閉じて音楽を聴いている。
    ときどき目を開けて、夜空を見上げる。

    映像の作りは、とてもシンプルだ。

    1. 目を閉じて、気持ちよさそうに音楽を聴いている。

    2. ゆっくり目を開けて、空を見上げる。

    3. また、ゆっくり目を閉じる。

    これで、1つのループになる。
    最初と最後が同じ「目を閉じた顔」なので、何度つないでも、映像が途切れない。
    このループを繰り返して、1曲分の長さにしていく。

    画像
    映像の仕組み。目を閉じた画像と、目を開けた画像の2枚から、AIに間の動きを作ってもらう。

    💡 用語メモ:ループ動画
    終わりと始まりが同じ絵になっていて、繰り返し再生しても、つなぎ目が分からないように作った動画のこと。
    短い動画を何度もつなげて、長い映像にできる。

    なぜ、こんなに動きの少ない映像にしたのか。
    理由は、このほうが、画がきれいに見えるからだ。

    AIの動画は、大きく動かすほど、顔や手が崩れやすい。
    逆に、動きを抑えると、画質の良さがそのまま残る。
    動きが少ないことが、そのまま、映像の表現になる。
    リラックスして聴く音楽には、これくらいがちょうどいいと思った。

    その代わり、こだわったのが、女の子の「存在感」だ。
    肌の質感。
    息づかい。
    本当に目の前にいるような、手を伸ばせば届きそうな感じ。

    話だけ聞くと、簡単そうに思える。
    僕も、最初はそう思っていた。

    でも、映像が、これしかない。
    ということは、ごまかしが、一切効かないということでもあった。


    女の子を作るだけで、すでに時間が溶けた

    最初に時間がかかったのは、動画ではなく、女の子の画像だった。

    画像は、ChatGPTで作っている。
    ただ、AIで女の子を作ると、どうしても似たような顔が出てきやすい。
    きれいだけれど、どこかで見たような、均一な顔だ。

    今まで作ってきた子とも、違う顔にしたい。
    この子ならではの個性を出したい。

    そこで、プロンプトをいじり倒した。
    何度も生成し直しては、見比べる。
    この時点で、もう、かなりの時間を使っていた。

    そして、ここで一つ、やらかしている。

    ChatGPTが出してくる画像は、クオリティが高い。
    何枚か作っているうちに、「これ、いいじゃん」と満足してしまった。
    そのまま、その1枚を基準にして、キャラクターの設定資料を作り、試しに動画まで作った。

    ——ところが、途中で気がついた。
    今回は「写真のようなリアルな画」でいく、と決めていたことを、忘れていた。

    基準にしていたのは、リアル寄りではあるけれど、どこか3DのCGキャラのような1枚だった。
    本命は、もっと写真に近い、別の画像だった。

    画像
    制作途中のHiggsfieldの画面。最初はこの子を基準に、動画まで作っていた。きれいだけれど、リアルな3Dキャラのようにも見える。

    見てのとおり、クオリティは全然高い。
    雪も、オーロラも、ヘッドホンの光もきれいだ。
    正直、これはこれで、いい。
    これでいっちゃっても、いいっちゃいいんだけど……。

    でも、今回やりたかったのは、「本当に目の前にいるような」リアルな女の子だった。
    並べて見ると、やっぱり、ゲームに出てくるリアルな3Dキャラみたいに見える。
    きれいだけれど、実在している人には見えない。

    慌てて、基準を切り替えた。
    それまでに作った設定資料や試作の動画は、ぜんぶ「ボツ」のフォルダへ。

    AIで画像を作ると、候補はいくらでも出てくる。
    しかも、どれもそれなりに良い。
    だからこそ、最初に決めた方針を、自分で見失いやすい。
    これは、ちょっとした教訓になった。


    息づかいが、どうしても出ない

    ここからが、本題だ。

    画像ができたら、それをもとに動画を作る。
    動画の生成には、Higgsfieldの中にある「Kling 4.0(クリング)」を使った。
    目を閉じた画像と、目を開けた画像を渡して、その間の動きを作ってもらう。

    基準を切り替えて、作り直した1つ目の場面は、すごく良かった。
    目を閉じて、ゆっくり開けて、空を見る。
    その間、肩や胸が、ほんの少しだけ動く。
    まるで、本当に呼吸しているように見えた。

    これだ、と思った。

    ところが、2つ目、3つ目の場面が、うまくいかない。
    同じようなプロンプトで作っているのに、呼吸をしていない。
    人形っぽい。
    雪も、降っていない。

    同じように頼んでいるのに、出てくるものが違う。
    AIの動画では、これが本当によくある。

    それに、目を閉じる動きが、速すぎた。
    ゆっくり、まぶたが下りてきてほしいのに、パチッと閉じてしまう。

    そこで、指示を細かくした。
    「2秒目から3秒かけて、ゆっくり目を開ける」
    「8秒目から13秒目まで、5秒かけて、少しずつまぶたを下ろす」
    「まばたきは、しない」

    これだけ細かく書けば、さすがに伝わるだろう、と思った。

    ——結果。
    5秒かけてと指示したまぶたは、約2秒で閉じた(笑)。
    しかも、閉じる前に、まぶたが小さく上下している。
    細かく指示したぶん、かえって不自然になってしまった。

    途中で、別のサービスも試してみた。
    再生してみると、なんだか画面がチカチカする。
    「なんなん、これ?」と思って調べたら、1秒あたりに、青一色のコマが1枚だけ混ざっていた。
    エラーのようなものが、勝手に入っていたらしい。
    これも、不採用。

    最後は、Premiereで、閉じる部分だけをゆっくりにして調整した。
    それでも、1つ目の場面の自然な呼吸には、届かなかったと思う。

    細かく指示しすぎるのも、場合によっては、よくないのかもしれない。

    基本的なところは、ちゃんと伝える。
    でも、細かい動きは、ある程度、Kling 4.0に任せる。
    今回、いちばん自然に見えたのは、結局、そういう作り方をした映像だった。

    ちなみに、Kling 4.0は、とにかく安かった。
    最初に使ったときは、キャンペーン中で、15秒の動画1本が15クレジット。
    それが、今回の制作の途中で見たときには、1本48.75クレジットまで上がっていた。
    それでも、ほかの動画モデルに比べれば、まだ安いほうだと思う。

    画像
    今回の制作中に、僕の画面で表示されたクレジット。キャンペーン期間・条件によって変わるので、使うときは最新の表示を確認してほしい

    ✨ 雪のつもりが、ホコリに見えた

    もう一つ、苦労したのが、雪だ。

    動画の上から、粉雪や光の粒が、ゆっくり降るようにしたかった。
    人物の映像とは別に、雪を後から重ねる。

    このとき、少しでも書き出しの時間を短くしたくて、Premiereの中でできる方法を探した。
    やり方を調べて、雪を足してみた。
    見えにくかったので、粒を大きくして、ふわっと光らせた。

    画面を見て、思わず、口に出た。

    「……これ、ホコリじゃん」

    明るく、大きくした粉雪は、
    オーロラの空に舞う雪ではなく、部屋に舞うホコリにしか見えなかった。

    別の場面の光の粒も、大きくしたら、今度は丸の輪郭がくっきり出すぎる。
    雪というより、水玉模様だ。

    画像
    左:粒を大きく光らせた版。ホコリっぽい。右:控えめに戻して、ぼかした採用版。※画像はAIで制作したイメージです

    結局、粉雪は、いちばん最初の控えめな量に戻した。
    光の粒は、大きくするのをやめて、ぼかして、薄くした。
    何度も行ったり来たりして、たどり着いたのは、ほぼ、最初の状態だった。

    足すほど、良くなるわけではない。
    デザインの仕事でも、よくあることだけれど、引き算のほうが、ずっと難しい。

    雪の足し方は、ほかにもいろいろある。
    フリーの素材を使う方法もあるし、別のソフトで作る方法もある。
    どれがいちばん自然に見えるかは、まだ探っている途中だ。
    これは、今後の課題だと思っている。


    つなぎ目の、0.75秒

    もう一つ、地味だけれど、時間がかかったところがある。
    ループの、つなぎ目だ。

    最初と最後を、同じ「目を閉じた顔」にしても、AIが作る映像は、わずかにずれる。
    顔の位置が、ほんの少しだけ違う。
    だから、つないだ瞬間に、顔が「カクッ」と動いてしまう。

    ほとんどの人は、気づかないかもしれない。
    でも、一度気づくと、もう気になって仕方がない。

    そこで、つなぎ目で、前の映像と次の映像を0.75秒だけ重ねて、ゆっくり入れ替わるようにした。
    これで、カクッとした動きは、ほぼ見えなくなった。

    ついでに、音の低いところに合わせて、背景の映像がほんの少しだけ、ふわっと大きくなるようにもしている。
    音楽に合わせて、画面が静かに呼吸するように。

    画像
    完成動画の画面。左上にジャンル、右上にロゴ、下に音に合わせて動くスペクトラム、右下に曲名。

    画面の文字やロゴの配置は、僕が紙に手描きした配置図をもとに作ってもらった。
    ロゴも、何案も作ってもらって、その中から選んだ。
    この辺りの「どこに、何を、どれくらい」は、やっぱり、自分で決めたいところだ。


    🔧 AIに任せたところ、自分で決めたところ

    今回も、作業のかなりの部分を、AIに任せている。

    Premiereやアフターエフェクツの操作は、前回と同じように、Codexに頼んだ。
    音に合わせて動くスペクトラムや、文字の上を光が横切る演出。
    雪を重ねる作業、全6曲分の組み立て。
    書き出したあとに、映像が壊れていないかのチェックまで。

    💡 用語メモ:Codex(コーデックス)
    OpenAIが出している、AIに作業を任せる道具。
    僕は、Macの中のソフトの操作や、動画の組み立てを手伝ってもらっている。

    一方で、僕が決めたこともある。

    • どの女の子を、主人公にするか。

    • 呼吸が「自然」かどうか。

    • 雪が「雪」に見えるか、「ホコリ」に見えるか。

    • 画面のどこに、何を置くか。

    • そして、「これでOK」と言うかどうか。

    こうして並べると、僕がやっているのは、ほとんど「見て、決める」ことだけだ。
    でも、その「見て、決める」で、2日かかった。

    もう一つ、今回やってよかったことがある。
    いきなり28分を作らずに、20秒や30秒の見本を作って、先に確認したことだ。

    全部を作ってから直すと、直すたびに、長い書き出し待ちが発生する。
    短い見本で、雪の量や光の動きを決めてから、全編に反映する。
    それでも2日遅れたのだから、いきなり全編を作っていたら、もっと遅れていたと思う。


    📈 公開30分で、跳ねた

    10月28日の18時。
    予定より2日遅れて、ようやく公開した。

    正直、大きな期待はしていなかった。
    アップしたあと、何気なく、YouTubeのアナリティクスを開いた。

    リアルタイムの再生状況が、棒グラフで動いて見える画面がある。
    その棒が、アニメーションみたいに、ギューンと、すごくスムーズに伸びていく。

    「いやいや、何これ?」

    思わず、釘付けになって見ていた。
    こんなに、見てくれる人がいるんだ。
    正直、ちょっとテンションが上がった。
    やった、と思った。

    公開して30分で、このチャンネルの直近9本の動画の中で、いちばん再生されていた。
    その勢いが、2〜3時間、続いた。

    とはいえ、チャンネル登録者は、まだ少ない。
    数字としては、大したことはない。
    公開からまる1日たった今、再生は190回ほどだ。

    それでも、この登録者数のチャンネルとしては、かなりいいスタートだと思う。
    何より、自分の中で、すごく印象に残る30分だった。

    なぜ跳ねたのかは、正直、まだ分からない。
    18時は、仕事が終わって家に帰る時間や、ジムで体を動かす時間。
    そこに、ゆっくり聴ける音楽が合ったのかもしれない。
    ——これは、あくまで僕の仮説だ。


    ❄️ そして、もう2本目ができている

    実は、この1本目を出したあと、すぐに2本目に取りかかった。
    そして今日、10月29日に、その2本目を公開する。

    今回は、あえて、もう少し身近に感じられる女の子にしてみた。
    ローズブラウンの髪に、色白の肌、ナチュラルなメイク。
    ヘッドホンだけは、1本目と同じ、青く光るものにそろえた。
    並べたときに、「同じ世界の話」に見えるようにしたかったからだ。

    舞台は、また雪とオーロラの土地。
    「その格好で、アラスカは無理だろう」というツッコミは、ひとまず置いておいてほしい(笑)。

    1本目で学んだことは、そのまま2本目に活かした。

    細かい秒数で動きを指示するのは、やめた。
    1本目の最初の場面の、自然な呼吸を「お手本」にした。

    雪も、作り方を変えた。
    まず、動画を生成するときに、最初から雪を降らせておく。
    それでも足りないところだけを、エフェクトで足す。
    後から全部を重ねるより、ずっと自然に見えるようになった。

    画像
    1本目と2本目の、雪の入れ方の違い。写真は実際の動画から。

    女の子の肌が少しくすんで見えたので、Premiereの色の調整で、明るく、きれいに見えるようにした。
    最後は、5秒かけて、映像も音も静かにフェードアウトしていく。
    聴き終わったとき、ふっと終わるように。

    こちらも全6曲、約29分。
    よかったら、1本目と続けて聴いてみてほしい。


    📝 ざっくり、まとめると

    • 今回作ったのは、オーロラのリラックス系EDM動画。全6曲、約28分。

    • 激しい曲ばかりだと飽きるので、ドライブやワークアウトの合間、休憩のときに聴ける音が欲しくなった。

    • 映像は「目を閉じて、開けて、また閉じる」のループだけ。動きを抑えるほうが、画はきれいに見える。

    • 女の子の個性を出すのに、まず時間がかかった。しかも途中で、「リアルでいく」という方針を忘れていた。

    • 「5秒かけて目を閉じて」と細かく指示したら、約2秒で閉じた。細かく指示しすぎず、ある程度AIに任せるほうが、自然に見えることもある。

    • 雪を後から足したら、ホコリになった。2本目では、生成時から雪を入れて、足りない分だけ足す形に変えた。

    • 作業はAIに任せても、「見て、決める」のは自分。その「見て、決める」で、2日遅れた。

    • 公開30分で、直近の動画の中で1位に。1本目の反省を活かした2本目も、今日公開。


    🙏 このnoteについて

    このnoteでは、こんなふうに、
    AIを使って作ったものの裏側を、うまくいかなかったところも含めて書いている。

    AIのおかげで、ひとりでも、ここまでの映像が作れるようになった。
    でも、「これでいい」と決めるのは、やっぱり、人の目なんだと思う。

    そして、今回の動画も、いろいろな時間のお供に使ってもらえたら嬉しい。
    部屋で、ひと息つきたいときに。
    長いドライブの途中や、休憩のパーキングで。
    激しい曲に、少し疲れたときに。

    ——次は、予定どおりに出せるように、がんばります(笑)。

    最後まで読んでくれて、ありがとうございました。

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    広告デザイン歴20年。コードも書けず、自分でも「だらしない」と長く悩んできた僕が、 AIを実務に取り込んだら、デザインも集客も静かに変わっていきました。 最新のAIを「プロの現場でどう使うか」という目線で、できるだけ正直に書いています。

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