メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bywashizukami

こぶし調理ご飯【毎週ショートショートnote】裏お題

    春になり、一人で散歩していた僕はこぶしの木を見つけた。

    白く大きな花がたくさん咲いていた。

    僕はこぶしの優雅さに見とれていると、こぶしの木の裏の家から女性が出てきた。

    「きれいでしょ」とその女性が声をかけてきた。

    「きれいですね」僕はちょっと緊張した心持ちで返事をした。

    女性はこぶしの木から花びらを一枚取り、半分にちぎって僕に渡してきた。

    「ほら、香りかいでみて。いい香りがするのよ」

    ちぎった花びらを受け取って、その香りをかいでみた。

    すると、ふわっと甘い香りがした。

    「いい香りですね」

    「でしょう。お茶にすると少し苦いけど美味しいのよ」

    そのとき、調理師である僕はひらめいた。

    こぶしのお茶でご飯を炊いたらどういう味になるのだろうと。

    命名すると『こぶし調理ご飯』だ。

    「お姉さん、ありがとうございます。新メニューがひらめきました」

    「あら、食べてみたいわ」

    女性が笑顔で僕を見つめてきた。

    こぶしの花は春風で揺れ、運んできたのは甘い香りだった。


    (410字)


    たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

    ※逆ナンショートショートになってしまいました。



    *この記事は、以下の企画に参加しております。



     
     
    小説を書き始めたいと考えた男性51歳。小説書き方本等で独学で勉強中。書きたいことは頭の中にいろいろあります。公募してみたいと思っているがまだまだ全然の人。

    あなたへのおすすめ