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テロも排外主義も、経済の話だと思っていた

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    宗教はもう「個人の趣味」だと思っていた

    世界のニュースを見ながら、テロも排外主義も中東情勢も、結局は経済格差や政治的利害で説明がつく問題だとどこかで思っていました。宗教はせいぜい儀礼や慣習として残っているだけで、現代社会を動かす力学としてはもう脇役だろう、と。だからこそニュースの深いところがいつも腑に落ちませんでした。池上彰さんと佐藤優さんの対談『宗教の現在地 資本主義、暴力、生命、国家』を知って、その見立てがまるごと崩れました。資本主義も国家も、宗教という土台の上に乗っているだけだったのです。

    池上彰・佐藤優著『宗教の現在地 資本主義、暴力、生命、国家』はこちらから読めます。

    「慣習だ」と思い込むことこそが国教化だった

    本書は『宗教と資本主義・国家』『宗教と暴力』『宗教と生命』という三冊の対談集の核となる部分に、新章と書き下ろしを加えて再構成した一冊です。四つの章立てで、宗教が資本主義・暴力・AI社会・国家というそれぞれの領域とどう切り結ぶかを掘り下げています。とりわけ印象的なのは、キリスト教内部でもカトリックとプロテスタントで「神の領域」への態度がまったく違うという指摘や、ロシアで共産主義が根付いた背景に東方神学の発想があるという読み解きです。宗教を「信じるか信じないか」の二択で見ていた自分には、こうした系譜の話が新鮮でした。本書にはさらに、AI社会で宗教が担う役割や、国家神道をめぐる危うさについての議論も収められています。そのあたりの緊張感は、ぜひ本書で確かめてみてください。

    ニュースの見え方が変わった

    以前はテロのニュースを見ても「なぜそこまでするのか」で思考が止まっていました。今は、命を投げ出す覚悟がどこから来るのか、その宗教的な土台を一歩踏み込んで考えるようになりました。移民や排外主義のニュースも、経済的な摩擦だけでなく、その社会が何を「当たり前の慣習」として国教化してきたかという視点で読めるようになったのが大きな変化です。単なる時事解説では得られない、もう一段深いところで世界を見る目が備わった感覚があります。

    知らないままでは、世界の半分しか見えていなかった

    宗教を脇に置いたまま国際情勢を追いかけていた自分に気づかされました。佐藤優さんは同志社大学大学院神学研究科を修了し外務省で対ロシア外交の最前線に立った経験を持つ元主任分析官、池上彰さんは長年ニュース解説の第一線に立ってきたジャーナリストです。神学の専門知と現場感覚のある解説力がぶつかり合うからこそ、この重さのテーマが読み進められる対談になっています。宗教を「もう古い話」だと思っている人ほど、池上彰・佐藤優『宗教の現在地 資本主義、暴力、生命、国家』を読む価値があります。

    池上彰・佐藤優著『宗教の現在地 資本主義、暴力、生命、国家』はこちらから読めます。

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