
AIを使いこなす母親にちょっと冷めた息子の罪の告白
帰省をして実家のリビングで暖を取っていた時のこと。
窓の外に見える枝に珍しい小さな小鳥が止まったのが見えた。
自分は「あれ、なんの鳥だろうね~」と指をさしたら、母親は意気揚々とスマホを取り出した。
そうして、鳥を写真におさめ、
「この鳥の名前を教えて!」
とGeminiに聞いて、回答を貰って、
「ありがとう」とお礼まで言っていた。
そして、「AIによると~」と自分に教えてくれたので、俺も
「ありがとう」と笑みを浮かべた。
70を超えた母親がAIを使いこなしている。
素晴らしいこと? 驚くべきこと?
そんなことを感じる前に自分はこう思った。
「冷めるわ~~!!」
いや、自分でも酷いこと感じたのはわかりますよ?
むしろAI活用素晴らしいことじゃないですか。
70を超えて知力体力共に衰えた老人を的確にサポートしてくれて、疑似的な話し相手にもなってるんだから、最高なんですよ、はい。特別なAIの勉強をしなくても活用ができるGeminiは優れているんでしょう。Androidにはデフォルトでついてたりしますからね。
だから、はい、お母さん、そのままAIを活用してください。長生きしてください。
自分もAI大好きで、プライベートでも仕事でも活用しているし。むしろAI陣営の人です。
ただ、AIが好きであるがゆえに、AIが及んでいない世界を望む気持ちも相当に強い。右も左も上も下も老若男女AIAIAIAIAISISISISISSI、もうええがな。
文章も手で書くことにこだわっているし、AIじゃないことへの探求心も人一倍強い。わかるよ、わかる。そんなこだわりは自己満足かもだって。
でもやっぱり、「田舎の老母でもAIが活用できる?」もうそういうのええがな。AIの外に行きたいんだって。
そもそもAIは風情がないじゃないですか。
田舎に行って現地の豊かな伝統を堪能できると思ったら、全員スマホポチポチしてたみたいな話じゃないですかね。
老眼鏡をかけて鳥類図鑑をおもむろに開いて3日くらいかけて調べてくれよ。
70年の過去の記憶にダイブして、あなたにしか語れない鳥にまつわる昔話を聞かせておくれよ。
とまではいわないが。
根本AI抜きにして、会話で出た謎をネットですぐ調べて回答ゲットするの野暮だからね!
で、もちろん俺が悪い。
便利になる自由は誰だってあるし、お前の勝手な理想を投影すなって話で。
好きにさせろ
お前がスマホ捨てて、山に引きこもれ。
AIに代替されちまえ。
と自分でも思う。
ただ変わりゆく街に小さなため息を吐くのも自由なんですよ。