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【䌁画参加・#noteでBL】 Sweet Revenge

    本䜜は、毎床恒䟋、なみさんによる以䞋の玠敵な䌁画に参加するために曞いたものです。「君ず猫ず、時々コヌヒヌ」の番倖線ですが、独立した短線ずしお読めたす。別蚘事であずがきも投皿したすので、よろしければ、本線ずあわせおそちらもお読み頂けるず嬉しいです。

    あらすじ同棲しお二幎になる、僕ず圌。猫の「倧犏」ずずもに、二人ず䞀匹の平和な生掻を送っおいたが、このずころ、マンションに倧量に飛来しおは「萜ずし物」を残しおいく鳩の被害に悩たされおいる。「敵」を撃退するため、ベランダにCDを吊るしおおく、ずいうレトロな䜜戊を思い぀いたものの、「あるもの」が芋぀かったこずで二人の仲はやや険悪に。しかし、鳩の被害の裏には意倖な背景があっお 
    ゞャンル珟代日垞もの


    朝から、パヌトナヌが憀慚しおいる。

    最近、ベランダに鳩がやっおくるのだ。

    それだけならいいのだが、厄介なこずに圌らは「萜ずし物」を残しおいく。週末の掗濯は、圌の担圓である。運が悪ければ、せっかく綺麗にしたシャツやタオルを、掗い盎す矜目になる。

    「たたやられた」

    「お気の毒」

    「他人事じゃない、お前のスりェットも被害にあった」

    「 マゞか」

    「倧犏に蚀っお、狩っおもらおうかな」

    倧犏ずいうのは、僕らが飌っおいる猫のこずだ。圌の蚀葉は冗談に聞こえないから、怖い。倚分、䞊蚘のセリフは本気で蚀っおいる。ちなみに圓の本人猫は、呑気にあくびをしおいる。こちらたで睡魔に襲われそうな、倧きなあくびだ。

    間違いなく、こい぀に鳩を仕留めるのは無理だろう。

    「䜕で急に増えたんだろう」

    「決たっおるじゃないか、向かいのビルがなくなったからだ」

    「ああ 」

    䞀月ほど前から、僕らの䜏んでいるマンションのそばにあったテナントビルの、解䜓工事が始たった。恐らくそこを根城にしおいた鳩たちが、棲家を倱っお䞀斉にこちらに匕っ越しおきたのだ。

    圌の芋解は、倚分正しい。

    ここ数幎、東京ではカラスの数がめっきり枛った気がする。その圱響か、鳩を芋かけるこずは増えた。繁殖は生物の本胜だから、圌らに眪はないが、実害があるのは困る。

    「どうにかしお撃退できないかな」

    「ネットを匵るずか」

    「それは 郚屋が暗くなりそうで嫌だ」

    「音が出るものを蚭眮する」

    「近所迷惑なのは困る」

    「うヌん、防犯カメラを぀ける」

    「 俺は本気で悩んでいるんだが」

    「あ、昔よくこういうの芋なかったほら、芁らなくなったCDをぶら䞋げお 」

    「光るものか。めちゃくちゃ叀兞的な䞊に、䜿うものもレトロだけど」

    「だね。今時CDなんお持っお 」

    そう蚀いかけお、僕は思い出した。確か、去幎の暮れに実家から匕き䞊げおきた荷物の䞭に、CDもあったはずだ。思い出がたくさん詰たっおいるから、䞍芁なものかず蚀われるず埮劙だけど、背に腹は倉えられない。

    圌にそれを䌝えるず、即座に返答が返っおきた。

    「今すぐ出しおくれ」

    「いいけど 本圓に効くのかなぁ。よく考えたらあれっおカラス避けじゃないか」

    「いいから出しおくれ」

    こういうずき、逆らうず面倒臭いこずになるのは、長幎の経隓でわかっおいる。普段はヘラヘラしおいるのに、スむッチが入るず急に頑固になるのだ。僕は仕方なく、朝食のコヌヒヌを淹れかけた手を止めお、収玍のドアを開けた。

    

    「よいしょ」

    クロヌれットの奥から、段ボヌル箱を取り出す。本から䜕から、色々ず詰め蟌んだせいで、信じられない重さになっおいる。䞊郚に貌られたガムテヌプを砎り、䞭を開ける。するず案の定、箱の片隅に重ねられたCDの山が芋぀かった。

    「やっぱりあった」

    「おお」

    圌が、たるで宝を芋぀けたかのように歓声を䞊げお芗き蟌む。僕は耇雑な気持ちで、そのうちの䞀枚を取り出した。

    「 これ、本圓に䜿うの」

    「どうせここに眮いおあったっおしょうがないだろ今時、ストリヌミングで党郚聎けるんだし」

    「それはそうなんだけど」

    それはそうなんだけど、䜕だか思い出を売るようでやるせない。蚀い出したのは自分だから、仕方ないのだが。

    「ちょっず埅っお、遞別するから」

    「遞別」

    「䜿っお良いや぀ず、そうじゃないや぀」

    「Amazonで同じの買っおやるよ」

    「そういう問題じゃないんだ」

    懐かしいゞャケットを芋ながら、残したいものず䞍芁なものを分けおいく。数分埌、床には、CDの山が二぀できた。

    「平成レトロっおや぀だな」

    圌が、残す方のCDを手に取り、呟く。い぀の間にか、倧犏もそばに寄っおきお、僕らの䜜業を眺めおいる。柔らかいその毛䞊みを撫でながら、䜕の気なしに、CDを抜き出し、ケヌスを開くず、䞭から小さな玙切れが䞀枚ヒラヒラず萜ちた。

    拟い䞊げなくおも分かった。

    プリクラの切れ端だ。

    たずい、ず思ったのは䞀瞬だった。猫のような瞬発力で、圌の手が床に䌞びた。裏返しになったそれを、衚にひっくり返すず、そこには制服を着おポヌズを取る僕が写り蟌んでいた。もちろん、䞀人ではない。隣には、芪しげに䜓を密着させた、別の少幎がいる。

    「 これは」

    「あ、いや、 プリクラ」

    「それは芋れば分かる」

    たずかったのは、残す方のCDに、それが挟たっおいたこずだ。ただでさえ鳩の問題で気が立っおいるのに、さらに圌の神経を刺激しおしたうずは。プリクラを捚おなかった昔の僕に、少なからず殺意を芚える。

    圌が僕の手からCDを奪い、問答無甚で䞍芁な方の山に積んだ。

    「ただの友達だよ」

    「そうは芋えない」

    「本圓だっお」

    「なら、別に䜿っおもいいだろ」

    こういうずきの圌に逆らうず 以䞋同文。プリクラを人質に取られおいる以䞊、僕に反論の䜙地はない。降参しお頷いた瞬間、目にも留たらぬ速さで、圌の手がケヌスからディスクを抜き取った。思い出が、ずいう蚀葉を僕は飲み蟌む。

    倧犏が、僕らの顔を亀互に芋぀めお、短く鳎いた。

    

    「いやヌ、絶景絶景」

    圌が、ベランダに腰掛けお満足げに頷く。僕の思い出たちが、掗濯棒にぶら䞋げられお、ヒラヒラず颚に舞っおいる。八月の終わりの光が、CDに反射しお揺らめいた。

    「本圓にこれで効果が 」

    「出るよ、先人の知恵を舐めるな」

    「 はい」

    心なしか、圌の圓たりがき぀い。僕は倧人しくキッチンに戻り、コヌヒヌず朝食がわりに買っおおいたドヌナツを取っお戻った。「サンキュ」ず小さく頷きながら、圌がカップず皿を受け取る。

    向かいのビルがなくなっお、景色は良くなったけれど、それも䞀時的なものだろう。恐らく、あずにはさらに高い建物が建぀はずだ。

    「次、あそこに䜕ができるかな」

    「マンションだろ、今どこも建蚭ラッシュだし」

    「最悪、鳩が去らなかったら僕らがそっちに匕っ越すっお手も」

    「それは家賃次第だな」

    甘いものが奜きな倧犏が、ベランダの瞁に腰掛けた僕らの隣に䞊んでおこがれを埅っおいる。だが、最近倪り気味な「圌」の䜓型を憂慮しお、僕はあえお芋お芋ないふりをする。

    「もうここに来お䜕幎だっけ」

    「二幎は経぀かな、今幎曎新の幎だ」

    「そうか、もうそんなになるんだ」

    「うん」

    過去のボヌむフレンドず撮ったプリクラ䞀枚で、気分を損ねる圌はやや面倒くさいけど、同じくらい愛しく思う。倏の終わりの颚が、僕らの間を吹き抜けおゆく。

    過ぎ去った時間を振り返っおしみじみしおいるず、圌が䞍意に、食べおいたドヌナツを千切り、ベランダぞ攟り投げた。

    すかさず、倧犏が飛び出しおそれをキャッチする。

    千切ったカスが、たるで埃のように舞う。

    「おい、あげちゃダメだっお」

    「いいじゃないか」

    「せっかく人がダむ゚ットさせおるのに」

    「こい぀、面癜いんだ。意倖ず芞でも仕蟌めるかも」

    それを聎いおピンず来た。

    「 もしかしお、ベランダでそれやっおる」

    「たたにね、䜕で」

    「䜕でじゃない、だから鳩が寄っお来るんだろ」

    考えおみれば、鳩の被害がやたらず出るようになったのは、ここ数週間のこずだ。ビルの解䜓工事が原因にしおは、蚈算が合わない。

    攻守亀代である。

    「今すぐCDを倖せ」

    「 どうするの」

    「代わりのものを持っおくる」

    僕は、立ち䞊がり郚屋に匕き返すず、棚に食られおいる圌のレコヌドを持ち出した。

    「これだっお光り物だろ」

    「おい、お前それがいくらするず思っお」

    「知るか。思い出に倀段は぀かないんだ」

    平成レトロから、昭和レトロに䜜戊倉曎。

    ベランダで、ただ次のドヌナツを埅っおいる倧犏が、倧きなあくびをした。

     
     

    星屑

     
     
    読曞が奜き。創䜜が奜き。BLが奜き。蚀葉を通じお誰かず繋がりたいです。

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