
「考」考(「考」の字形とその間違いの形について考察する)
更新日:2026/10/08
小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導からよく見かける、中高生の間違えやすい表記を紹介し、世の中高生・受験生に警鐘を鳴らすのが、このシリーズ【間違えやすい表記】。
今日は「考」の字形とそのミスパターンについて考えていきます。タイトルの通り、本当に、今回は「考」について「考えていく」記事になっています。この「考」の字形、中高生の作文や小論文・志望理由書では地味にミスしているんですよね……(多いのは中学生)。その辺について、今日はお話ししていきます。
大体、これは大人もそうだと思うのですが、似た字形の漢字同士は誤りやすいです。そういうことで言えば、「考」を「孝」と間違えるというのは、漢字の誤り方として「あるある」なわけです。上の部分が似ていますよね。ここでまず「引きずられる」というわけです。この上の「土」を書いて右斜め上から左斜め下に払うところ、これを「おいかんむり(おおいかんむり)」または「おいがしら」というんですが、これがまさに「考」の部首でもあります。「老(おい)」の上部ですね。これ、高齢者や老人を意味します。
おもしろいのは、では「孝」の部首も「おいかんむり」かというと、そうではなくてこれは「子」が部首。おそらくこれは漢字の成り立ちと「どこがその漢字の主な意味を表わしているか」によって変わるのでしょうが、今回はその話題が中心ではないので、ここではあまり深掘りしません。しかしいずれにしても、上部は同じなのでこれが間違いを引き起こすもとになっていることは言うまでもありません。また加えて、「音読みが同じ」というのも間違いをさらに助長させていると思われます。「考」も「孝」も同じ「コウ」と読みますからね……。「読み方が同じ」だとさらに間違えやすいかもしれません。
ですが、「考」の間違えとしての「孝」は、実はそんなに間違いとしては多くはありません(まあまあ、見かけますけどね……あくまで、「私調べ」です)。本当に多い間違い、それはこっちの方です……。

これです、これ。この間違いの方が圧倒的によく見かけます。「考」の下に「一」を加えて「与」にしているものです。当然こんな字はないのですが、「一本余計に横棒を引かないと気が済まない」勢がある程度の数いらっしゃるようですね……。この下部はもともと「巧」の右などと同じ「コウ」という音を意味するもので、当たり前ですが「与」とは関係がありません(ちなみにこれは「ヨ」という音を意味します)。ですが形が似てはいるので、それで「引きずられてしまう」のでしょうか?
あるいは「考」と「孝」とを混同した末に引き起こしたミスなのでしょうか?「孝」で最後横棒を引っ張るのと同じ調子で、「考」でもつい横棒を足してしまうのでしょうか?
(つまり、「こういうこと」です。)

どういうメカニズムで間違えてしまうのか、ここでは考えてみましたが、いずれも推測の域を出ません。「全部ごっちゃになっている」ということかもしれませんね……。「考」の正しい字形を、みなさんも改めて確認しておいてください。
(検索などでは以下のサイトにお世話になりました)
漢字ペディア
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