
『鳳雛竜胆の花が咲く時』外伝拾遺:【虚実詩筵記 ―時空を越える唱和―】 30,≪義なき忠をば早く疑うべし≫
無義之忠宜早疑
近臣常是暗中危
能銘此理存王室
識破人心方得宜
読み下し文
義なき忠をば早く疑うべし。 近き臣こそ、つねに暗中の危うきなり。 この理を肝に銘じてこそ王室に存す。 人心を識り破る者のみ、宜しきを得る。
大意
理由のない忠誠を示す者は、まず疑うべきだ。 もっとも近くにいる臣こそ、陰で最も危険な存在となる。 この理を心に刻める者だけが、王室で生き残ることができる。 人の心の裏を見抜ける者こそ、正しい道を得るのだ。
「何だか怖い感じだね。」
「王朝政治の冷厳さが伝わる。」
「唱和すると、こうかな。」
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恩外之勤多作偽
座旁之患最難知
欲安玉座須明察
細鑑人情始可持
読み下し文
恩の外の勤めは、多く偽りを作す。 座のかたわらの患いこそ、もっとも知り難し。 玉座を安んぜんと欲せば、須らく明察すべし。 人情を細かに鑑みて始めて持すべし。
大意
恩義を越えて尽くされる働きには、しばしば偽りが潜む。 王の座のすぐそばにいる者ほど、その危険は見抜きにくい。 玉座を守りたいなら、徹底した洞察が欠かせない。 人の心の細部まで見抜いてこそ、王権は保たれるのだ。