
つばさ候補生
お空の上では、これから生まれてくる命たちが順番待ちをしています。
新しい命たちは一つずつ天使がこの世界に運んで行くのです。
「地上ってどんなところかな」
「怖いよぅ、怖いよぅ」
順番待ちをしている命たちに、一人の天使の候補生徒が話しかけました。
「地上はとっても素敵なところだよ!だからね。初めは怖いと思うかもしれないけれど、世界で生まれてくるというのはとっても素晴らしいことなんだよ」
「本当に?」
天使の候補生はにっこりと微笑みました。
ここでたくさんの命たちを見守って見送っていくのが彼の仕事です。
もっと大きな経験を積んだ天使たちは翼を広げ、命たちを地上へと届ける仕事をしているのです。
彼も仕事が終わると飛ぶ練習をしています。
パタパタと飛んでは疲れて座り込んでしまう、それを何回も繰り返しているのです。
もっとたくさん飛べるようになったら地上に絶対に行くんだ。
いつか自分が見送った命たちが地上で成長してたくましく生きているのを見るのが彼の夢でした。
今日もまた、天国をパタパタと翼を広げて彼は飛びます。
いつかその翼に、命を乗せるのを夢見て。
雲の間から見える地上は美しく、みんな元気に働いて輝いておりました。
