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守りたいもの(前編)

    このお話はフィクションワールドブルー物語です

    イタタタ…
    「あれ……わたし…」

    足の痛みで目が覚めた。
    ぼやけていた視界がだんだんとはっきりしてくると、目の前に心配そうに自分のことを見つめる男性の姿があった。

    「小花ちゃん!?大丈夫か??」

    私の名前を知っているの?あなたは誰?
    どうやら男性の腕の中で気を失っていたらしい。
    どこかで会ったことがあるような…
    不思議な安心感に包まれて、次第と意識がはっきりしてくる。

    我に返った途端、男の人の腕の中にいると言う事実に急に恥ずかしさが込み上げてきた。
    小花は慌てて起き上がろうとするが、足首に激痛が走り顔をしかめる。

    「どこか痛む?それにしても気がついてよかった…。」
    小花を見つめる男性の瞳は少し涙で潤んでいて、まるで愛する人を見つめているかのような優しい目をしていた。



    遡ること数ヶ月前。


    「ここはどこだ…?」
    気づくと無機質な部屋で目が覚めた。
    天井も壁も白く、小さな窓が一つ。
    そして俺が横になっていた簡易ベッドがあるだけ。
    よく見ると天井の隅にカメラが設置されている。誰かが俺の行動を監視しているのだろうか…

    とりあえず、俺がなぜここにいるのか思い出そうとしていると、
    誰かがドアをノックした。

    ガチャ。

    「やっとお目覚めかい?」

    「お前は誰だ?そしてここはどこなんだ?」

    「混乱するのも仕方ないさね。ここはあんたが生きていた時代よりも
    35年ほど前の世界さ。前にいた世界のことは覚えているかい?」

    少し頭痛の残る頭で思い出してみる。
    部屋にある唯一の窓から外を見ると、青く茂る街路樹が目に入った。

    おかしい…
    俺の世界は愛殺文の投下により地球の3/4が砂漠化してしまった…
    あんな街路樹あるはずがない。
    たしか俺はその愛殺文が投下される瞬間を見届けて…
    「うっ…」
    急に頭が割れるように痛む。左肩の古傷まで痛むじゃあないか。
    まったくどうなってやがる…。

    「思い出したようだね。あんたは愛殺文が発動されたときの時空の歪みに
    巻き込まれちまったようだ。ただあんたはこっちの世界でやってもらわないといけないことがあるからねぇ。ダンに一役買ってもらったのさ。

    あぁ、ダンと言ってもあんたの名前じゃあないよ。黒猫の方さ」

    なんとなく思い出してきた。
    そうか、気を失う前に猫の鳴き声が聞こえた気がしたが…
    猫ダンのせい?またわけがわからない。

    「…ところで、あんたは誰なんだ?」

    「なんだいあんた。私を忘れたって言うのかい?まぁ今のあんたの
    状況じゃ仕方ないか。私はすぬ婆だ。若い頃のあんたは可愛かったが
    すっかりおじさんになっちまったもんだねぇ。
     …そんな話はいいか。とりあえず私はすぬ婆だ。困った時はSBすぬ婆の名前を出せばいい。
     とりあえず。あんたに任せたいのは、愛殺文の発動を阻止することだ。
    きっとこのワールドブルー社には何かある。
    まずはそれを探るためにも、あんたは「蒼木直樹」として生きてもらう。
    蒼木はワールドブルー社のお先します部部長だよ。
    ここはワールドブルー物語何でもありの世界だからね、
    私の力で蒼木部長の存在はすでに出来上がっているんだ。
    ありがたい世界だね、全く。
    経歴や何やらはとりあえず、メモしておいたから…ほら。

    あと、あんたが守りたいのはこの世界だけじゃないだろう?
    だ・か・ら。今日がいつなのか確認するんだ。
    早く思い出せれば、きっともう一つの大切なものも守れるだろうさ」

    ニヤリと笑いながら、部屋を出ていくすぬ婆。
    言いたいことだけ言って出て行きやがって全く意味がわからない。
    とりあえず、もらったメモを見てみると

    『蒼林はお前の部下だ。詳細は彼に聞いとくれ。ただ、◎△$♪×¥●&%#』

    はぁ。。

    まったくなんなんだよ。
    コーヒーのシミで大事そうなところが読めないじゃないか。とりあえず蒼林に話を聞いてみるにしても、なにか気をつけた方がいいようだな。

    こう言う時はヒットマンだった自分の勘がよく働く。

    なんとなくこの部屋がワールドブルー社のどこかの一室だということも理解できた。

    それにしても…もう一つの守りたいもの。
    すぬ婆の話には気になる点が多すぎる。
    とりあえずコーヒーが飲みたい。

    一旦冷静になって頭の中を整理することにしよう。

    (…つづくっ!)



    <あとがき>
    蒼木部長がタイムトラベルした時に遡ってみたお話です。
    すぬ婆はすっかり語り部ですね〜
    そしてすぬ婆のせいにすれば色々と成り立つことが証明されましたw
    小花との出会いのエピソードを書こうと思っているのですが、ついつい長くなってしまったので、続きは次回に引っ張りたいと思います。
    ちょっと蒼木部長も、すぬ婆も背景複雑すぎて書くのに過去作品読み漁りました(笑
    もし齟齬あれば、「ワールドブルーだから〜」と
    優しく見守ってください(❁ᴗ͈ˬᴗ͈))))

    【今回のお話の関連記事】
    ✅蒼木部長がこの世界にきた時の話

    ✅部屋のカメラから覗いていたのは果たして…?

    ✅すべてに通用する言葉SBすぬ婆の力


    #ワールドブルー物語
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