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気に入ったものを「毎日使う」ということ。

    ITディバイスが日進月歩の勢いで進化して、新しい"便利"を日々享受する今の暮らしの中で、それでも毎日何かしらの"手書き"を意識している。
    I Phone  やI Padは便利だが、頭の中の整理やアイディア出しなどには、やはり「書く」「描く」は大切だと感じる。
    最近の手書きと記憶の関係をテーマにした研究では、コンピューターで入力するより自分の手で書いた方が、その内容をよく記憶できるとの報告が続く。
    そんな中で、最近あらためて使いだしているイタリア美軸がある。     デルタの366コレクションの万年筆やボールペンたちだ。少し小柄なサイズ感が手にはほどよくフィット。胴軸の中がチラリと見え隠れする程よいスケルトン柄。特に茶柄の万年筆などは、祖父の使っていたセルロイドの鼈甲のメガネを思い出させてくれる。
    令和の"今”には、ほどよいレトロな雰囲気がお気に入りなのである。

    「毎日使って欲しい」 という思いを込めた"365"コレクション

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    キャップリングには"365"の刻印と共にハートマークの意匠が施されていた。

    366の前身に『365日、毎日使って欲しい。』そんなコンセプトと共に最初に生み出された「365」コレクションがある。20年前、異業界よりデルタの代理店をしていた会社に転職した私に直属の上司がブラックの365の万年筆をプレゼントしてくれた。
    日本人の手には少し大きめのサイズ感だった365。当時の舶来筆記具市場はアメリカや欧州市場中心で、これを日本の市場で「毎日使えるデイリーなペン」として扱うのは少し難しく思った記憶がある。

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    「365」のカラーバリエーションも・・少し、もったりした感じ。

    2000年の閏年(うるうどし)に発表された"366"コレクション

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    366コレクションのフルラインアップ。右端のスケッチペンは今もスタメンです。

    そんな中でデルタが新たに365コレクションの後継モデルとして2000年の"閏年"に発表したのが"366コレクション"だった。
    『366日、毎日使って欲しい。』・・ちゃんと4年に一度のことまで考えてくれているのがというのが、なんともナポリらしいちゃめっ気だと感じたことを思い出す。
    この"366コレクション"ではデザインも素材の色目も刷新。全く新しい印象を与えてくれたコレクションで、『これをエントリーラインとして南イタリアの伝統職人が生み出すイタリア美軸の世界を日本市場に広めよう!』・・当時のそんな熱い想いがよみがえる、思い出のコレクションだ。

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    全体的にデザインが柔らかく「新しさ」を感じました。

    366コレクションの愛らしい曲線美

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    上:キャップ式ローラーボール  下:ツイスト式ボールペン

    366コレクションにはツイスト式のボールペンのほか、キャップ式ローラーボールもありました。当時の私はその首軸の曲線美に一目惚れ。しばらくの間、日々愛用する私のデイリーペンに。

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    女性のボディーラインのような美しい首軸のデザイン。

    丸みを帯びたキャップの形状も、全体の印象を柔らかく感じさせて、全体のにレトロ感漂うデザインもお気に入りの理由。

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    キャップのフォルムも優しい感じ 

    そして、キャップトップの天冠にあしらわれた純銀製の"D"の頭文字をあしらった装飾。細部にわたり贅沢で南イタリアの香を感じさせてくれる。

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    小さいながらも筆記体で"D"をあしらった天冠の純銀製の装飾は控えめで美しい。

    万年筆市場の新しい可能性を感じさせてくれた366コレクション

    当時の万年筆市場は、今と違いどのブランドもいわゆる限定品を中心に収集する「万年筆コレクター」と呼ばれる比較的年配の男性の方が多い市場で、万年筆に使うインクの色はブラックかブルーブラック、ブルーの3色に偏り、それ以外の色はほとんど売れない時代が長く続いた。
    今とは大違いだ。

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    イタリア本国と米国中心にいろいろなバージョンの素材も展開されていた。

    そんな中で、南イタリアのデルタは、早い時期から女性市場を意識していた。イタリア美軸を女性にも使って欲しいとの思いもあった。 
    令和の時代は"多様性”の時代。ものづくりの周辺にいる人たちは男女や国で市場を考えるのではなく、さまざまな人々のモザイクのような趣味嗜好性を満たすチャレンジを続けていく必要がある。
    大きなヒットを生み出すのではなく、小さな市場の熱狂的なファンを熟成していくことが持続性のあるデイリーペンの市場を満たすのではないか。
    20年前に、南イタリアのデルタというブランドを日本市場に広げるために
    感じていたことの答え合わせを久しぶりに手にした366のペンたちが教えてくれたのかもしれない。

    Text/Photo 村雲 伸二




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    KUMO

     
     
    「丁寧な暮らし」を目指す イタリア万年筆/台湾文具の輸入商社のCEO。 ブランディング・販路開拓支援・キャリア教育 ブランドマネージャー ・トレーナー Makuakeキュレーター/Camfireパートナー キャリアコンサルタント/ワインエキスパート 商工会専門家

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