メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【突発即興企画】30分で小説を書く『天使を変えたい』(BL)

     はじめまして。

     ふだんは別のアカウントにいる者なのですが、こちらの企画が面白そうだったので参加させていただきたく、一次創作アカウントを作ってみました。

     三十分以内に小説を書き、時間内に書き終わらなくても基本的に推敲訂正なしでUPしなければいけないという興味深い企画!


     これからもときどき、BL中心に一次創作小説を書いていけたらいいなと思っています。いろいろと初心者なので、小説執筆に慣れた方々の中で浮きまくると思いますが、よろしくお願いします。


    【時間】20:40〜21:10

    【ジャンル】学生BL

    【文字数】738字

    【テーマ】天使

    【タイトル】『天使を変えたい』



     僕のクラスの春木くんは天使だ。

     もちろん本当の天使ではないけれど、僕には彼に後光がさして見える。

     彼の髪は、真っ黒で何の面白みもない僕のそれとは違って、太陽が当たるとヘーゼルナッツみたいな色になってふわふわ揺れる。

     同じ色の瞳も、彼の透きとおるような純粋な性格にぴったりだ。細く鋭い僕の目とは正反対の、こぼれそうに大きな瞳、広い二重、外国の赤ちゃんみたいにカールした睫毛。

     そして常に上を向いている口角が、春木くんを幸せいっぱいに見せることを手伝っている。

    「貴臣、制汗剤ありがとう」

     声変わりしたばかりの柔らかな声。天使の合唱団に所属できるのは、きっとこんな声の少年なんだろう。

     僕を君づけではなく名前で呼び捨てることでさえ、彼の無邪気さと陽気さを表しているように思えてくる。


     それにしても、天使も汗をかくらしい。貸してと言われたから喜んで貸したが、彼の汗のにおいなんて嗅いだことがない。体育のあとに多少汗を流していたかもしれないが。

     春木くんには、僕と同じミントのにおいなんて似合わないと思う。もっとシトラスとか、かわいい香りが合うだろう。

     でも僕は、気づいてしまった。僕の制汗剤を彼はまた使ってくれるとしたら。僕の好きなにおいに彼を染められるのだ。


     次の日、僕が教室に持ちこんだ筒には、海のイラストが描いてあった。そう、シトラスではない。春木くんが、男らしい香りを放つ姿に逢いたかった。

    「今日のにおいいいね、俺好き」

     春木くんから海のにおいがする。彼も気に入っているようだ。なんとなく、わかっていた。彼は天使じゃない。“男”なんだと。

     僕はわざと少女のように彼のシャツの裾をちょい、と掴んで、彼の胸に鼻を寄せた。

    「僕も好き」

     上目遣いに彼を見上げる。彼の瞳は、天使から悪魔に変わった、ように見えた。

    〈了〉



    【あとがき】

     そんなに筆が早いほうではないので、「三十分でどこまでできるんだろう?」と思いやってみましたが、やはりギリギリになりました。

     難しかったですが楽しかったです。

     ところでこの三十分って、文字を打つところからなのか、頭の中でプロットを立てるところも含めたほうがいいのか迷いました(結局、即興要素強いほうがいいですよね、と思い、ぼんやり話が浮かんだ時点で書きはじめました)。

     みなさんはどの程度浮かんでから三十分測りはじめるのでしょうね。

     素敵な企画をありがとうございました。スキマ時間でできる創作っていいですね。

     
     

    Sの

     
     
    一次創作用アカウント。たまにBL小説などを書きます(初心者)。

    あなたへのおすすめ