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休むということ#0 : 30代外資系営業、寝たきりになっても休み方がわからない

    「こんなはずでは」

    天井を見上げながら思った。
    仕事も軌道に乗り始め、「リスキリング」で第二のキャリアを模索しようかなんて時。当時流行りのコロナにかかり、後遺症を発症。あれよあれよという間に寝たきり生活になった。

    (こんなはずでは・・・?)

    30代になって、明らかに健康の話が増えた。
    「あるある」程度で済んでいたのも束の間、身近な友人から、背筋が凍るような話も聞こえてきた。

    中学の友人が、出産時にICUに運ばれた。
    高校の友人が、急に連絡が途絶えたと思ったら、生死の境を彷徨っていた。
    大学の友人が、100時間を越える残業がたたり、適応障害になっていた。

    病気になるのはいつも突然だ。
    「〇〇歳に病気になるんで、よろしく!」
    なんて、誰も教えてくれない。

    天寿を全うした祖父も祖母も、
    最期は病院のベッドで寝たきりだった。

    遅かれ早かれ「こうなるはず」だったじゃないか。

    今までの「健康習慣」が、通用しない

    別に怠惰な生活を送ってきたわけじゃない。

    朝はヨガに、軽い筋トレをして出社。
    仕事は外勤営業なので、体力もそれなりにつく。
    帰宅したら、ストレッチで体のケアもしていた。

    教科書的には「及第点」だった、のに。

    重くてコップが持てない。
    気管に空気が通るのが辛くて、声が出せない。
    テレビの音や携帯電話の光で、頭が痛くなる。

    来る日も来る日も、
    天井を見ながら、ベッドで「横になる」日々。
    あぁ、「散歩」や「ヨガ」って、元気だからできるのか。

    元気じゃなくなったわたしは、
    「眠る」以外の「休み方」が、わからない。
    このまま眠っていて良いのかも、わからない。

    体は起こせないけど、手足は動かせる時。
    歩き回れないけど、ベッドからは起き上がれる時。
    5分おきに休憩は必要だけど、1~2時間程度なら動ける時。

    どうしたら良い?

    「休み方」のレパートリーを増やしたい

    インターネットで「休み方」を検索してみると、ストレッチ、ウォーキング、入浴、読書・・・わたしにはハードルが高いものばかりだ。

    みんな「休むことが大切」と言うけれど、「休むこと」の実践経験やレパートリーが著しく乏しいのではないかと、疑い始める。

    昔のわたしなら、この問題を解決したくて仕方なかっただろう。それが今、声を出すのも億劫になるほど体は弱り、気力も湧いてこない。

    (結局、このまま毎日をやり過ごしていくのか)

    そんなことを考えていると、
    施設にいる、もう一人の祖母が頭をよぎった。

    (わたしって、少し若い「おばあちゃん」みたい)

    施設の人に車椅子を押され、か細い声で話す。
    母は耳を傾け、体をさすって元気づける。
    そんな祖母の姿が、自分自身と重なって見えた。

    (まるで、老後生活の予習をしてるみたい)

    視界が開けたようだった。
    もしこれが老後の景色なら、30代の今だからこそ
    試せること、考えられること、残せることがあるんじゃないか。

    こうしてわたしは、
    「休み方」のレパートリーを増やすべく、
    病気の体を活用し、小実験を始めることにした。

    療養生活でたどり着いた、休むための4段階

    休職して3年間、「休むとは何か」を考え続けてきた。呼吸、マッサージ、鍼灸、健康器具・・・。まだ試行錯誤の途中だが、見えてきたものもある。

    それは「休む」とは、サプリメントを飲むような単純な行為で完結するものではないということだ。

    休む「行為」より、休まっている「状態」に注目する

    「休む」というのは「特定の行為」(do)ではなく、
    「自分は休まっている」という状態(be)ではないかと思う。

    つまり「疲れた~」と言いながら、夜中にベッドで携帯をいじるのは、「休まっていない」ので「休む」に該当しない。むしろ「ダラダラする」というエネルギー消費活動である。

    大切なのは、自分が一体何にダメージを受けて、何をすれば休まるのか。それを知り、自分にとっての「休まっている状態」を作ってあげることではないか。

    「休む」ための4つの段階

    どうすれば、自分なりの「休まっている状態」を作ることができるのか。そのためのステップとして、わたしは「休み方」を4つの段階に分けて考えてみた。

    1. 【休む準備】長期的な見通しを立てる

    2. 【心を休める】「無意識」に気づく

    3. 【生活を整える】心地よい日常をつくる

    4. 【体を休める】体のことは、体に聴く

    これらは次回以降、
    1つずつ解説していきたいと思う。

    今どこにアプローチしているのか、
    逆にどこか疎かになっているのか。
    それを知っておくことも大切だ。

    例えば、
    来月の生活がどうなるか心配しながら、
    今日明日の食事もおぼつかない状況で、
    サプリや健康器具に手を伸ばすのは、
    もったいない「休み方」だと思うからだ。

    最後に

    ほんの半年ほど前の病院帰り。母に心境を吐露した時、こんなことを言われた。

    こんなことになって・・・ひびきが何考えてるのか分からなくて。話してくれて良かったわ。

    泣き言をいっても心配かけるだけだろう。そう思って黙っていたことが、余計に心配をかけてしまった。

    そういえば、仲の良い従姉にも言われたっけ。

    どこまで聞いていいのか、分からなくて

    記事では、自分の闘病生活の様子を、その時の心の動きもあわせて、率直に書いていくつもりだ。

    同じコロナ後遺症と向き合う人、他の病気で休職中の人。それを支える家族・友人。病気ではないけど、毎日頑張りすぎている人。

    この記録が、あらゆる立場の人にとって、「休む」ということを考えるきっかけになれば幸いだ。


    4段階中の1つ目、
    「長期的な見通しを立てる」はコチラ👇

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    #創作大賞2026
    #オールカテゴリ部門

     
     
    コロナ後遺症による休職をきっかけに 休み方・暮らし方・働き方を見つめ直しています。 日々の気づきを通して「よりよく生きる」を探究中。 修士号・外資系IT営業。趣味は旅行と読書。 小論文受賞・全国紙掲載歴あり。 ※Amazonのアソシエイト審査中

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