
経年優化
歳を取るとできなくなることが増える…
それは体の機能の衰えということよりも、条件が変化することが原因のように思う。
先日、街中で派手に転倒した。
それは足が衰えたのではなく、目が悪くなったことが原因だ。距離感を見誤ったのだ。
先日、数年ぶりにカラオケに行ったが、昔歌っていた曲が同じキーで歌えなくなっていた。だがそれは(声帯の衰えではなく)手術の影響だと医者から聞かされている。
経年により、当然身体の機能は衰えるが、衰えなくとも外的な要因などによって変化するのだ。だから、逆に経年によってできるようになることもある。
車の運転はその代表例だ。
18歳未満には運転免許が与えられない。いろいろな考え方があるようだが、最も大きいのは「万が一交通事故を起こしたときの法的・経済的な責任を負えるか」というところのように思う。
つまり「経年によって責任能力は上がる」ということだろう。
先日、学生起業家の若者と会話する機会があった。
彼は東京の某有名大学に在学中でありながら、AIエージェントをサブスクで売るビジネスにbetしていた。
別に彼のことをdisるつもりはないが、彼のアピールポイントは自分自身の優秀さだ。ホームページにも彼自身の経歴とサクセスストーリーが滔々と綴られていた。
しかし、そのサクセスストーリーは(仕方ないことだが)ほんの1~2年のことだ。残念なことに経験値が足りない。
その経験値とは「世の中のことを知る」ことだ。世の中に(SNSなどで有名ではないけれど)素晴らしい経歴とサクセスストーリーを有している人がごまんといるということを、体感と体験で知ることだ。
その経験値は「リスクヘッジ」という機能に活かすことができるだろう。
昨今、国がスタートアップに対する補助金などの支援事業を進めたり、大企業が社内ベンチャーに対するサポートを行っていたりすることもあって、失敗しても比較的鷹揚に見てもらえる時代になったように感じる。
だからといってゲーム感覚でビジネスを興すのもどうかと思ってしまう。
サクセスばかりに目を向けるのではなく、きちんとリスクを定義し、言語化し、数値化して、それらを軽減するための方法論を持っておくことも経営者として重要なことなのだ。
念のため…
ベテランの経営者であってもリスクを定義できない人は多い。長年にわたってリスク(不確実要素)にさらされて来たにも関わらず。
ひょっとすると、経年によって最も劣化するのは「学ぼうとする意欲」なのかもしれない。