
塞翁が馬
少し前のニュースではあるが、ジャングリア沖縄が7月でオープンから1年を経て、初年度入場者数が100万人を超えたというニュースが出ていた。
まあ、仕掛け人の森岡毅氏はいろいろ言われているようだが、ボクにはよくわからない。ボクは沖縄に住んだこともないし、イベントマーケティングは門外漢なので、この「入場者100万人」という数字を評価できる知見がないからな。
ただ、ネットに流れている言説を見ていると「美ら海水族館の入場者数に比べると1/3程度しか入ってない」であったり「初年度100万人はそんなに悪い数字ではないのでは?」であったりと、評価は分かれているように思う。
規模感は全く異なるが、ボク自身もスクラッチビルドでビアガーデンをオープンさせた経験があり、初年度(って言っても2年目はやらなかったけどね)の収益が1万5千円だった経験があるので、ボク的には「初年度ってそんなもんじゃね?」っていう感覚ではあるが。
沖縄と言えば…
もう随分昔の話だが、沖縄にビジネスを展開するプロジェクトのメンバーになったことがある。
当時ボクらはインフラビジネスを沖縄に持ち込もうとしていた。もちろん沖縄には同等のサービスがすでに存在していて、そのうちの数%を我々のサービスに置き換えてもらうことがプロジェクトの成功と定義されていた。
会社はすでにその分野にかなりの投資をしていたが、収支は明るいものではなかった。なので、一気に現地に人的リソースを送り込むのではなく、社内に数名いた沖縄出身者をプロジェクトに招聘し、彼らを先発隊として送り込む戦略を取った。
先発隊の仕事は現地のパートナーを見つけることだったが、数か月経っても成果を得ることができず、結果的にプロジェクトは立ち消えとなった。
ボクたち下っ端に上層部の判断の経緯は知らされなかったが、仲の良かった先発隊のひとりから聞いた話によると、現地の同業コミュニティのボスの機嫌を損ねたことが理由だったようだ。
デール・カーネギーは、名著『人を動かす』の中で「人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ。これを忘れては、人を動かすことはおぼつかない。」と書いている。
振り返ってみると、当時の先発隊はきっと「誰を動かすべきなのか」を理解しておらず、「その人が欲しているものを手に入れる方法を教える」ということを知らなかったのだろうと思う。
どう考えても、そのボスの欲していたものは「存在感」だ。そのコミュニティに対する彼(彼の会社)の「影響力」と言い換えてもいいかもしれない。
下調べが足りなかったんだろうと思う。
そのボスのことをすっ飛ばして、彼の影響下の会社にアプローチをしていたわけだから、そりゃ良い関係性を築くことはできないはずだと思う。
ボクたちは別に彼にとってかわろうと画策していたわけじゃなかった。なんなら彼の会社をフロントにするビジネスモデルでも全く問題はなかったのだ。そういうアプローチをしていれば、そのコミュニティにおける彼の存在感はさらに増すことになったはずで、彼は喜んでボクたちに手を貸してくれていただろう。
もし、あのプロジェクトが上手くいっていたら、ボクはそれから数年間沖縄に住んでいただろう。そうしたら全く違う人生になっていて、今の仕事仲間や友人たちと出会うこともなかったかもしれないと思ったりもする。
人間万事塞翁が馬だよ、森岡さん。
まあ、ビジネスの大先輩にいうセリフじゃないけど。