
笑声で怒られた私が、SVになって新人に教えていること
「笑声で対応しましょう」
新人研修で、私はそう教わりました。真面目だった私は、その教えを守ろうと、とにかく笑顔の声を意識して電話に出ていました。
ある日のことです。お客様とお話をしている途中で、突然こう言われました。
「何笑ってるのよ!?」
頭が真っ白になりました。笑っているつもりはなく、ただ丁寧に対応しようとしていただけだったからです。
■なぜ怒られたのか
今ならわかります。そのお客様は困っていて、不安や苛立ちを抱えていました。そこに「ずっと明るい声」が返ってきたら、「この人は私の困りごとを軽く見ている」と感じても不思議ではありません。
私は、笑声を「笑っている声」だと誤解していました。
電話は、声だけでお客様とやりとりする仕事です。表情も身振りも見えません。だからこそ、声の演技力、表現力、抑揚が、対面の何倍も大事になります。
私の笑声には、その抑揚が足りませんでした。気持ちは丁寧でも、声が一定のままでは、お客様には「笑っている声」としか届かなかったのです。
■笑声の本来の意味
笑声とは、ずっと笑うことではありません。明るく、感じよく、丁寧な印象を作る声のことです。
声の高さや明るさは、いつも同じではなく、状況によって変えるものです。
■私が立て直せた方法
この出来事のあと、私は意識を変えました。お客様のトーンに合わせて、声色を変えるようにしたのです。
・お客様が落ち着いているとき → 明るく、聞き取りやすい声で
・お客様が不安そうなとき → 少し落ち着いたトーンで、ゆっくりと
・お客様が怒っているとき → 声を落として、真剣さが伝わる声で
これだけで、お客様の反応は大きく変わりました。声に抑揚をつけると、「ちゃんと話を聞いてくれている」という安心感が伝わるのだと実感しました。
■SVになった今、新人に伝えていること
「笑声は大切。でも、笑い続ける声ではないよ」
電話は声がすべてです。だから私は新人さんに、「演じる」くらいの気持ちで声を使い分けてみてね、と伝えています。嘘をつくという意味ではありません。お客様の気持ちに合わせて、声で寄り添うということです。
教えを真面目に守る人ほど、一度立ち止まってみてください。マニュアルは正解の一部であって、目の前のお客様に合わせて使うのが本当の対応です。
この先では、現場ですぐ使える「場面別・声のトーン早見表」をまとめています。