
介護士に人権をください
介護業界は狂っている。
連日のように介護士による虐待が報道される令和7年。
まるで、介護士=虐待を平気でやる酷い人たちとマスコミによる印象操作をしているのではないかと疑いたくなる。そのぐらい介護現場への理解も関心も低すぎると痛感させられた。
家族や親族など養護者による高齢者虐待は1万7078件。
介護施設での高齢者虐待件数は856件。
このことから、介護士=虐待してそうな人は誤った認識だと言えるだろう。
もちろん、虐待は一件でもあってはいけない事件だ。
そう、正論である。正論であるけど、どこまで行っても机上の空論なんだ。
人間は高ストレス、多忙、人手不足の環境で温かみのある理想の介護はできない。
私は「介護士に向いている人はこんな人!」という記事を見たり、会話の中で質問されたこともある。
私は「優しい人とかじゃない?」と中身のない返答をした。理由は簡単。
理解してもらえないからだ。
人は他人の痛みに無関心で、経験しないとわからない生き物だから、いくら語っても無駄なんだ。
ここで、私の本心を明かそうと思う。
介護士は優しい人が向いてる?寝言は寝て言え。
どんな人間でも、長時間拷問されて、耐えられるか?耐えられるわけがない。
「あなた方はなぜ、施設に足を運んだことすら無いのに、理想論をさも正論のように述べることができるのか」
「あなた方は一度でも介護に携わったことがあるか?
少しでも現場を知れば、介護は綺麗事だけでは無いことがわかるはずだ」
津久井やまゆり園事件の犯人、植松聖の言葉を引用した。
彼の行った所業は到底、許されることではないが、この言葉は私の心に強く残った。
私は介護士として、七年働いている。劣悪な環境で消耗する職員、酷い暴力や暴言で傷つかれる姿を。
もちろん、私もその一人だ。

これはおむつ交換中に噛まれた。交換しないと褥瘡や尿路感染リスクがあるから、やらないといけない業務ではあるのだが。介護士は暴力に黙って耐えるしかない。
殴られたり、首を絞められたり、筆舌しがたい暴言など、数え切れないほどの理不尽を受けてきた。
介護職の闇をまとめてみた
○介護士の給料はどんなに頑張っても給料に反映されない。
○国が介護士に補助金を支給しても、経営者に中抜きされる
○利用者からの暴力は無罪。介護士がやれば、即人生終了。
○国が介護現場の理解が皆無。綺麗事を正論のように強要される(介護士の負担ばかり増加)
○国が率先と氷河期世代や社会不適合者に介護職を勧めている。ハローワークでも斡旋している。
本来なら、充分な給料を貰い、人材を見極めて育成し、ゆとりのある介護ができる環境を作らないといけなかった。
でも、現実は「おかしい人」でも介護士になれる。誰もやりたがらないから、必然的にそういう人ばかり集まってしまう。介護職が底辺職とバカにされる背景がそこだ。
正直、こんな状況では虐待が発生するのも納得してしまう。
誰も真剣に考えていないからだ。
自分の親が介護が必要になったらどうする?仕事を辞めて、介護をするのか?
自分が高齢者になって、不自由な体になったときは?
他人事は自分事なのに、日本人はバカだから、ずっと問題から逃げ続けてきた。
やまゆり園の事件もそう。障害者との共存を民意で、選んだのにも関わらず、どいつもこいつも「責任」を持とうとしない。
挙げ句の果てに競争社会から、敗北した社会的弱者に福祉職を強制的に従事させた。弱者や障害者など、不快な存在を目に見えない場所に追いやり、自分たちの手は綺麗なまま。綺麗事を気持ちよく吐いて、今日も生きていく。