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楽観主義|笑うからしあわせになる

    [1] PROLOGUE|導入

    テーマ概要

    世界には、「三大幸福論」と呼ばれる考え方があります。

    イギリスの哲学者ラッセルは、外の世界に目を向けることの大切さを説きました。スイスの哲学者ヒルティは、信仰や信念を持って生きることの大切さを語っています。

    そして今回取り上げるのが、フランスの哲学者アランの幸福論です。
    アランは、幸福について「楽観主義」という視点から考えました。
    アランは「プロポ」と呼ばれる短い文章を新聞に寄稿し続け、その中で、日々の生活や人間の感情について考えを語っています。
    その文章をまとめた『幸福論』は、今も読み継がれている一冊です。

    今回は、このアランの幸福論を、あえてひとつの「構造」として捉えてみます。人はなぜ悲観的になってしまうのか。そして、どうすれば自分から幸福をつくっていけるのか。

    アランの考えを、一枚の図から読み解いていきましょう。

    参考資料

    幸福論、アラン、岩波書店

    [2] CORE|本編

    図の解説 - 紙芝居形式

    図解ツールをパーツごとに分解し、詳しく解釈しながら説明していきましょう。
    テーマ説明:全9枚


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    人は、何もやることがないとどうなるでしょうか。じっとしていると、自分自身に意識が向かってしまいます。そして、そんな暇な時間に、人間が持つ豊かな想像力が働きます。まだ起きていない未来を想像し、期待したり、不安になったりするのです。


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    自分が何もしなくても、未来は勝手に変わっていきます。そして、社会や周りから、権力や名声、富などが与えられることを期待してしまう。でも、それは自分でつくる幸福ではなく、外から与えられる快楽です。そこには、運や偶然も大きく作用します。


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    期待ばかりしていると、気分に左右されやすくなります。妬みや怒りなどの負の感情が生まれ、それが周りへの態度にも表れていきます。その態度は自分だけにとどまらず、周囲へ伝わっていく。そして、周囲の負の感情が、また自分へ返ってくる。

    こうして、悲観的な循環が自分の周りを覆っていきます。


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    だから私たちは、「幸せになりたい」と意志を持つことが大切です。その意志を持ち、外へ目を向けることで、目の前の行動に集中していきます。未来には、勝手にできていく未来と、自分でつくっていく未来があります。

    現実は、その二つが混ざり合ってできていくのです。


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    とはいえ、なかなか行動できないこともありますよね。

    そんなときは、ちょっとした運動や体操、日々の生活動作、自分を律することでもいい。礼儀作法や宗教の儀式、祈りなど、身体を動かす行為もあります。そうした行動によって、負の感情にとらわれ続けることから離れていくのです。


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    行動に集中できれば、そこから熱中が生まれていきます。そして、「やってみよう」「なんとかなるかもしれない」という、楽観的な気持ちも生まれてきます。

    未来には、決まっていない部分があります。だからこそ、どんな行動にも、ある意味では賭けの要素がある。それを認識したうえで、自分で決断していく。その決断が、また次の行動を生み出します。

    行動するから、楽観的になる。
    そして、楽観的だから、また行動する。


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    行動して、熱中しているからこそ、豊かな表情や笑顔も生まれてきます。その幸福感は、自分の中だけにとどまりません。笑顔や幸福は周りにも伝わり、周囲の人にも影響を与えていきます。そして、自分の行動や熱中が、少しずつ自分の未来をつくっていくのです。


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    そして、「幸せになりたい」という意志を持つなら、自分の負の感情は放っておけばいいのです。周りの負の感情も、必要以上に気にせず無関心になる。

    礼儀作法もまた、荒ぶる感情のまま周囲に嫌な態度をぶつけないための、自分を律する知恵なのです。

    思考回路 - 図解全体像

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    アラン 幸福論 楽観主義 図解

    人間は、周りに負の感情をばらまくこともできます。でも、その反対に、自分から幸福を周りへ与えていくこともできます。

    幸福は、誰かから与えられるのを待つだけではありません。自分で意志を持ち、行動する。その積み重ねが、自分自身を幸福にし、周りにも幸福を広げていく。

    それが、アランの考える幸福なのだと思います。

    [3] INSIGHT|考察

    図解をまとめての感想

    アランを読み進めていくと、古代ギリシャやローマのストア派の哲学、そしてデカルトやスピノザなど、さまざまな思想家の言葉が引用されていることに気づきます。その中には、古代から語られてきた「自分で行動すること」の大切さもあります。

    そして、僕が美しいなと思ったのは、アランが「憐れみ」についても厳しく考えていることです。

    人は、自分の負の感情を周りにぶつけてしまうことがあります。また、誰かの負の感情に反応することで、自分までその感情に巻き込まれてしまうこともあります。それでは、負の感情が次々と伝わっていくだけです。

    だからこそアランは、まず自分から幸福であろうとします。

    しあわせだから笑うのではなく、笑うからしあわせになる。

    そして、自分の幸福が周りにも伝わっていく。
    そんな考え方が、とても美しいなと感じました。

    負の感情が伝わっていく社会だからこそ、自分から幸福を生み出し、それを周りへ伝えていく。そんなアランの考え方は、これからの社会にこそ、改めて必要なのかもしれない。そう思わせてくれた一冊でした。


    [4] NAVIGATION|関連情報

    過去の図解


     
     
    「対話に希望を」 自分との対話、他者との対話を、地に足のついたものに。 心理学や哲学、社会問題を、視覚で理解し俯瞰できる図に。 ときどきエッセイ。 '85生|エンジニア|1児の父|東大|メーカー 入賞「#今年学んだこと」(國學院大學 × note) 図解コンサル|図解写経WS

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