
月を見る【シロクマ文芸部】
月を見るたび、少しずつ形を変えながら消えていっている。
月から逃げてきたウサギの話によると、あれは満ち欠けではなく、餅をつく時に使う杵で、ウサギ達が月を削っているらしい。
ウサギ達が月でつくウサギ餅は、地球で大人気。
しかし、餅をついてもついても生産が追いつかず、カメの手を借りたいほど忙しいそうだ。
休みがなかったウサギ達は、社長のかぐや姫に休みを要求するが、かぐや姫はウサギ達に休まず餅をつくよう命令する。
それに怒ったウサギ達は、かぐや姫を月から追い出した。
それだけでは鬱憤が晴れなかったウサギ達は、杵で月を削り始めたという経緯だ。
数日後には月は完全に無くなり、自由になったウサギ達は宇宙のどこかへ跳ねていった。
月から追い出されたかぐや姫は、再び地球に降り、過去にお世話になったおじいさんとおばあさんの家を訪ねる。
だが、おじいさんとおばあさんは数年前に亡くなっていて、家も無くなり空き地になっていた。
「はあ……これからどうしよう……」
途方に暮れたかぐや姫は、月が消えた夜の空を見上げ、溜め息をつくことしか出来なかった。
小牧幸助さんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。