メインコンテンツへスキップ

忘年怪異

    日中の役目を終え、遊具達が眠る夜の公園。
    近くで救急車とパトカーのサイレンが鳴っている。
    会社の忘年会を途中離脱し、ベンチに座って照明灯の光を浴びながら、缶チューハイで一人酒。
    頑張って良い会社に入社したのに、先輩達からいじめられて、これでは学生時代と変わらない。
    俺って、いじめられやすいタイプなのだろうか。
    缶チューハイを口につけるが、全部こぼれてしまう。
    「はあ……」
    思わず溜め息が出る。
    「あなたはまだマシじゃない。私なんて火事で丸焦げよ」
    「俺は高所作業で命綱を付け忘れて落ちてしまった」
    「わしは信号無視した車に轢かれて首が回ったわい」
    全身包帯を巻いた女、タコ足のようにぐにゃりと足が曲がった男、首が180度回った老人が次々と目の前に現れた。
    「生きてりゃ良い事があるさ。さぁ、身体に戻りな。君はまだ助かる」
    三人に持ち上げられ、サイレンが鳴る方へ連れていかれる。
    そういえば俺、事故に遇ったんだった。


    たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
    以下の記事に詳細あります。


     
     
    小説、音楽、ゲームが好き。 色んなものを見て、聞いて、感じて、不思議な世界を作りたい。 ショートショートガーデン、エブリスタでも活動してます。

    あなたへのおすすめ