
熊野大花火と那智の滝で熊野の歴史を感じる旅
海の上に打ち上がる花火が見られる熊野大花火大会。今回は、以前から行きたいと思っていたその花火大会と、翌日に熊野信仰の中心地である那智の滝へ行ってきた。
熊野大花火大会
熊野大花火大会の会場は、JR紀勢本線の熊野市駅から歩いてすぐの七里御浜である。東京から新幹線に乗り、名古屋から快速列車と普通列車を乗り継いで熊野市まで、7時間ほどの少し長い旅路となった。
名古屋駅のホームに降り立つと、「熊野大花火へ行かれるお客さまは…」と放送が流れていた。まだ距離があるものの、熊野市に近づいているのを実感した。
名古屋から出る快速列車は伊勢方面へ行くので、途中の多気で普通列車に乗り換える。やがて熊野市が近づくにつれ地元の人々も増えてきて活気が増す。全国的に有名な熊野の花火だが、地元の人々にも愛されているのだなと感じた。

花火大会の会場には2時間ほど前に到着した。地元の方々は大人数のグループが多く、場所取りの枠も大きく取られていたので、われわれはその隙間にお邪魔した。会場には屋台も多く出店していたので、屋台メシを食べながら花火の打ち上げを待った。


市長の挨拶の後に花火の打ち上げが始まった。最初に奈良県桜井市との友好都市提携40周年記念のスターマイン花火が上がり、企業協賛の花火が続く。海上から打ち上がる花火を見るのは初めてだったが、夏の夜空に花が咲き、咲いた花が海を彩るこの情景には心を奪われた。
いくつか企業協賛の花火が上がった後、メッセージと共に1発の花火が上がるメッセージ花火なるプログラムが実施された。これで告白とかあったらロマンチックだなと考えていたら、最後になんとプロポーズのメッセージ花火があり、会場は歓声に包まれた。

花火大会も終盤になると、三尺玉海上自爆という花火が広がる。海面のすぐ上で三尺玉を爆発させるこの花火は、大きな爆発音とともに直径600m以上になるという半円形の大きな花火が一瞬で広がり、想像以上の迫力だった。
写真のほうは構図は完璧だったのに思ったより花火が明るく、設定が合わずに白飛びしてしまうという、大変悔しい結果となった。

構図は完璧だったのに設定が合わずとても悔しい
そして最後は世界遺産の一部である鬼ヶ城から花火を打ち上げる鬼ヶ城大仕掛けである。色とりどりの小さな花火が一気に咲く彩色千輪から始まり、たくさんの花火がフィナーレを飾る。煙が停滞してしまい最後のほうは綺麗に見えず残念だったが、彩色千輪は写真にもしっかり収めることができた。

初めて行った熊野大花火大会では、海の上で花火が打ち上がるというだけでなく、三尺玉海上自爆や彩色千輪などこの花火大会ならではの魅力的な花火も見られて、来られて良かったと感じた。
那智の滝
翌日は朝イチで那智の滝へ行った。日本古来の自然崇拝と仏教などが融合した熊野信仰の中心となる熊野三山のひとつ、熊野那智大社も近くにあり、那智の滝はその別宮である飛瀧神社の御神体である。この一帯は吉野熊野国立公園の一部となっているほか、紀伊山地の霊場と参詣道という世界遺産の構成資産にもなっている。
この数日前に大雨が降った影響で水量が増えていたようで、その迫力には人間の力では太刀打ちできない、まさに拝めるしかない自然の神秘を感じた。






那智の滝からは熊野古道らしい石段の道を歩いて熊野那智大社へ行った。熊野那智大社には導きの神様とされる八咫烏のデザインされた御守や絵馬があり、礼殿の隣には八咫烏を祀る御縣彦社もあった。礼殿の先には幹に空洞のある御神木のクスノキがあり、護摩木や絵馬を持ってくぐり抜けることで願いを叶えるそう。
その奥には西国三十三所の第一番札所である那智山青岸渡寺があり、三重塔の先に那智の滝のある景色が見られた。三重塔に上って那智の滝を望むこともでき、昔の人々はこの塔の上から那智の滝を見て何を思ったのだろうかと想像が膨らんだ。










那智山を離れたら新宮市内に戻り速水という和歌山ラーメンの店で昼食を摂った。濃い豚骨醤油スープのこのラーメンは元祖和歌山ラーメン井出商店直伝の味だそう。やきめしとセットで薄切りのチャーシューも多く入った特製ラーメンをいただいた。

昼食の後は新宮駅にも近い場所にある、熊野那智大社と同様に熊野三山を構成する大社のひとつである熊野速玉大社へ行った。帰りの電車の時間が近づいていたので軽くお参りしただけだが、明るい朱色が美しい神社だった。


そして新宮駅から特急南紀と新幹線を乗り継ぎ、名古屋経由で帰路についた。

車両が新しくなった特急南紀に乗るのは初めてだった