
介護の未来を、自分ごととして描くために
「人は1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価しすぎる」
—アンソニー・ロビンズ(自己啓発の世界的講演家)
この言葉を今日SNSで知りました。
私は「これって、まさに“介護”のことやん」と思ったので覚書として残します。
今の介護の現場には、「目の前の課題が大きすぎて変えられない」と感じている人がたくさんいます。
職員も、家族も、そして地域も。
でも、10年先の未来まで視点を広げると、私たちには想像以上に大きな可能性がある。
その未来を、今から一歩ずつ、自分ごととしてつくっていく。
今日はそんなお話を、させてください。
■ 介護は“なんとかする”ものじゃなく、“未来をつくる”仕事
「介護=大変でつらいもの」
そんなイメージをもつ人は、まだまだ少なくありません。
実際、介護の現場では人手不足や業務負担の増加など、課題が山積しています。働く人の約6割が「辞めたい」と思ったことがあるというデータもあるほど。
でも私は、介護こそが“未来をつくる仕事”だと信じています。
なぜなら、介護は「生きる力を支える仕事」だから。
老いや障がい、病気のなかでも、人が人として自分らしく生きていくことを支える。
それは単なるサポートではなく、その人の“未来”を一緒につくる営みです。
■ 日本の“今”と2040年問題
ご存知の方も多いかもしれませんが、日本はこれから“超・超高齢社会”に入ります。
特に注目されているのが、2040年問題。
団塊ジュニア世代が高齢者に突入し、介護・医療・社会保障のバランスが崩れると予測されています。
•介護人材の大幅不足(全国で69万人が不足とも)
•認知症高齢者の急増
•独居・老老介護・8050問題の深刻化
•家族の介護離職問題
•地域包括ケアシステムの形骸化
正直、1〜2年で解決する話ではありません。
だからこそ、私たちは「1年」であきらめず、「10年」でつくる視点が必要なんです。
■ “できること”は、いつも想像より小さくない
たとえば、10年前の自分を思い出してみてください。
今の自分が経験してきたこと、出会った人、乗り越えてきた壁
それらは10年前には、想像もしていなかったことではありませんか?
介護の未来も同じです。
今は無理そうに見えることも、「できない」と決めつけずに、丁寧に積み重ねていけば、社会は変わっていきます。
私はそれを、いくつも見てきました。
•“ 外出をあきらめていた”方が、メイクをして笑顔になった
•“人との関わりを断っていた”方が、地域サロンで再び話すようになった
•“介護職を辞めたい”と思っていたスタッフが、利用者の言葉に涙してまた続ける決意をした
そうしたひとつひとつの出来事が、10年後の介護の文化をつくっていく。
私は、そう信じています。
■ 「自分には関係ない」と思っていませんか?
でも、この記事を読んでいる方のなかには、こんな風に感じる方もいるかもしれません。
「自分はまだ親も元気だし、介護なんて関係ない」
「介護のことなんて、専門職に任せればいい」
「自分が将来どうなるかなんて、考えても仕方がない」
その気持ち、わかります。
でも、介護は「いつか突然、我がことになる」テーマです。
ある日、親が倒れて、介護が始まる。
ある日、自分が病気になって、支援が必要になる。
ある日、地域で独居の高齢者と接点をもつ。
そんなふうに、介護は私たちの人生に入り込んできます。
だったら、せめて“知っている”だけでも違う。
“関心を持つ”だけでも、誰かの力になれる。
■ 「介護を自分ごとにする」って、どういうこと?
「介護を自分ごとにする」って、何か特別なことではありません。
•身近な人に声をかける
•親の話をじっくり聞いてみる
•地域のサロンやイベントに少し顔を出してみる
•SNSで介護について発信する人の声を読む
•介護職の人と会話してみる
そんな小さなことでも、十分“自分ごと”です。
そして、自分の人生の中に「介護」というテーマを置くことで、見える風景は少しずつ変わっていきます。
■ 10年後、あなたはどんな未来を見ていたいですか?
アンソニー・ロビンズの言葉に戻ります。
「人は1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価しすぎる」
介護の未来は、今すぐには変わらないかもしれません。
でも、10年後にはきっと、誰かの一歩で変わっている。
いや、“誰か”ではなく、“私たち”の一歩で変えられる。
未来の社会を、誰かに任せず、自分たちの手で育てていく。
その覚悟が、介護にも必要な時代がきています。
■ 自分自身への問いかけ
この記事を読んでくださったあなたに、ひとつだけ問いかけさせてください。
10年後のあなたは、どんな社会に生きていたいですか?
そしてそのために、“今”できる一歩は、なんでしょうか?
未来は、いつも今日の行動の先にあります。
あなたの一歩が、10年後の誰かを救うかもしれない。
私も、あなたと同じく「一歩」を積み重ねていく人でありたいと願っています。
参考・引用
•Anthony Robbins(アンソニー・ロビンズ)
“People overestimate what they can do in one year and underestimate what they can do in ten years.
•厚生労働省『2040年を見据えた介護人材確保の課題と展望』
•日本介護福祉士会/認知症未来共創ハブ