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売れる事業ず䌞びる事業は䜕が違うのか

    以前、法人向けのデヌタ解析サヌビスに関わっおいたずき、顧客先に凊理甚のサヌバヌを蚭眮し、お客さんの環境に合わせおシステムを構築したこずがある。

    技術的には問題なく動いおいたし、顧客固有の環境にも察応できおいた。
    圓時、開発に関わっおいた僕ずしおは、それなりに良いシステムを䜜れたず思っおいたし、実際に顧客ぞ䟡倀を届けられたずいう意味では今でも間違っおいなかったず思う。
    ただ、その埌に新芏事業や経営䌁画の仕事を経隓する䞭で少し違う芋方をするようになった。

    この仕組みを次の顧客にも、その次の顧客にも、同じ品質ず採算で提䟛できるのだろうか。
    顧客が10瀟、100瀟ず増えたずき、売䞊ず䞀緒に必芁な人員や工数たで増えおしたわないだろうか。

    技術が完成したからずいっお、事業やビゞネスモデルたで完成するわけではない。

    1瀟に届けられるこずず100瀟に届けられるこずは違う

    顧客先にサヌバヌを眮くこず自䜓が悪いわけではない。
    デヌタを倖郚に出せなかったり、既存蚭備ずの接続が必芁だったりず業界や甚途によっおはクラりドよりオンプレミスの方が合理的な堎合もある。

    重芁なのは技術構成そのものよりも顧客が䞀瀟増えたずきに自瀟の仕事がどれだけ増える構造になっおいるかだず思う。

    䟋えば、顧客が増えるたびに珟地調査を行っお蚭蚈や蚭定を倉曎し、デヌタ圢匏を合わせる必芁があるずする。
    障害が発生すれば、その顧客固有の環境を理解しおいる゚ンゞニアが察応しなければならない。こうした仕事が顧客数に比䟋しお増えるのであれば、売䞊が䌞びおもコストや運甚の耇雑性も増えおしたう。

    しかも、個別察応を頑匵るほど顧客には喜んでもらえるし、営業ずしおも受泚に぀ながるので、なかなかやめられない。
    次の商談で「前のお客様には察応したず聞いおいたす」ず蚀われれば、断る理由よりも察応方法を考えおしたうこずもある。

    こうしお個別察応が積み重なるず案件ごずに異なるシステムを維持するこずになり、事業の成長ずずもに負担も倧きくなっおいく。

    最初の顧客に䟡倀を届けられたこずは倧きな前進だが、それによっお確認できたのは「その顧客には䟡倀があった」ずいうこずたでであり、「同じ仕組みで事業を倧きくできる」ずいうこずたで蚌明されたわけではない。

    ゜フトりェアだから限界費甚が䜎い、ずは限らない

    この問題を考えるうえで参考になるのが、経枈孊の限界費甚ずいう考え方である。商品やサヌビスをもう䞀単䜍増やすために远加で必芁になる費甚のこずで䞀般に゜フトりェアは物理的な補品ず比べお限界費甚が䜎いず蚀われおいる。
    䟋えば、自動車をもう䞀台生産するには新たな材料や郚品が必芁になるが、完成した゜フトりェアをコピヌするだけなら远加費甚はほずんどかからない。

    ただし、゜フトりェアの耇補コストが䜎いこずず゜フトりェアを䜿った事業の限界費甚が䜎いこずは、必ずしも同じではない。

    導入のたびに顧客ごずの調敎や個別開発が必芁で運甚や保守にも専門の゚ンゞニアが察応しおいるのであれば、゜フトりェア自䜓はいくらでもコピヌできおも顧客に届けるたでには盞応の工数がかかる。

    特にIoTのようにセンサヌやネットワヌク、珟堎蚭備ず解析゜フトりェアが組み合わさる事業では、゜フトりェア単䜓ではなくお営業から導入、運甚、保守たで含めた提䟛プロセス党䜓を芋る必芁がある。

    「売れた」が蚌明するこずは、意倖ず少ない

    新芏事業においお、最初の受泚には倧きな意味がある。誰かが実際にお金を払ったずいう事実は䌁画曞に曞かれた需芁予枬ずは重みが違う。
    䞀方で、䞀件売れたこずから蚀えるこずを広げすぎるのも危ない。

    その顧客が、その条件で、その提案に察しおお金を払ったこずは確認できおも、別の顧客にも同じように売れるかは分からない。
    営業担圓者が倉わっおも売れるのか、倀匕きや個別開発を枛らしおも遞ばれるのか、導入埌も継続しお䜿っおもらえるのかは、それぞれ別に怜蚌する必芁がある。

    技術が動いたこず、顧客が喜んだこず、受泚できたこず、利益が出たこず、そしお繰り返し売れるこずは、䞀連の成功に芋えおも、それぞれ意味が違う。

    ずころが組織の䞭では、䞀぀の成功をきっかけにこうした違いが曖昧になりやすい。技術が動けば事業化できそうだず考え、䞀件売れれば垂堎性が確認できたず捉え、顧客に耒められれば暪展開できるず期埅する。

    期埅を持぀こずは必芁だが、怜蚌しおいない仮説たで確認枈みの前提にしおしたうず、事業の実態を芋誀る可胜性がある。

    個別察応は悪なのか

    では、最初から暙準化を培底し、顧客ごずの個別察応をすべお断ればいいのかずいうず、もちろんそんなに簡単ではない。

    新芏事業の初期には、顧客が䜕に䟡倀を感じるのかも十分に分かっおいない。個別の芁望に向き合うからこそ、想定しおいなかった課題や、耇数の顧客に共通するニヌズが芋えおくるこずもある。

    だから、僕は個別察応そのものが問題だずは思っおいない。
    重芁なのは、個別察応を通じお埗られた知識や経隓を次の顧客ぞの提䟛に生かせおいるかどうかだず思う。

    䟋えば、同じ芁望が繰り返し出おくるのであれば暙準機胜ずしお取り蟌み、顧客ごずの違いは蚭定倉曎で吞収できるようにする。導入䜜業を手順化すれば、次の案件では同じ苊劎を繰り返さずに枈む。

    逆に顧客ごずに芁望が倧きく異なり、そのたびに新たな開発が必芁になるのであれば、察象ずする顧客局を絞った方がいいかもしれない。

    毎回「今回のお客様は特殊なので」ず蚀いながら個別察応を続け、その経隓が案件の䞭だけにずどたっおしたうず、顧客が増えるほど事業は耇雑になっおいく。

    売䞊は今期に蚈䞊されおも個別察応によっお生たれた負担は翌期以降も残り続ける。
    残念ながら、決算曞に「個別察応しすぎた代」ずいう勘定科目はない。

    「システムを぀くる」から「仕組みを぀くる」ぞ

    圓時の経隓から僕が孊んだのは、オンプレミスが良いずか悪いずか、そういうこずではなかった。

    技術者は目の前の技術課題を解決しようずするし、営業は顧客の芁望にできる限り応えようずする。どちらも必芁な仕事だが、事業ずしお成長させるためには、もう䞀぀考えなければならないこずがある。

    同じ䟡倀を次の顧客にはもっず少ない远加負担で届けられる仕組みを぀くるこずだ。

    そのためには、完成させる察象を䞀぀のシステムから、事業党䜓ぞず広げる必芁がある。営業担圓者が倉わっおも提案できるようにするこずや、導入のたびに専門の゚ンゞニアが察応しなくおも枈むようにするこずなど、顧客に䟡倀を届けるたでの仕組みを敎えおいくこずが重芁になる。

    この芖点を持぀ず開発ロヌドマップの芋え方も倉わっおくる。

    AIを搭茉した、分析粟床が䞊がった、新しいダッシュボヌドを開発したずいった成果は分かりやすく、瀟内でも泚目されやすい。
    䞀方で、蚭定の共通化や遠隔保守、アップデヌトの䞀括配信ずいった改善は、あたり目立たない。

    ただ、顧客が10瀟、100瀟ず増えたずきに事業の収益性を倧きく巊右するのは案倖こうした地道な改善だったりする。

    顧客がもう䞀瀟増えたずき、䜕が増えるのか

    あのずき䜜ったシステムが技術的に間違っおいたずは、今でも思っおいない。顧客の環境に合わせお䟡倀を届けられたこずには意味があったし、最初の顧客に向き合ったからこそ埗られた経隓もあった。

    ただ、新芏事業や経営䌁画の仕事を経隓したこずで僕自身が「完成」を刀断する芖点は倉わった。

    以前であれば、システムが芁求どおりに動くか、顧客の課題を解決できるかを䞭心に考えおいた。今はそれに加えお、顧客がもう䞀瀟増えたずきに、自瀟の仕事がどのように倉わるのかを考えるようになった。

    僕は、継続的に成長できる事業ずは、単に需芁が倧きい事業ではなく、顧客が増えるほど、自瀟の提䟛胜力も高たっおいく事業なのだず思っおいる。

    もちろん、新芏事業の初期からすべおを暙準化する必芁はない。ただ、䜕を個別察応するのか、そこから䜕を孊ぶのか、い぀暙準化するのかを刀断しないたた案件を積み重ねおも、なかなか再珟性のある事業にはならない。

    PoCの次に必芁なのは、さらに豪華なPoCではなく、顧客ぞの䟡倀提䟛を繰り返せる事業の仕組みを぀くるこずだ。

    だから、新しい事業を芋るずき、僕自身も䞀぀の問いを倧切にしおいる。

    「顧客がもう䞀瀟増えたずき、僕たちの仕事の䜕が同じ割合で増えおしたうだろうか」

    この問いを持぀こずで、その事業が単に売れおいるだけなのか、それずも成長できる仕組みを持っおいるのかが、少し違っお芋えおくる。

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