
【デイトレ株】6法則のうち5分足で使うのは2つ|ダウ理論とは
ダウ理論は、天井や底を当てるための理論だと思われがちです。読んでみると、むしろ逆で、当てにいかないための決まりが並んでいます。
法則は6つあります。そのうち5分足でそのまま使えるのは、私の考えでは2つ。トレンドは転換の合図が出るまで続くとみなすことと、出来高で確かめることです。10時5分の足で1,542円の天井をつけた株でも、最後の押し安値1,517円を割る1,516円までは、上げは終わったと言いません。天井から26円、それまでの上げ幅42円の6割ほどを返してからの合図です。
遅いですよね。
ただ、この遅さを先に数えておくと、ダウ理論がどういう道具なのか、だいぶ見えやすくなると思います。

6つの法則を、5分足の言葉に直す
ダウ理論は、19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて、米国のチャールズ・ダウが新聞に書いた相場の見方を、後の人たちがまとめたものです。
大和証券の用語解説には、6つの法則がこう並んでいます。見たのは2026年11月4日です。
1つ目は、平均には材料が全部織り込まれている、という考え方。2つ目は「トレンドには3種類ある」で、長期・中期・短期に分けます。3つ目が「主要トレンドは3段階からなる」。4つ目は「平均は相互に確認されなければならない」、5つ目は「トレンドは出来高でも確認されなければならない」、そして6つ目が「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」です。
織り込む、という話は、材料の中身を調べるより値段を見ろ、という意味で読まれることが多い法則です。5分足でも、ニュースの見出しが出る前に板と値段が先に動く場面は、珍しくありません。
段階の話は、先に仕込む人、あとから追いかける人、最後に飛びつく人、という順番の話です。朝の急騰にも似た並びを感じることはあります。ただ、いま見ている上げがどの段階なのかを言い当てるのは、私にはできません。
もとは日足や週足、もっと長い時間の話でした。
トレンドの3種類も、長期が1年から数年、中期が3週間から3か月、短期が3週間未満。5分足の1日は、いちばん短い短期にも届きません。期間の数字は、そのままでは持ってこられないんです。
持ってこられるのは考え方のほう。私が5分足で使っているのは5つ目と6つ目だけで、残りの4つは、知っておくと人と話が通じやすい、くらいの扱いにしています。
4つ目の「相互に確認」は、もとは工業株の平均と鉄道株の平均が同じ向きに動くかを見る法則でした。5分足なら日経平均先物と見比べる、という使い方を聞いたことはあります。ただ、個別株のデイトレで先物と向きが違う日はいくらでもあるので、私はそこで手が止まってしまい、使っていません。

天井から26円、上げの6割を返してから
6つ目の法則を5分足で使うには、山と谷を数えます。
例の株は9時に1,500円で寄りました。9時10分の足で1,520円の山、9時20分の足で1,508円の谷。そこから1,531円まで上げて、9時55分の足で1,517円まで押し、10時5分の足で1,542円の天井をつけています。
山も谷も、前より高い。上昇トレンドです。
そのあと株価は5本続けて下がり、10時30分の足で1,516円をつけました。最後の押し安値1,517円の1円下です。ここで初めて、安値の切り上げが途切れます。
天井1,542円から1,516円までで26円。寄りからの上げ幅42円に対して、26÷42で約62%。
上げの6割を返さないと、ダウ理論は「上げは終わった」と言ってくれません。
天井で売れた人は、ダウ理論では売っていない。
合図はいつも、天井より下で出ます。当たり前ですが、ここを忘れて「ダウ理論で天井を取る」と考えると、使うたびにがっかりすることになります。
この幅を決めているのは、天井の高さよりも、最後の押しの深さです。
同じ1,542円の天井でも、9時55分の押しが1,530円で止まっていたら、合図は1,529円で、返すのは13円、上げ幅の31%。押しが1,510円まで深かったら、合図は1,509円で33円、79%まで返します。
押しが浅いほど、合図は早い。

なので私は、上げに乗る前に、最後の押し安値が何円かを先に見ます。そこから天井までの幅が、ダウ理論の合図を待つときの代金だと考えているからです(この代金を損切りの幅にして株数を出すと、もう1段先の話で、有料の記事のほうで扱っています)。
ちょっと迷うのは、天井のあとに小さな戻りがはさまった場合です。
10時15分の足で1,525円まで下げて、10時20分の足で1,536円まで戻し、また下げたとします。戻りは1,542円を超えていないので、高値の切り上げはもう止まっている。このとき1,525円を新しい谷と数えて、その1円下の1,524円を合図にする数え方があります。返す幅は18円、上げ幅の43%です。
1,517円の谷にこだわるなら、26円待つことになる。
ここは人によって数え方が違うところです。私は18円のほうで数えています。高値を超えられなかった戻りのあとに安値を割るのは、もう十分に弱い形だと思うので。

出来高は、押しのほうが少ないか
5つ目の法則は、上げで出来高がふくらみ、押しでしぼむなら、上昇トレンドは本物に近い、という見方です。
例の株で、上げの足は9本、押しの足は5本ありました。上げの足の出来高は平均2.4万株、押しの足は平均1.1万株で、押しは上げの0.46倍しか売られていません。
押しで出来高が細るのは、売りたい人が少ないから。
反対に、上げの足で出来高がだんだん細っていく形も、私は好きではありません。値段は上がっていても、買う人の数が減っている。そういう上げは、押しが来たときに支えが薄いことが多い気がします。
変わったのは天井のあとです。10時10分から10時30分までの下げの5本は平均3.1万株で、上げの足の1.29倍ありました。値段の合図の1,516円が出る前に、出来高のほうが先に「これは押しではない」と言っていたことになる。

出来高の比は、私は1.0倍を目安にしています。押しの足の出来高が上げの足を超えたら、まだ安値を割っていなくても、新しく買うのはやめる。持っているなら、合図を待たずに半分降りる、という考え方もあります。
ただ、1.0倍という線に、はっきりした根拠があるわけではありません。
根拠は弱いです。
きりのいい数字を置いて、それを超えたら手を止める、というだけの決まりで、もっと低くても高くても、言い訳はいくらでも立ちます。迷ったら買わない側に倒すための線、くらいに思ってもらえれば。
確かめていないこと
ダウ理論は、日足よりずっと長い時間の値動きから生まれた考え方です。5分足でも「トレンドは転換の合図まで続く」が成り立つのか、正直に言うと、私は確かめていません。
確かめるには、何年分もの5分足で、山と谷の切り上げが続いた回数と途切れた回数を数える必要があります。手元にそのデータが無いので、この記事の数字はどれも計算例です。
ここが、いちばん自信の無いところです。
それでも使っているのは、外れたときの損が先に見えるから。
天井から最後の押し安値までの幅は、買う前から画面に出ています。26円なのか、13円なのか。その幅を見て、乗るか見送るかを決めるだけで、ダウ理論でやっていることは、たぶんそれくらいかなと思っています。
次に数えてみたいのは、押しの出来高が上げの何倍を超えたら、そのあと安値を割りやすいのか、という比のほうです。1.0倍で本当にいいのかは、まだ分かりません。
山と谷を数えて、買う値段・損切りの値段・株数まで計算する記事は、有料マガジン「【デイトレ株】実戦編セット」に入れています。続けて読むなら「ダウ理論の5分足の使い方|直前の安値-1円で切る」です。1本¥580前後の実戦編が19本入って¥1,980、あとから足す記事も追加の支払いなしで読めます。
https://note.com/takway/m/mb368587d6ef5
ここまで読んで、少しでも使えそうだと思ったら、スキ(♡)をもらえるとうれしいです。次に書くテーマを選ぶときの参考にしています。
あなたは上げに乗る前に、最後の押し安値を見ていますか、それとも天井の高さを見ていますか。コメントで教えてもらえると、次の記事の参考にします。
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このページはダウ理論の6つの法則と、5分足の山と谷で転換の合図を数える考え方を解説したものです。記事中の数値は解説用の計算例で、実際の銘柄の値動きや売買結果ではありません。6つの法則とトレンドの期間は、2026年11月4日に大和証券の金融・証券用語解説で確認しました。特定の銘柄の売買を勧めるものではなく、将来の成果を保証するものでもありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。