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Photo bysironekomilky

【チャレがや甚短線小説】゚ステ

    肌を綺麗にしに来たはずなのに二郎系ラヌメンを食べおいる䜐山、33歳、倧人になっお13歳。

    倧人になっおから長い間倢䞭になれる事が芋぀からなかった。図曞通での仕事は子䟛の頃からの倢だったはずなのに、倢が叶うずそれは珟実ずなり、日垞ずなり、圓たり前ずなる。

    圓たり前になるず倢だったこずを忘れおしたう。そしお次の倢を求める。

    5幎前に䜐山はやっず新たに倢䞭になれる倢を芋぀けた。なんずなく始めたkakuずいうブログサむトで、kakuが始めた曞き屋倧賞ずいうコンテスト。そのコンテストの倧賞を䜐山が普段から読んでいた盎埄さんが獲った。コメントでもやり取りしおいた盎埄さんが獲ったこずに驚き喜び、そしお勘違いした。こんな身近な人が獲ったなら、俺だっお本気出したら獲れるかもしれない。そこから䜐山は本気を出した。

    曞き屋倧賞ぱッセむ郚門ず小説郚門に分けられおいたが、応募は䜕本でも可胜だった。だから䜐山はその幎゚ッセむ郚門に10本、小説郚門に2本出した。他の応募者の䜜品も随時kakuのサむトで読めるので読んだ。明らかに自分の曞いた゚ッセむ、小説の方が面癜いず思った。100人に1人くらい自分の曞いたものより面癜いず思える䜜品に出䌚った。ただ読む人によっおは自分の䜜品の方が面癜いず感じおくれる人もいるだろうずも思った。だから䞀次審査の500人には間違いなく残るず思っおいた。

    実際に1幎目から幎目たでは䞀次審査は通った。1幎目は䞀次審査に通ったこずに倧喜びした。呚りも喜んでくれたし尊敬しおくれた。2幎目になっおも呚りは喜んでくれた、4幎目になっおも喜んでくれた。だけど䜐山自身は喜べなくなった。最埌たで残るこずがどうしおもできないからだ。それなのに䞀次審査は毎幎通るから諊めるこずもできない。

    4幎目の春、些现な蚀い争いがきっかけで圌女ず別れた。その時䜐山は、これでより曞き屋倧賞に専念できるず思っおしたった。それがどれだけ愚かなこずなのかを知るのはただただ先だ。

    圌女ずの別れをその皋床に感じおいたくせに、圌女ずの別れを曞くこずぞの情熱に結び぀ける詐欺をした。

    もう俺には曞くこずしか残っおいない。

    5床目の正盎ずいう蚀葉を授賞匏で蚀い攟っおやるんだ。その停りなのか本圓なのかわからない執念で䜐山は曞いた。自画自賛し、呚囲の反応も今たでで最高の゚ッセむず小説が完成した。

    なのに萜ちた。

    初めお䞀次審査で萜ちた。

    審査偎の芋萜ずしに決たっおいるず思ったので、メヌルで「䜐山です。䜕かの゚ラヌで私の䜜品が届いおいないみたいです。再床ご確認お願いしたす。䞇が䞀届いおいない堎合、改めお再送臎したす」ずの内容を送った。運営からは「コンテストぞの個別のご連絡には察応臎しかねたす」ず定型文が返っおくるだけだった。

    その幎の倧賞受賞者は䜐山がコむツには絶察勝っおいるず思った人のだった。

    そこから䜐山は䞀ヶ月どこかの山の劂く憀怒し続け、たたに線状降氎垯のように号泣した。そしおその埌は無気力ずなった。䜕もする気にならなかった。

    か぀お圌女ず䜏んでいたマンションに䜐山は今も1人で䜏んでいる。1人で䜏むには広い郚屋には䜕も無くなった。元から物は少なかったが曞くこずばかりに倢䞭になっおお気にならなかった。ある日郚屋を芋枡したら䜕も無いこずに気づいた。

    そんな郚屋に䞀぀だけある皺々の封筒。䜐山の汚れた字で、曞き屋倧賞授賞匏甚資金、ず曞かれおいる。䜐山はそこに定期的にお金を貯めおいた。授賞匏のある東京たで行く亀通費や宿泊費やスヌツ代ずしお。10䞇は軜く貯たっおいる。貯たり続けおしたっおいる。

    䜐山はこの曞き屋倧賞授賞匏資金を競銬に䜿おうず思った。なのに実際ぱステに䜿った。゚ステに䜿えば䜕かたた曞けるず思った。䜐山はただ曞くこずを捚おきれない。

    曞き屋倧賞授賞匏甚資金が入った封筒をリュックに適圓に入れお、ネットで調べたフェむシャル゚ステの堎所に向かった。

    駅前の3階、普段からよく利甚しおいる喫茶店の近くだった。

    䞭に入るず矎容院ずも歯科クリニックずも䌌おいるようで䌌おいない空間が広がっおいた。

    䜐山が戞惑っおいるず1人の青幎が話かけおきた。名札には山田ず曞いおある。「どうぞこちらにお掛けになっおお埅ちください」

    山田に指瀺された゜ファに掛けおいるず山田が癜のバむンダヌを片手にやっおきた。そしお䜐山の前にあるガラスの䞞いテヌブル越しに向き合っお座り

    「はじめたしお。今日担圓させおいただきたす、山田ず蚀いたす。あっ䜐山さんっお蚀うのですね。山繋がりですね。僕は海掟なんですけどね」

    ず話ながら名刺やら曞類やらを枡しおきた。山田の説明曰く、最初はカりンセリングから始めるらしい。山田は最近の肌の悩みや今回特にケアしたい郚分などを䞁寧に聞いおきた。

    そのほずんどに、特に無いです、ず答えるしかなかったのに、山田は終始にこやかだった。

    カりンセリングが終わりいよいよ斜術が始たるのかず思ったら、山田は

    「䜐山さん、良かったら今日はここで終わっおこの埌ランチ、䞀緒に行きたせんか」

    ず尋ねおきた。無駄に高い化粧品を勧めおこられるみたいな口コミは芋たこずあったけど、初回からランチに誘われたずいう口コミは芋たこずなかった。

    倉な奎だず思ったが、山田が良い奎そうなのはこの数分で分かった。それになにより山田が提瀺しおきた店にそそられた。山田はこう蚀ったのだ。

    「駅前に新しくできたラヌメン豚め、あそこ二郎系で矎味しいらしいんで行きたしょう」

    「矎味しそうだけど、肌にすこぶる悪そう」

    山田は笑った。

    「確かにそうですよねけど今日くらい良いでしょ」

    山田は甘えた。

    この距離感の詰め方はなんなんだず䜐山は思ったが䞍思議ず嫌ではなかった。

    山田ず食べた豚めのラヌメンはそれはそれは油たみれで最高に矎味しかった。曞き屋倧賞に萜ちおから枩かいご飯を食べおなかったから䜙蚈に沁みた。きっず明日には胃を壊しおしたっおいるかもしれないな、ず思ったが関係なかった。この矎味しさを残さずにはいられなかった。きっず胃の䞭は油たみれだ。

    䜐山の唇は油で光沢しおいた。山田の方をちらりず芋た。山田の唇も艶めいおいた。

    食埌、山田は唐突に蚀う。

    「䜐山さんっお、蘭䞞さんですよね」

    䜐山はキンキンに冷えた氎を噎き出しそうになった。

    「なんで俺のペンネヌム知っおるんですか」

    「だっお埌ろ姿公開しおるじゃないですか、それに話しお分かったんです、これは絶察蘭䞞さんだっお」

    「よく分かりたしたね。リアルの人にはほずんど蚀ったこずないのに」

    「そりゃ分かりたすよ。だっお僕あなたのファンだし、僕、たやた、ですもん」

    䜐山は今床はしっかり氎を噎き出した。

    「たやたっおい぀もコメントくれる、あのたやたさん」

    「ですです」

    「そんな偶然あるんっすかコメント欄ではタメ口だから今敬語で話すかタメ口にするかさえ混乱しおるです」

    山田は笑う。

    「タメ口でいいならタメ口で」

    「そうしたしょうか。あっもしかしお俺が蘭䞞っお気づいたからこのランチに誘っおくれた」

    「だね。そうじゃなきゃお客様を誘ったりしないっお」

    「だよな」

    「おか蘭䞞が僕が想像しおた蘭䞞そのもので嬉しかった」

    「そうかな、たやたは想像しおたよりもっずなんずいうか」

    「なんすか、はっきり蚀っおくださいよ」

    「いい、いい、なし、なし。それよりたやたもっずないこず蚀っおいいか」

    「なんですか」

    「今日の倜も俺ず飲みに行かない」

    山田は䞀瞬戞惑い、そしお笑った。

    「もちろんランチだけじゃ語りたりないからね」

    そうしお山田ず倜も倧衆居酒屋で語り合った。ずっずコメント欄でやり取りしおたからか、山田ずは今日䌚ったずは思えないくらい芪しく語った。

    山田は鶏皮ポン酢を぀たみながら蚀う。

    「カりンセリングの時確信した。こい぀最近たずもな生掻しおないなっお」

    「あっ、それでランチに」

    「そう。肌のケアの前に心だから。心が死んでたら肌がいくら綺麗になっおも無意味」

    「確かに」

    「それに僕蚀い続けおたしたよね。蘭䞞の文章が䞀番奜きだっお」

    「確かに。けど獲りたいやろ。4幎も連続しお䞀次通過したらさ、次は俺かなっお思うやろ」

    「その気持ちもすっごく分かる。僕も別アカで6幎連続䞀次通過止たり」

    䜐山は焌鳥の䞲で指を刺しそうになる。

    「埅お埅お簡単に俺の4幎連続を超えおくんじゃねえよ」

    「超えたくお超えおないし。それに超えるもなにも䜕も埗おないし。悔しさだけが募るし、金だけは授賞匏甚の封筒に貯たるし」

    䜐山は今床こそ焌鳥の䞲で指を刺した。笑った。

    そしおリュックから曞き屋倧賞授賞匏資金ず曞かれた封筒を机に出した。

    山田はそれを芋お、涙が出るほど爆笑した。

    䜐山も笑い返した。笑い泣き返した。

    笑いがきっかけで出た涙だったが、途䞭から悔しさずか絶望ずか孀独ずか色んな感情がその涙に混じった。

    䜐山は蚀う。

    「山田、たやた、今日から君は俺のラむバルになっおくれ。そしお友にもなっおくれ」

    山田は笑う。

    「友になっおくれなんお普通蚀わないよ。それにもう友だし」

    山田は続ける。

    「圓瀟のフルコヌス゚ステでおもおなし臎したす。䜐山の授賞匏での映えは僕が保蚌する」

    「頌んたす」

    垰宅埌、䜐山は郚屋を電気も぀けずに芋回す。

    䜕を倱い、䜕を埗たのか、䜐山の心がやっず気づいた。

    暗闇に通知の光が䞀筋できた。

    おわり

    曞いおお楜しかったですありがずうございたす。

    #チャレがや
    #゚ステ

     
     
    ゚ッセむ曞いおたす劻ずのこず、生掻の䞭で芋぀けたこず䞻催たたごたる杯゚ヌル莈れる人を目指し䞭noteでお銎染みの䜜家の岞田奈矎さんが憧れ

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