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【お題】残されたメモ|拝啓文芸部

    時節柄、書店や雑貨店、百均の店頭に手帳やカレンダーが並び始めた。

    種類もサイズも豊富である。

    私も以前は手帳を愛用していたが、今はもっぱら、スマホのアプリでスケジュール管理を行っている。

    それでも、店頭に並ぶ手帳を手に取ってしまう。

    手帳を一通り見て、卓上カレンダーに目が移る。

    卓上カレンダーを見ると切なくなる。

    私は今、ショートステイで勤務している。

    ご利用者様の中には、卓上カレンダーを持参される方がいらっしゃる。

    そこには、ご自身で書かれたり、或いはご家族が書かれたメモが残されている。

    デイサービスの日
    ショートステイの日
    ヘルパーが入る日
    通院の日

    楽しい予定なら良いのだけれど。


    そして卓上カレンダーを持参される方の多くは、認知症の症状が現れ始めている方たち。

    今日は何日なのか?

    そもそも、そこに残されたメモの意味さえわからないことも。

    不安気に卓上カレンダーを握りしめる光景を何度となく見守ってきた。



    そして私の父も最近、卓上カレンダーを使い始めた。

    デイサービスの日や通院の日を記入している。

    その表情に一切の曇りは無い。

    それでもいつの日か、
    不安な面持ちで眺める日が来るのかもしれない。


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